盲目的な恋と友情

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 499
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103283225

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めてから、止まらないってなかなかない。
    見たいような見たくない、人の心の中。

    盲目的な恋と友情。
    題名の通り激しい恋と友情のお話。
    蘭花の気持ちも瑠利絵の気持ちも半分わかる。
    全部わかってしまったら、同じ道を歩むことになりそうで怖い。依存してしまうとなくなることが怖い。比べてしまいそうで怖い。
    正しいとかはないんだろうけど生きていくって大変って改めて思う。
    クライマックスのまさかに何度も読み直してしまった。読む価値あり。
    でも、一回読んだらいいかなw

  • 友情

    私は留利絵、そのものだと思う。
    親友という言葉で、特に蘭花にそうよんでもらいたくて、じたばたしてる、幾つになっても。
    それを素直に言葉に出せる留利絵は、すごい!

    茂美の惹きつけられる容貌も、気になった。どんなにいい男なんだろう。

    読んでいて、ずっとこんな思いで過ごしてきた私自身の内面を文字に起こされ、恥ずかしくなるほど。

    話がどうなるかよりも、女の敵は女であることが、よくわかる。

    あと全体に変わった名付け。

  • 黒辻村、大好き。白じゃなくてこんなのを、もっともっと描いてほしいなー。映像化するなら、茂美=高橋一生、蘭花=小松菜奈、留利絵=安藤サクラ。脳内キャスティングは完璧。

  • 題名通り、前半は盲目的な恋に走る女性が主人公。

    こんな男さっさと捨てて、新しい人探した方がいいと思うも、その男といる楽しさを知ってしまい、中々捨てる事もできず。

    後半は、その女性の友達の話で、女性に対する友情が盲目的です。

    そんなにガッツリ友情を求めて疲れないのか?と、思いつつ後が気になりイッキ読みしました。

  • ある男女の恋愛を、当事者の女性とその女友達との2つの視点から眺めた前後半2部の構成は、大胆な手法だが、重苦しい心理描写の推移がよく伝わり、とても効果的だった。

  • 美しく、人気者で、聡明なあの子。
    自分に無いものをたくさんもっていて、キラキラした世界に住むあの子。

    そんなあの子の1番になることで、わたしは自分の人生を豊かにできる。

    だから
    私の側から離れるなんて、そんなことさせない…

    男女の愛憎をエサにして、女友達の愛憎を描き切った傑作。

    愛と狂気は表裏一体。

  • スラスラと読みやすく、ありがちな恋愛に溺れる女性の話。
    読み応えあるし面白いがこれが辻村深月である必要はあるのか?他の名のしれた恋愛作家でも誰でもいいのではないか、そんな感想がよぎった前半の「恋」。
    ところが、後半の「友情」。ここからが本領発揮だったのだと今ならわかる。
    辻村深月得意の、目には見えない環境に根ざすカースト制度によりコンプレックスを抱いた女性のドロドロとした内心を文字に書き起こし、それは読む人の心を抉るのではないだろうか。
    その女性のことを、考え過ぎだよ、と私自身一笑してしまいたくも思いつつ、流すことは出来ずどんどんその女性の目をそらしたくなるような痛い様を綴った文字を必死に追いかけていた。

    そして、最後の最後のどんでん返し。
    まさか、とまた騙されてしまった。『冷たい校舎の時は止まる』の時から辻村深月には騙されて、最後にあっと言わされている。
    そこで、本当にこの2人は救いようがないことがわかり、タイトルがいかに本編とマッチしているか腑に落ち、やられたと思う。
    『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』の読後感と似たようなタイトルと本編の一致であった。

    よくここまで書いたなぁ、と感心してしまいます。
    今作の出版社は新潮社。
    以前の作品だと『ツナグ』が新潮社では刊行されている。
    今作の読後感は前述したゼロハチ〜に似た感じ。
    文藝春秋だともっと読後感悪かった予感がするので新潮社で良かったかも。
    また辻村深月で明るいお話読みたいのでツナグ2は大歓迎です。
    それにしても、本当、久しぶりに楽しめた辻村深月でした。

  • 星10です。
    私の語彙力程度では感想なんて書けません。。

  • 内容に引き込まれて一気に読めました。
    盲目的な恋に、盲目的な友情、どちらも共感出来る部分が多々あり、自分が経験した思春期の頃の恋愛や友情について思い出しました。それを乗り越えて現在も続く承認欲求について考えさせられました。

  • 友人、親友という横並びに同じ立場の人の存在があるワンオブゼムの立場と、恋人という絶対的な存在となりうるオンリーワンの立場を、2つの立場から一つの物語を別視点で描いたお話でした。

    自分の周りにも仲良い友人ではあるけど、恋人が出来た途端に連絡が取りにくくなり少し寂しい気持ちになることがこれまでに何度かあったので、そんな気持ちに近いのかなと思いました。
    また、連絡が来るようになったなと思ったら恋人と別れてて、次の恋人が出来たらまた連絡取りにくくなったり。

    作品の中に、合コンに行ったり服装も派手な女の子が出てくるのだけれど、自分が学生の時にも同じ名前で似たような男性付き合いをしていた子がいたので、そんなところでもこの作品の世界に入り込みました。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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