- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103283225
感想・レビュー・書評
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読んでいて軽い既視感。
なんだかこの話、朝井リョウの「スペードの3」に似てない?
女性の尋常じゃない自意識だとかスクールカーストのトラウマだとか。
今この手のテーマが若手の作家の間の流行りなのか。
ブラックな感じも共通してて作者を伏せて読んだらどっちがどっちだか分からないかも(笑)
お二人の作家は同期で仲良しらしいから影響されあってるのかな?
でもね、正直個性が感じられなかった。
私が辻村さんの作品をほとんど読んでないせいもあるのかもしれないけれど・・・。
女性独特の心理を巧みに描写しつつもミステリーに仕上げるってのが彼女の特徴なのか。
この作品以外に読んだことあるのは「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
これも巷の評価ほど感心しなくてずっと辻村さんから遠ざかっていたけれど今回たまたま手に取ってみた。
またしても外れちゃったみたい。
これぞ、辻村!!と言う作品を読まないと。
以前にブクログ仲間さんにお勧めいただいた本があったはずだな。
まずはそれを読まないと始まらないか。
若い作家さんの小説に入り込めないのはもしかしたら自分の年齢のせいかなとも思うけれど。
どうなんだろう。認めたくないけど・・・。 -
前編は盲目的な恋。
美しい大学生、一瀬蘭花と、恋人の茂実星近。
そして蘭花の親友傘沼留利絵。
彼らの関係を蘭花目線で描いている。
こちらは女性なら何となく理解できるのかも。
恋は盲目とはよく言ったもので、悪魔的に心を支配され、それ以外は何も見えなくなってしまう。
何となく退屈な本だなぁと思いながら読んでいたのだが、、、
後編は盲目的な友情。
前編と全く同じ時間軸で、蘭花の親友、傘沼留利絵目線で話が進行する。
後半になってから物語のスピードが加速した気がした。
女って、怖いな。。。
留利絵の気持ちには感情移入できず、私の目には少々狂気的に映ってしまった。 -
盲目的な恋と、盲目的な友情。
美しい女子大生の初めての恋が燃え上がるが‥
一瀬蘭花は女子高から私立大学に進みます。
音大ではないけれど、百人を擁するオケ部で、第一バイオリンのメンバーに入りました。
指揮者は若手のプロがやって来ることになっていて、指揮者は誰とでも選び放題で付き合えるという話は聞いていたのです。
そんな指揮者でしかもかなりの美形な茂実星近と2年の秋になって蘭花は付き合い始め、あれこれありつつも5年という異例の長さで恋人として続きます。だがそれは‥
恋に積極的な美波は、初心者だがオケ仲間でもあり、蘭花の親友でした。
1年生の頃は美波は蘭花のことを、初恋どころか思春期もまだのようだと言っていたりして。
そんな美波のことを嫌う傘沼留利絵は、群を抜いてバイオリンが上手い。
痩せていて生真面目で、化粧っ気もない。
素直な蘭花は、教育熱心な家庭に育った共通点を感じ、演奏会などの話も面白くて気が合うと感じていました。
世間知らずな蘭花の一人称で語られる出来事。
初めての恋に縛られ、他の女性の存在に衝撃を受けたり、相手が崩れていっても別れられない。
ありそうではあるけど、どこかでどうにかならなかったのかと、もどかしい。
良い面も不幸を招いてしまい、生かされなかった‥
美しさが災い?
留利絵の一人称で語られるパートはもっと怖くて、そうなった事情に気の毒さはあるが‥なんとも歪んだ考え方。
盲目的な友情って‥そういうことだったのかと思うと、恋のパートもさらに怖くなってくる‥?
人柄のいい男性が一人も出てこなかったような‥
こうなるしかなかったような書き方で、鮮烈な印象はあるし、なめらかで、わかりやすいけど‥
後味は悪いですね(苦笑)
これはホラー?
普通に成長していると思った女の子が一歩間違えばこうなりかねない、なりますよ~というブラックな味です。
嫌ミス的な意地の悪さ?‥というほどでもないかなぁ‥こういうのも書けますよ、っていう印象でした。 -
ドロドロでした。生まれながらの不平等さ、抗うことの出来ない本能。何がアタリなのか、ハズレなのか。何がシアワセで何がフコウなのか…。
辻村深月のドロドロ加減好きです。
そして、装丁が今をときめくヒグチユウコさんでした♥️ -
留利絵さんのコンプレックスが重過ぎて。。異性はもちろん、同性からも人気がないのは、しょうがないような。こういう人は、割り切って趣味に没頭した方が絶対幸せになれると思う。
一瀬蘭花さんの鈍感力も半端ない。留利絵の天敵、美波さんが一番人間的には共感する。
結末は、薄々予想出来たようで、読みきれず。ミステリーとしては、まずまず面白かったけど、読後感はよくはない。いやミスです。 -
さあ、どっちだ、どっちだ??
最後に感動の涙を流させてくれる講談社路線か?
はたまた、じめじめとした女の嫌らしさを描いた文藝春秋路線か?
といっても、これは実際には新潮社の発行物だけどね------。
ということで読み始めた辻村深月の書き下ろし最新作。
冒頭
あの人が死んでしまったら、とても生きていけないと思った、あの幸せの絶頂の一日から六年が経ち、あの人は死んでしまったのに、私は、まだ、生きている。
大学のオーケストラに定期的に指導にやってくる指揮者たち。
彼らは女子大生の憧れの的であり、団員の誰とでも付き合える別格の存在だった。
なかでも、元タカラジェンヌの娘蘭花の前に現れた茂実星近は完璧な外見を擁していた。
主人公蘭花と茂実の盲目的な恋、蘭花の周りを彩る留利絵と美波との複雑な友人関係。
登場人物が個性的で、しかも内面のドロドロというよりも、それを遥かに超えたズブズブの底なし沼のような感性の描き方が、まるで湊かなえの作品であるかのような感覚を覚えた。
作者辻村深月自身の言によれば、最近の作品は“”白辻村“と黒辻村”があるという。
デビュー当時から、ベタでもハッピーエンドを書き続けると言っていた作品群は白辻村、最近の、女性の内面をどこまでも深く描く、私にしてみれば読後感のあまり良くない作品群は黒辻村のようだ。
この作品は明らかに黒辻村。
だから、読み終わって、がっかりでした。
私が彼女に求めているのは、あくまでも前半は様々な伏線を張り巡らせ、終盤見事にそれを回収して感動の涙を流させてくれる白辻村作品だからだ。
ということで、驚愕のラスト、異性への恋と同性との友情の並列的比較という問題提起で話としては面白かったのだが(さらには装丁も素敵だった)、彼女に期待していた作品ではないので、評価は3。
今年はデビュー十周年記念ということで、あと二冊今年中に発刊されるらしいので、できればどちらも白辻村作品であることを心の底から願うばかりだ。
“スロウハイツ”や“名前探し”を超える作品の誕生を期待したい。
でも、辻村さん自身の作品に向かう考え方が変わってきているようなので、あれ以上の感動に再遇するのはもう無理なのかもしれん。
人間って十年で全く変わってしまうんだね。悲しい。 -
ヒグチユウコさんの装画がとにかく可愛くて装丁買い。初めて読む辻村深月がこれなのはあまり正しくない気はするけどまあいいや。中身は恋パートと友情パートで語り手がチェンジする二部構成になっていて、どちらもタイトル通り「盲目的」。
大学のオーケストラに所属する蘭花が、イケメン指揮者の茂実星近という男と恋に落ちるも、実はこいつがとんだダメンズでさんざんな目に合わされ、しかしうまいこと死んでくれたおかげで別の人と結婚するまでが蘭花視点の「恋」。「友情」のほうでは、蘭花と同じ第一バイオリンの友人・留利絵視点で、基本的には同じストーリーが繰り返されるのだけれど、茂実の死の真相がこちらで明かされるサスペンス仕立て。
蘭花は大変な美人なのだけれど、本人はその点に自覚が薄いのか無頓着なのか「恋」ではあまりその点について語られていない。ただただ、うっかりダメンズに引っかかってしまった大学生の女の子の、それでもそのダメ男を諦めきれないダメな恋愛のお話でしかない。
怖いのは、圧倒的に留利絵の「友情」のほう。容姿に劣等感を持ち、美しい姉と比べられ、しかしその姉が美貌ゆえにある不幸を引き当ててしまうことすら内心羨んでしまうほど劣等感が複雑骨折した留利絵のキャラは大変つらい。恋愛ではなく友情に依存してゆく彼女の心理をこれでもかというエピソードの積み重ねで描写されていて、嫌なんだけど上手いんだなあこれが。
そこそこ可愛くて軽くて合コンばかりしていて最終的にかなり良い男をゲットする美波というもう一人の蘭花の「親友」がいるのだけれど、彼女のキャラ設定も配置も絶妙。留利絵は美波をライバル視し大変憎悪するけれど、本当に友人にすべきは美波のように偏見もなくバランス感覚の良い子のほうだろう。留利絵は悪意にしか受け止めないけれど、読者には美波が留利絵を思いやる行動をとっていることが伝わるし、花火のとこで出てきた男の子も、留利絵はバカにされた、と被害妄想に陥ったようだけど、もしかしてあの男子は留利絵に好意を抱いているから照れ隠しでとった行動だったのでは?と私は思ったので、つまり結局、留利絵自身の被害妄想体質が、いつまでも彼女を劣等感から抜け出せない元凶だろう。自分を変えるという発想が彼女にはない。
そして友情の名のもとに留利絵は蘭花に依存したわけだけれど、留利絵がいなくても、茂実というクズ男に恋した時点で蘭花の結末は同じだっただろうし、「感謝」という「見返り」を求めた時点で留利絵の蘭花に対する友情も底が見えていた。読後の後味は大変悪いのだけど、エピソードの構成やキャラ配置が絶妙で非常に巧いので感心してしまい、それほど不快と思わなかったのは救い。 -
さすが辻村さん。
ストーリーとしてはなんとなくありがちな感じですが、女友達の友情、恋愛、男同士の余裕の中で生まれる友情…が鋭く描かれています。
見た目が美しい女とみにくい女、どちらも鈍感で自分本位。善良と傲慢を思い起こす。見逃しがちな心の機微が読み手をドキリとさせます。
不思議なことに、見た目が美しい女性が主人公という設定だけで読んでいて華やかな気持ちになる。 -
好きじゃない
いやそんな感想どうかとも思うけど感想は感想だ
これで良しとしよう
物語には生み出されるものと吐き出されるものがあってこの物語は…
うんなんかそれっぽいこと言おうとして失敗してるなわしw -
美人な蘭花、指揮者の彼氏、蘭花の親友の留利絵、恋愛と友情が混沌とする話。蘭花が恋に溺れていくのが哀れで共感出来ず、そんな蘭花に執着する留利絵の気持ちも分からんでもないけどやっぱり共感には遠くて1人で強く生きていきたくなる。ほんまにタイトル通り盲目的。
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なんとおそろしい。けど、最初は運命だと思えた相手との恋がいつしか執着になって、何が幸せかもわからなくなって泥沼になっていくのってめちゃくちゃよくあると思う。それを友情の話と絡めたところがストーリーとして面白かった。
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おうおうおう、なんて盲目的な!
こんな事に巻き込まれない人生に感謝だぜ。 -
なかなかのドロリとしたものを感じる話。
登場人物たちは、それぞれにドロドロしたものを持ち合わせて 各々 放出してくる感じ。
でも、何故か「あぁ…そうか、そうだね」みたいな共感?理解?が出来る自分もいる。
やはり、登場人物たちと同じ 女 だからなのかなw
個人的に「私たち親友だよね。」という言葉が、昔から苦手だったので留利絵ちゃんが 脅威だった。
でも、不思議と理解も出来てしまう…。
こわい! -
自分が考えていることと、他人から見た印象が少しずつズレていて、そのズレが葛藤や苛立ちを生み出す。
同じ「親友」という言葉を使って表す間柄の濃さも、人によって違う。留利絵が想っているほど、蘭花は「親友」に深い思い入れはない。留利絵にとっての親友は、たった一人にしか与えられないほどの称号。蘭花にとっては、友人よりも仲の良い複数人。
そんな小さなすれ違いが、二人の人生を変える。
留利絵にとっては満足のいく結末だったのかな。これから、二人が一緒に過ごす時間は、あるのだろうか。あるとしたら、それは幸せなんだろうか。 -
盲目的
まさにそのとおり
誰かを想うということはとても難しい -
『傲慢と善良』(2019)の別章を読んでいるようでした。(本書が2014年描き下ろし)
辻村作品ほぼほぼ読んでると思いますが、一人称のときの残酷さといったら……
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怖っ!
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タイトルの通り「盲目的な恋と友情」だった。
女性の心情がリアルに書かれているなと感じた。
歪みはあるものの、相手を想うエネルギーがすごいなと圧倒された。
辻村さんの作品では、
「名前探しの放課後」「スロウハイツの神様」のどちらかを是非読んでみてください。
全く違う”白辻村”...
辻村さんの作品では、
「名前探しの放課後」「スロウハイツの神様」のどちらかを是非読んでみてください。
全く違う”白辻村”のハッピーエンドを堪能できると思います。
「名前探し」を読む場合には、先に「ぼくのメジャースプーン」を読んでおいた方が良いかもしれませんが。
お勧めありがとうございます。
辻村さんの作品てリンクしているものが多いみたいですね。
ファンに...
お勧めありがとうございます。
辻村さんの作品てリンクしているものが多いみたいですね。
ファンにはたまらないですよね(*^_^*)
「スロウハイツの神様」が気になっているので今度チャレンジしてみますね♪
“白辻村”“黒辻村”って言い方、良いですね。
今度は白辻村を堪能します!