これはペンです

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著者 : 円城塔
  • 新潮社 (2011年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103311614

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これはペンですの感想・レビュー・書評

  • この本を読むために、これまでの何十年、自分は読書をしてきたのではないかと思った。

    文章の美しさとリズム、パズルや数式を解くように、自分の頭のなかで展開されていく情景。言葉を読み、書くこととは何なのか、その答えの物語だ。

    『これはペンです』という、洒落た題名も、装丁も、何から何まで良い。

    文章の自動生成を研究し、さまざまにとぼけた手紙を送りつけてくる、実在するかどうかも不明な叔父と、それを解読(読解)しようとする姪。表題作の『これはペンです』に照らされることで、併録の『良い夜を持っている』がさらに儚く切ない物語となっている。

    この人の書く、文学の方向性を維持しながら、言葉の可能性を探る文章は、読んでいて本当に気持ちがいい。

    実験性やSF作品の文脈で評価されることが多いが、円城塔は、稀代のロマンチストなのだと思う。

    今年は、震災を隔てて出版された、『こちらあみ子』(今村夏子)と、この作品で、ほぼ満足。つながった。

  • わりと読みやすかった。けれど、読みやすいこととわかりやすいことは、また別の問題だし、わかりにくいからっておもしろくないかというと、それもまた別の問題。満喫しました。

  • 文章の生成に関して思考を展開する「これはペンです」、決して忘れない超記憶の持ち主を描く「良い夜を持っている」の2編。
    やはり円城塔は難しい。しかしこの眩暈がするような読み心地はけっこう好き。言葉の根源を掌に乗せて差し出されているような気がする。

  • 表題作の『これはペンです』と、『良い夜を持っている』の2編を掲載。
    『これはペンです』は最初の方に「疑似論文生成プログラム」というのが出てきて、神林長平の『言壺』中の一編を連想したのだが読み進むうちにどうやら違うということに気がついてきた。
    姪と叔父の物語、言葉を題材にしている、それはわかる。
    しかし、「なんだこれは?」というのが読後の正直な感想である。
    そして、本は静かに答えた「これはペンです」

    『良い夜を持っている』
    「これはペンです」の登場人物を想起させる記述があるが、明示されていないので実際のところは分からないし、それは本質ではない。
    不思議な記憶力を持った男の物語である。しかし、この表現ではミスリードになってしまう。
    この物語をどう解釈すればいいのか分からない。そうさせる魅力は何なのか分からないが、しかし、くいいるように読んでしまった。

  •  文章の自動生成装置を発明し、擬似論文生成事業を成功させた叔父と、その叔父から受け取る謎の手紙を解読し続ける姪の物語。
     「叔父は文字だ。文字通り」と、叔父の正体を探る姪。あらゆる推論をすり抜ける叔父は、小文字の他者であると同時に大文字の他者でもある。
     馴染みの薄い理系知識も散りばめられているが、その難解さもユーモラスさで解きほぐされ、そして読後感はなぜかほのぼのとしている。
     あまりに面白くて、続けてもう1回再読してしまったよ。

  • 「これはペンです」「良い夜を待っている」の2篇。小説です。
    私なんかは小説に「今の弱い自分に何かサプリとなる言葉を」なんて求めてしまうので、その心づもりで読もうとすると、まず読み進められません。
    けれど、そういう効果を持つ作品だけが小説じゃないんだよ、と切り替えると、途端に面白くなりました。
    内容云々というより、自分の既存を良い意味で変えてくれた、という面に星4つです。

    要所要所で「ここの文章は円城さん、ニヤニヤしながら書いたんじゃなかろうか?」と疑うほど彼自身の哲学を散りばめてる箇所があって、こうやって自慰的に文章を書く人、嫌いじゃないな、と思いました。

    内容についてのレビューは正直できません。結局何も残らないんだもの笑

  • これはパンです。文字も鍋で炒めて食べられます。

  • 文字とは。言葉とは。文章とは。小説なんですけど哲学的で、私には難しかった。。。

  • すごいなぁ。芥川賞の選考で評価が割れたのも頷ける。
    芥川賞の当落よりもこれを候補作に挙げたスタッフを評価したいな。
    「ものを書くとはどういうことか」を問いただすかのような思索に満ちた小説。
    高校の頃、筒井康隆を読んだときのような衝撃。

    私には三読くらいしてもよく判らないだろうなww

  • 数式のように、美しい世界。
    確かに在るのに掴めないもの、というのは存外あるけれども、在るということを確かめるための旅、のような印象を受けました。

    E=mc²という世界一美しいとされる数式と、それから生まれた混沌を、なぜか想う。

  • 哲学書の様で難しい!
    けど、不思議と好き!
    こんな作品、他にはない!

  • 今、ここにいる私が、誰かが読んでいる本の中の登場人物ではないなんて、どうして断言できるだろう?
    私は本当に「紙の上に書かれた人間」ではなく、「実在する人間」だろうか?

    物心ついた頃から、そんな風に思いふけることがありました。

    青い空の向こうには、私が本を読んでいる時に紙面を覗き込んでるように、「誰か」が私を見下ろしているんじゃないか。
    その「誰か」はもしかしたら、神様と呼ばれる「作家」なんじゃないか。

    うーん、昔の私、かなり哲学してますね〜(笑)。気づいたらそんなことを考えることもなくなりました。ちょっと寂しいぞ(笑)。


    “叔父は文字だ。文字通り。”


    そんな書き出しで始まる本作を手に取ったのも、何となく上記のような私がかつて持っていた世界観に近いストーリーなのかしら、という期待があったからです。
    さーて、SF苦手だけど本作はどうかな〜とワクワクしながら読み始めたら。

    なんか…難しい…??汗

    難解な単語やフレーズがあるわけではないんですが、意味を飲み込めなくて前の文章に繰り返し戻ってしまうこと数回でした。

    この感覚…伊藤計劃リターンズではないか?!またしても途中で断念するパティーンか?!と危惧しましたが、何とか読了できました。良かった良かった。

    文章以外でも特筆すべきは人物の描写でしょうか。
    人間性を排し、徹底的に記号化した登場人物をシステマチックに動かしてる感じ、とでも言えばいいのかな。
    とにかく血の通った「人間」が描かれていないように感じました。

    その表現方法を、「面白い」、「つまらない」、「相性の問題」と切って捨てるのは何だか違う気もする。

    すごく気になるけど、まだ私には理解できないんでしょう。もしかしたら本当に単純に好みの問題かもしれない。

    とにかく一冊で判断はできないので、読書体力のある時にもう一冊読んでみます。
    伊藤計劃も、もう一回チャレンジしてみようかしらん。


    Amazon引用〜
    叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた――。言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。

  • すごく頭のいい人の書いた文章なんだろうなと思った。
    だって、私の理解の範疇を超えた知識が出てくる。

    自動的に論文を作成するシステムを作ったおじさんと、その姪の、手紙やメールを使った交流。

    でもやっぱり変わっていて、DNAデータを送ってきて、それが炭疽菌だと分かり、さらにテロの首謀者まで分かってしまったり、砂鉄にまみれた磁石を送ってきたり、姪はそれを中華鍋で炒めたり。

    頭のいい人は相手も頭がいいと思って色んな事を当たり前のように話すから、読んでいてちょっと頭が痛くなった。でもこの感覚嫌いじゃないな。

    後半の一遍は今度はおじいさんの話。

    超記憶という言葉は初めて聞いたけれど、眠ることを認識できなかったり、記憶が前後したり、そんなめんどくさい事になるなら、そういう能力を持たなかったことを感謝したくなる。

    とにかく、他人は理解できなくてもいい家族って事だ。
    家族愛という言葉に尽きる。

  • 好:「良い夜を待っている」

  • 初円城塔作品。
    取り急ぎ掲題作の「これはペンです」のみ読了。

    文系の私は時折完全おいてきぼりになるような、超絶理系的な本だったと思う。文章が。内容も。発想も。論文書いてたんだろうなー…笑

    ファンタジーらしくないけど、ファンタジーでいいのだろうか。森見好きに円城塔もおすすめ、みたいなのをどこかで見て手に取ったんだけど、前々世界観別物じゃねーか!と突っ込まずにはいられない。間違いなく、好みの分かれる作家さんだと思う。

    最初の手紙読んで、うわー無理かも…とたじろいでしまいましたが全然無理じゃなかった。突拍子もない発想。文章が独特で、他の作人のようにすらすらと流していけないのでちょっと苦しかったけど、でも慣れたら大丈夫。

    お話が勢いづいてきた!と思った矢先にエピローグみたいに終わってしまって、尻すぼみ感が否めずちょっと残念。。。とはいえ、他の本も読んでみようかなと思える魅力のある作品でした。

    この人がどういう視点や考え方を持つ人なのか、すごく気になった。小説よりもエッセーとかでその人となりに触れてみたい作家さん。

    もうひとつも読んだら更新します。

    --

    文章の自動生成装置を発明し、突飛な素材で自在に文章を生み出す叔父と、その姪の物語「これはペンです」(芥川賞候補作)。存在しない街を克明に幻視し、現実・夢・記憶の世界を行き来する父と、その息子を描く「良い夜を持っている」。書くこと、読むことの根源を照らし出し、言葉と人々を包み込む2つの物語。

  • 今まで読んだ円城塔作品の中では比較的に起承転結がはっきりとしている。もちろん、奇想に満ちた物語ではあるのだけれども、結末が投げっぱなしではないというだけでも今までの作品とは少し違うように思う。まあ、こういう作品のほうが世間一般的な評価は高いのだろうなあ。

  • 芥川賞作家の円城塔の作品。なんとも表現しずらい不思議な作品でした。難解といえば難解なのだがなんとなくふんわりした柔らかさのある作品。ストーリを追うというよりも文章ひとつひとつを理解するのがなかなか難儀。芥川賞受賞作品も読んでみたいが、どうしようか・・・。

  • これは本です。

    さっぱり意味がわからない文字の羅列でした。
    ジャンル小説としましたが、小説なのかこれは。
    わからない。

  • ・良い夜を待っている
    話の筋はかなり分からないのだが、最後には謎の感動を呼び起こす力技が素晴らしい。

  • なんだかんだで円城塔3冊目。3冊読んでるけど、理解できたと思うものは1冊もない。円城さんの頭の中を一度割って見てみたい。どうしたらこんな文章が書けるんだろう。わりと読みやすいんだけど何も頭に入ってこない。でもたまには自分の理解の範疇を超えた作品も読んでみたくなるってもの。これからも怖いもの見たさで円城作品には挑戦していこうと思う。2012/535

  • 難しいけど文体は綺麗

  • うーん、これはちょっと読みづらすぎるなぁ。
    「良い夜を持っている」の方がだいぶ好き。

  • 「書く」というのはどういう行為なのか。ものを認識するとはどういう行為なのか。自分のやっているそれらは、本当に他の人たちと同じ行為なのか。

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文章の自動生成装置を発明し、突飛な素材で自在に文章を生み出す叔父と、その姪の物語「これはペンです」(芥川賞候補作)。存在しない街を克明に幻視し、現実・夢・記憶の世界を行き来する父と、その息子を描く「良い夜を持っている」。書くこと、読むことの根源を照らし出し、言葉と人々を包み込む2つの物語。

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