「本屋」は死なない

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著者 : 石橋毅史
  • 新潮社 (2011年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103313519

「本屋」は死なないの感想・レビュー・書評

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  • 「読まなくても内容を知っている特殊能力が必要」
    「その本が棚にあるために何冊の本が売れていったことか」

    意識にはあったが明確になっていなかったことが明文化された感。
    そして改めて業界に対する絶望と、仕事に対する自覚的な精進の必要性を感じる。

  • 本屋に勤めて早15年(くらい?)…ついつい忙しさにかまけて理想を追い求める事をさぼってきていた事を痛感。
    この本に描かれている書店員の方々の情熱は凄まじい。
    「本屋に勤めて…」なんて言うのが恥ずかしくなってくる。

    社内において、なんとなく「詳しい人」に分類されてたりして(そうでもないか…?)、それらしく振舞ってはいるものの、内心は日々ひやひやの連続。 
    なんとも情けない現状ではあるけれど、少しでも先人に近づけるように頑張っていこうと思った。

    色々勉強させてもらいました。 
    本としても楽しく読めます。 子どもの相手をさぼって一気読みしました。

  • 入り口にベストセラーが山積みになっている金太郎飴書店とは別の「生き方」をしている「本屋」の夢と苦悩。 金太郎飴的自分の棚を思うと「本屋で働いてます」と恥ずかしくて言えなくなりそう。 名古屋の章、某書店店長のカバーかけミスに思わず吹いた。

  • いまや世の中からどんどん淘汰されなくなりつつある”本屋”と個性ある棚作りによって店舗に来る事に意味を作ろうとする”書店員”のルポタージュ『本屋は死なない』を読了。

    著者は出版業界紙”新文化”の元編集長で業界に精通しているフリーランスライター石橋毅史がカリスマ書店員といわれながらも店を離れ自分で自らの店を始めたり、店をリードする店長でありながらも経営上の理由からリストラされたメディアにも取り上げられていた書店員、また過疎地で地元の人たちが買い物をする食料品・生活用品店と本屋を合体させたユニークな小型本屋を経営しながら地元で本の魅力を伝えるべくほんの読み聞かせを様々な場所で行っている書店ーナー、新刊本の流通にまどわされないで自分の好きなジャンルの本を売る事が出きるとして古本屋を始めた書店員など本を売るという事の魅力にはまった人たちを訪ねて日本各地を取材して書き上げたルポタージュである。

    電子書籍が出現し、アマゾンなどのネット販売がどんどん幅をきかせてきている今の時代で、大手出版社は売り上げデータをもとに書店に売らんがための本をどんどん送り込んで来る時代に、自分の感覚・考えで売れる棚作りを独自にすすめ自分が売りたい本を売りたい書店員のかかえるジレンマとそのユニークな戦いぶりを知る事が出来る。

    本の流通のデータに自分の想いに反してでも売るべき本を指示されて棚作りが勧められている「顔の見えない書店」だる大手チェーンがいま世の中を席巻している。そういったチェーンにに勤めている書店員の中にも自分が伝えたい本というものがありジレンマを抱えながらもささやかな抵抗をしている人が居るだろう。だがジュンク堂のような書店員の才能を生かす経営をしている大手書店チェーンはまれで、データのみにたより売れ行きの本を集める店舗の台頭でいま多くの独立系書店の経営が難しくなっている。

    だが本の魅力を伝えたい、知らない本を手に取ってほしいからお客様がそれらの本に気付くような棚作りをする書店員ぼくら本を愛している人たち、知らないほんとの出会いを楽しんでいる人たちにとっては貴重な存在だ。だがいまの効率が求められる時代の流れの中ではそんな方達は独立系書店の生き残りが難しいいま彼ら彼女らは絶滅危惧種のようにも思える。

    でもこのルポタージュで紹介されている人たちの奮闘ぶりと意識の高さを考えると真の書店員の将来は明るくはないが光明が全くな訳でもないようだ。それは図書館においてその才能をいかすことだったり、すぐ絶版になってしまういまの出版のありかたのなか古書と新書を組み合わせた店舗作りでの才能を生かすことだったり、生き残りをかけ絶滅危惧種である意識の高い初手員の連携による独立系書店同士のサポートだったりする。

    たとえばいまBOOK OFFの経営難が伝えられているが、本を愛している書店員たちの力を活用する事によって店舗の活性化ははかられるのでは、また地方自治体が例の蔦屋書店を運営するカルチャーコンビニエンスクラブに図書館運営をいらいすることで起こっているトラブルも外注してしまう前に近くに自治体にある顔のある書店の書店員の力を結集して予算を多く掛けなくとも図書館の再生ははかれるのではないか
    などなどとつまらない考えも本を読みながら浮かんできた。

    そんな真の愛すべき「本屋」を支える書店員へのサバイバルへの応援歌であるルポタージュを読むBGMに選んだのがGeorge Bensonの"Beyond the Blue Horison"。初期の作品だがかなり格好いい。
    https://www.youtube.com/watch?v=hvE1kbCC_88

  • いくつか本の本を読んできたけれど、この本が一番ガツンと来た。

    出版業界紙である新文化の元編集長が本を伝える「本屋」とはどうあるべきで、どうあろうとしているのかを各地の本屋を訪ねインタビューを行っていく。

    本書の中で「本屋」として登場する人物たちは本には何かしらの力があると信じており、本というカテゴリーではなく、一冊一冊の「本」を売る仕事をしている。

    目の前にこの本を置いて本屋のこれからについて考えることができるのも本の持つ魅力の一つだと思える。

  • サッカーが好きだからサッカー選手になる。
    野球が好きだから野球選手になる。
    本が好きだから本屋になる。
    なろうと思えば、なれるのだと思う。
    様々なレベルはあるだろうけれど。
    ただ、それを続けていくこと、それで飯を食っていくことは、えらく大変なことだと思う。

    この本のことは早くから知っていた。 けど、手を出さずにいた。
    きっと、出版業界の未来を憂いながらも、がんばっている書店を取り上げるビジネスストーリーなのだろうと思っていた。
    違った。
    書店のことを書いているが、本をだれかに届けようと、こだわり続けている人びと「本屋」を描いているルポルタージュだ。
    本屋の本で、 出版業界の本なのだけれど、人なのだ。著者が書きたかったのは。
    出版業界紙の元記者、元編集長という肩書きを持つ著者は、取材というよりも、「本屋」なる人たちと同じ場所同じ時間を持とうとする。
    外から観察するのではなく、いっしょに中に入ってしまう。沢木耕太郎型ノンフィクション。
    鳥取にある書店を訪ねたのち、夜、ひとり車を走らせながら、考えを巡らす姿は、ロードムービーのよう。
    この作品を映画化してもおもしろい。
    和歌山の過疎の村で本屋を営むイハラ・ハートショップの井原万見子。
    大型書店を辞め、商店街に5坪の店を開業した「ひぐらし文庫」の原田真弓。
    「カリスマ書店人」とも呼ばれた元さわや書店の伊藤清彦。
    鳥取で太極拳を教えながら、正統でかつ個性的な店・定有堂書店を営む奈良敏行。
    だれもが絵になる。
    それはきっと、「本屋」のかっこよさなのだ。
    自分も「本屋」であろうとするものが読めば、 少なからず考える、想うことになる、心の奥に届く本。

  • 死なない!し、死ねない!
    わたしもがんばろう!

  • へーえ、とうなること多数、面白かった。近所の本屋は閉店してしまった。僅かに本を買い続けてはいたけれど、私はその書店の棚を育てる客ではなかったな、きっと。個性的な棚ではなかったと思うけれど、注意力不足で気付かなかったのか、独自のカラーを打ち出す棚そのものがなかったのか、どちらだろう。

    たまたまこれの前に読み終わった本の台詞が、私の中でこの本とリンクした。「一億稼いだとしたら、『あぁこれだけ損ができる』と思うのが本屋さんなの」と出版社の社員。損するとわかっていても出さなければいけない本のために、違う場所で余裕を作る(ちなみにその本は朝霧 / 北村薫 , 2004.4 -- 創元推理文庫)。独特な存在だなぁ、本って。

    今度本屋に行ったら、そういう目で見てみよう。

  • 序章から、あとがきへ飛び、終章へ戻り、そして第1章と、順路無視で一通り(ひぐらし文庫の原田真弓さん関連)を読み、第2章の途中まで行ったところで図書館へ返却。

  • 「本屋は死なない」という書名を見たとき、また電子書籍に反発し、ただ本の素晴らしさや思い出などを書いてる本だと思った。
    しかし実際に読んでみると、上記のことなどは全く書かれてなく、書店員が本屋を維持するために、様々な努力している様子が書き記してあった。
    都市圏を中心に大型書店が増えている今だからこそ、中小書店の良さが際立つのではないだろうか。
    読み終わったあと、街の書店に足を運ぼうという気持ちになった。

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「本屋」は死なないの作品紹介

東京の商店街でわずか五坪の本屋「ひぐらし文庫」をはじめた原田真弓。「電子書籍元年」を迎えて「紙の本」の優位性を述べる論客、ジュンク堂書店の福嶋聡。和歌山の「人口百人の村」でイハラ・ハートショップを営む井原万見子。岩手・さわや書店の元「カリスマ」伊藤清彦と、その"弟子"田口幹人、松本大介。"普通の本屋"を追求し実践する鳥取・定有堂書店の奈良敏行。名古屋の「大きな壁」、ちくさ正文館の古田一晴…。街から書店が次々と消え、本を売るという役割が小さくなりつつあるなかで、彼らのような「本屋」が「本屋」でありつづけるべき意味とは-?"あきらめの悪い"「本屋」たちを追う。

「本屋」は死なないのKindle版

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