閉鎖病棟―Closed Ward

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著者 : 帚木蓬生
  • 新潮社 (1994年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103314073

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閉鎖病棟―Closed Wardの感想・レビュー・書評

  • 読み終わってから気がついた。
    これ10年くらい前に読んだ事がある。

    その時もさわやかな感動を覚えたものだけれど、年月が経ってまた読み返してみると違った趣もある。

    閉鎖病棟に暮らす人々と登校拒否の少女。
    犯罪を犯しても「精神病患者だから」と病院に押しつけられる現実。

    確かに閉鎖病棟に何十年もいるわけだから、ある意味「病気」も重度で、外では殺人を犯したりしている訳だけれど、ある一人を除いては皆「普通」もしくはそこら辺の人よりもよっぽど穏やかな人達。

    最後の法廷のシーンでは色々考えさせられました。
    「無事」とだけ書かれた壺。
    なにがあっても生きなきゃいけないんだ。

  • ああ、わかる、わかってしまう、の閉鎖病棟の中の雰囲気。さすが精神科医。エピソードの数々がいささか突拍子なくひろがっていく感じがするかも。ひろがりすぎて、この人の過去もちょっと知りたかった…と思う点がいくつか。時代は違えど、精神科の閉鎖病棟ってあんまり雰囲気変わらないんだなぁとしみじみしてしまった。閉鎖の中を知ってるから割と楽しめたけど、知らない人はつまらないと思うかも。

  • 精神科医である著者が書いた精神科の病棟を舞台にした小説。
    細かい個々の話が重なって、ひとつの大きな話になる。

    病院の風景や患者の暮らしや医療の問題は面白い。
    ストーリーも先が読めるけど一応面白い。
    けどヒロインの扱いだとか、色々モヤモヤする。
    1994年の出版ってことを割り引いて考えるべきとはいえ。

    「島崎さん」(由紀ちゃんではない)が一貫して「女性」として扱われているのが気になる。
    いや女性なんだけども中学生はもっと子供扱いされるべきだ。
    子供扱いというと言葉が悪いかもしれないけれど、周囲の大人はもっと大人として接しなきゃだめだろと。
    まだ保護されるべき年齢なんだから。

    そんでこのこの良い子ぶりは、気持よく同情できる便利で美しい被害者像だ。
    しかも中高年男性に夢を与えてくれるきもちわるい美しさ。
    あんなトラウマ発生現場(レイプされた場所とセカンドレイプされた場所)に勤めたがるか?
    中高年も検閲前提の手紙で「守ろうとした」はずのプライバシーを平気で書いちゃうし。

    冒頭の産婦人科はかなりダメ医院だと思った。
    患者を見て驚いて見せたり、親身な顔で話も聞かずに説教をかましたり。一人称が「先生」なのも嫌だ。
    ダメ医者として描写されているならこれでもかまわない。
    最初は鈍い人として書かれているんだと思った。
    けれど、先生さまたちの一人称がことごとく「先生」だったり、親しみの表現だけじゃなく敬語を省略していたり、そんな場所に女の子が喜んで勤めているところをみると、著者がナチュラルにパターナリズムに漬かってるようだ。

    死刑にウソ臭さを感じるけれど実際のところはよくわからないからそこは保留。
    うーん明治なりたてくらいならともかく、それはないんじゃないかなあ…

    気質の人とメンタルの人は良い子だけど、覚醒剤中毒の元やくざは迷惑な悪人という区分けは、なんだか「人格障害お断り」に通じるものがある。
    まあ嫌なんだろうけどさ。扱いやすさで良い患者悪い患者をわけるのは医療としてよくない。

    古い本ってことを考えなければダメなんだけど、当時の常識やら倫理やらにいやーな思いが残る。
    自分の領域のリアルさと、それ以外の部分のケレンのバランスが悪い。

  • 精神科病棟の様子が、美化する事も貶める事もなく描かれ伝わってくる。http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/10639554.html

  • タイトルどおり精神科病棟が中心となった話ですが、そこに入院する人、通院する人、それぞれの過去と現在が丁寧に書かれています。
    読んでいるうちに病棟実習を思い出してしまいました。
    半閉鎖病棟だったそこで生活する人々を思い出しながら読んでいたら切なくなりました。

  • 殺人は起きるけど、決してミステリーじゃない。こんなに優しい小説は、滅多にないんじゃないか。登場人物を描く著者の眼差しがしっかり感じられる。 丁寧だし、温かい。これは、読んだ方がいい。ラストでは、本当に「泣ける」。

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