暗幕のゲルニカ

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著者 : 原田マハ
  • 新潮社 (2016年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103317524

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暗幕のゲルニカの感想・レビュー・書評

  • ピカソの「ゲルニカ」をめぐる物語。

    ピカソが「ゲルニカ」を描いた20世紀と
    その「ゲルニカ」をMoMAに再度展示したいと
    企画するキュレーター瑤子を中心とする21世紀が
    交互に絡み合い、物語が進みます。

    私は断然20世紀のパートの方が好きです。
    ピカソの愛人、ドラが格好いいんです。
    ピカソのことを全く知らないのですが、
    この時代にこんな自立したパートナー的愛人が
    隣でピカソを支えていたなんて・・・。

    MoMAが舞台に出てきますし
    「楽園のカンヴァス」のティム(トムも!)も出てきて
    続編?っていう雰囲気も持っている気がします。

    「ゲルニカ」という作品自体が
    大きな意味合いのある作品だからか
    マハさんからあふれ出るピカソ愛と
    私のピカソ作品への興味の度合がかみ合わないからか
    ちょっと入り込めない部分がありました。

    でも、ラストの展開は、そうきたかと!!

    いつもながら、その作品をこの目で見てみたいと
    思わせるストーリーがたまらない一冊です。

    個人的には日本の画家や絵師の話か
    アジアの画家の話も
    マハさんのストーリーで読んでみたいです。
     
    次はどんな作品がクローズアップされるのか。
    楽しみに待ちたいと思います。

  • 「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」(パブロ・ピカソ)

    今世紀最大の芸術作品のひとつであるピカソの大作「ゲルニカ」。

    第二次世界大戦の直前の時代。そして、2001年9月11日、ニューヨークで発生した同時多発テロ。

    戦争ほど、残酷なものはない。
    しかし、半世紀を越えて、人類は戦争という宿命に踊らされていた。

    その人類の宿業とも言うべき戦争に、絵筆一本で立ち向かった、20世紀の巨匠ピカソ。時代を超えて彼を慕い、その魂を受け継ぐ人々の物語。

    主人公・MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレーターの瑤子は、苦難を乗り越えたどり着いたクライマックスで語りかける。
    「『ピカソの戦争』展。戦争とテロが生み出した第二次大戦下の非常時に、ピカソは絵筆一本で闘いました。絵筆が銃よりも、大砲よりも、空爆よりもずっと強いことを、作品を通して証明したのです」

    ここ数日、電車に乗るのが楽しみだった。
    ピカソに会える。瑶子に会える。バルトに、ドラに、そして楽園のカンヴァスのティムに会えるのだから。

    心の奥深いところに何かが残る快作。
    今のところ、今年のベスト本。

  • 2016年上半期直木賞候補作品。
    ピカソが「ゲルニカ」を描いた時代背景、そしてその後の「ゲルニカ」の経緯。反戦シンボルとして飾られている国連本部の「ゲルニカ」タペストリーが、暗幕で覆われた。9.11で夫を失った日本人キュレーターが、MoMAの展覧会「ピカソと戦争」を企画するが。。。
    実在の人物や史実を軸にしていて、勉強になった。芸術作品は誰のものなのか?芸術は決して飾りではなく、戦争やテロリズムや暴力と闘う武器ともなりえるのだと考えさせられた。年末~年始と、読むのに時間がかかってしまったのが残念。

  • ピカソの"ゲルニカ"
    誰もが知るこの作品を中心に、1937年ゲルニカ誕生前後のエピソードと、2003年にMoMAで開かれた”架空の”展覧会をめぐるエピソードが並行して展開される。
    両方を通して、この小説そのものがゲルニカがもつテーマ/反戦を再発信している。

    20世紀編は ピカソの愛人でありゲルニカの制作過程を撮影したことで有名な実在の人物、ドラ・マールの視点から描く。
    それだけも十分に立体感があって読み応えがある。

    そのゲルニカを21世紀のNYで展示し、戦争やテロといった暴力に屈しないというピカソのメッセージを再発信したい、という MoMAキュレーターの奮闘記は もちろんフィクション。(実際にはゲルニカはマドリッドに帰還してからかの地から動いたことはない。)
    だが、さまざまの場でアートがどのような意図で扱われるかとか、美術館運営の現実などを踏まえており存在感がある。
    主役は NY育ちの日本人女性だが(なんで?w)ロックフェラーの姫、スペイン貴族のプリンスのパワーとスタイルが華やか。理想のパトロン像なんでしょうね。

    一級のアート作品を題材にすることで、かけ離れた時間や空間をつなぐ”楽園のカンバス”で見せた原田氏の手法が生き生きとしている。

    初出は小説新潮2013.7-2015.5
    そのせいか、語りなおしが多く、もうちょっと編集してもよかったのでは?という気もした。

  • ピカソの大作の絵画である「ゲルニカ」を巡るミステリー。
    現代(9.11前後のニューヨーク)と、ピカソが制作していた当時のパリが平行して書かれる。

    現代に進行するミステリーとしてよりも、ピカソや愛人ドラ、支援者のパルドなどの物語がおもしろかった。

    しかし、あの最後はどうなんだろうなぁ。

  • 世紀の問題作「ゲルニカ」をめぐる2つのパートが交互に進んでいきます。
    1つはMoMAの日本人キュレーター・瑤子の視点で進む、2000年代ニューヨークパート。
    もう1つはピカソの恋人であり、女性写真家でもあったドラ・マールの視点で進む、1930~40年代パート。
    過去と現代が、スペイン内戦と9.11.から始まるイラク戦争が、「ゲルニカ」という1枚の絵を通じて重なっていきます。

    モノクロの画面に奇怪な姿形で描かれた人間や動物たちが、戦争の悲惨さを、愚かさを声高に叫ぶ。
    政治に、戦争に、絵筆をとって対峙した画家の怒りは、見る者の心を揺さぶり、「何も感じない」ことを許さない。
    ピカソが作品に込めた想いは、1人の作家のペンによって、より熱をもって読者の心に響く。
    表現者たちの想いが共鳴し、時代も国も超えて、武力に抗うメッセージを伝え続ける。
    これが芸術の凄さか。

  • 「楽園のカンヴァス」のような美術ミステリー。
    美術や画家の知識がないのでどこまでが忠実の話かわからない面もありましたが、続きが気になって引き込まれる魅力があり、
    ピカソや「ゲルニカ」についての興味も非常に高まりました。
    またこういう物語が読みたいです。

  • 原田マハさんの新作「暗幕のゲルニカ」、2016.3発行です。子供の頃ピカソを恋人として過ごした原田マハさんのピカソへの思い、そしてそのピカソの作品「ゲルニカ」を通しての平和への思いが詰まった作品だと思います。大変な労作と感じますが、読むのにも労力を要する作品でした。頑張って読み進めましたが、率直に言って面白くなかったです。原田マハさんの作品が大好きな一読者としては、美術、キュレーターへのこだわりを捨てて(隠し味程度にして)作家としての道に没頭して欲しいと思いました。

  • マハさんがいちばん好きな画家、ピカソを題材に
    小説を書いていることは、
    ラジオドリームハートにゲスト出演した時に聞いていて
    すごく楽しみにしていたのです
    第2次世界大戦前のパリでの、ピカソと恋人のドラが
    目に見えるように生き生きと小説の中にいる
    並行して、2001年から2003年のニューヨークで
    MoMaのキューレーター瑤子がピカソ展に向けてうごいている
    時空を行ったり来たりしながら、
    どんどん小説の中にのめり込んでしまう
    最後は呆然として本を閉じ、眠れなくなってしまった
    これはもう、最高のエンターテイメント小説

  • 原田マハの芸術小説はどうしてこんなにもスリリングなんでしょう。美術と歴史の勉強になる一石二鳥の小説だ、なんて思いながら読み始めたらもう、身体ごと持って行かれてしまいましたよ。
    ピカソが怒りと絶望と自らの魂を込めて描いたゲルニカにこんな広く深い物語があったなんて。そして読後、モノクロのあの絵に激しく鮮やかな色彩が見えるようで。
    読み終わった後、思わず叫びました。
    ワラサスペンスホーストーリイットイズ!!

    いつか生で見たい。ピカソの、ドラの、そしてすべての人類の命の絵をこの目で見たい。生きているうちに。

  • ピカソの愛人の視点と、ピカソの研究をする女性の視点が時代を超えて交互に展開される。

    今回はピカソのゲルニカの反戦のメッセージを中心とした物語の展開。
    あのテロとの絡みなので、芸術の役割や持っている力を認識させられるようでした。
    その反面、1枚の絵にここまでの反戦メッセージがあるのかとも思いますが、ピカソのゲルニカは、抽象度が高いからこそ、時代を超えた普遍的な反戦メッセージを残せる作品だと思いました。

    帯にもあった、衝撃のラストは本当で、鳥肌が立ちました。

    何冊目かの原田マハですが、何度か読んでいると、毎回似たようなキャラクターと展開だなぁとパターンが掴めてきた感じです。

  • 原田マハさんの絵画に関するミステリーシリーズは面白い。絵画や芸術家のエピソードを書いたものもいいのだけれど、かっちりフィクションをまぜ、ミステリーに仕立ててある方がいい。

  • ピカソの時代と911後のピカソ展の開催が交互に進んでいく。両方の話とも惹きつけられた。ゲルニカをモマに持ってこれるかが、一番の気になるところ。でも、私はドラの悲しさ、寂しさ、心のうちに惹かれた。娘マイテの話しにも涙が止まらなかった。

  • 芸術に没頭するピカソと、支える周りの人たち、そして恋人のドラ。
    反戦のシンボル〈ゲルニカ〉がなぜ生まれ、そしてどのように現代まで受け継がれてきたのか。スペイン内戦から第2次世界大戦までじっくり描かれていて、学ぶことが多かった。
    〈ゲルニカ〉にこめられたあれこれが凝縮された、最後のスピーチにはグッときた。

  • ピカソにあまり関心はなかった。それはこの本を読んだ後でも変わらない。ただ、ドラ・マールに関心がわいた。ラストの一枚の鳩の絵には「ちょっと待ってー!」って思わず叫んでしまった。久々の星5の作品です

  • 原田マハさんの美術物は割と好きなので、期待を込めて読んでみたけど、これはちょっとテーマが重かった。
    悪くないんだけど、私が望んでなかった。

    MOMAのキュレーターであり、ピカソの研究家でもある日本人女性、遥子と、ピカソの愛人の一人だったドラの二人の女性視点で、ゲルニカという、強烈な反戦メッセージの絵を巡る物語。

    MOMAのピカソ展へゲルニカを展示する事ができるのか…

    すごくこの事に、どうなのか、できるのか、できないのか、とこれでもかって言うほど焦点を当ててたのに、結局どうだったのか、MOMAじゃなくて国連本部にあるという所で終わるんだけど、この重いテーマを辛抱強く読んで来たのに、ラストは何これ?って感じだし、ゲルニカを動かす事が出来たのは遥子の功績のように周り中の人が言うんだけど、いやいや、遥子は確かに頑張ったけど、ルースロックフェラーとパルドという大富豪2人の力でしょ。
    遥子じゃなくても、誰が頑張っても、努力ではどうにもならないものが世の中には沢山あって、ゲルニカの事も確かにそうで、素直に頷けない内容でした。
    疲れた。

  • 1930年代のパリと2000年代のニューヨークのストーリーが並列で進み、最後に一つになる構成。

    美術品の力・それに伴う人間の力の偉大さを感じる作品。

    「芸術は飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」とのピカソの言葉が心に突き刺さる作品。

  • 鳥肌の立つ、圧倒的なラストでした。ぶわーーーっと今までの出来事が重なって、気づいたところでそれが全部襲いかかってくるかんじ…
    これは絵なので文章ではないけど、まさにペンは剣より強しなんだろうなあと思いました。それぞれの時代で戦い続ける主人公たちがかっこよかった。
    ほぼ史実に基づいていると聞いたのでその時代のことも調べたいなあと思いました。

  • 【内容紹介】

    一枚の絵が、戦争を止める。私は信じる、絵画の力を。手に汗握るアートサスペンス! 反戦のシンボルにして2 0世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した―― 誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか?

    ベストセラー『楽園のカンヴァス』から4年。現代のニューヨーク、スペインと大戦前のパリが交錯する、知的スリルにあふれた長編小説。

  • うーーん。ちょっと期待値上げすぎちゃったかな…。ゲルニカの実物凄かったし、あの時期にそんな展覧会出来ればよかったと思うけど…。ちょっとどれが史実でどれが創作なのかも気になっちゃったし、細心の注意をすれば絵の移動は大丈夫なのかと思ってたから、あのゲルニカですら状態が不安定で輸送は難しいってのに移動をごり押ししないといけないのかな…という思いも抜けず…。

  • 「ゲルニカ」--。最初にこの絵に出会ったのはテレビだった。深夜番組だったと思う。テレビの中のゲルニカを見て、涙が出てきた事を覚えている。独り暮らしで使っていた小さなブラウン管テレビ。それでもゲルニカは私の心を抉るインパクトがあった。こんな経験は自分だけかと思っていたが、どうやらゲルニカには人々に強烈な印象を与える何かがあるのだろう。本書は「ゲルニカ」に心を奪われた人々の物語。9.11をきっかけに「ピカソの戦争」というテーマで展覧会を企画したMoMAのキュレーターである瑶子が、ピカソがゲルニカで訴えたかった事を世界に示す。暗幕は平和に目をつぶる行為の比喩である。もしかすると、世界の惨状に目を向けない私たちも世界に暗幕をかけてしまっているのかもしれない。そんなことも考えさせられた。怖くても暗幕は取らなければ! そして本物の「ゲルニカ」をいつかはこの目で観たい。

  • 20世紀と21世紀のパートを行ったり来たりする構成がわくわくした。ベルばらみたいに史実に基づく部分と、フィクションの部分がいい感じにミックスされていたのはおもしろかった。
    今の時勢に対してのメッセージも含まれていたような内容だった。
    芸術家はなんのために存在するのか、一つの信念のようなものを感じ取ることができた。
    あと…ルースとパルドをみて、資産家というのはやはりものすごい影響力があるものなんだなぁ、金と権力は同居してしまうんだなぁということも…

    この作品だけでなく、海外在住の日本人の名前として『ヨーコ』が多いのはいったいなんでだろう?

  • ゲルニカの実物を近くで見たいな。マドリッド行かねば。

  • 歴史、戦争の荒波に揉まれながらも屹立する〈ゲルニカ〉。
    1937年から1945年、2001年から2003年、交互に物語が展開。〈ゲルニカ〉の誕生から近年に至るまでの激動を描き出す。
    どのシーンも緊迫感に溢れていて、息もつけない。
    一気読み確実の傑作。

    あの作品がくぐり抜けた時代が劇的に展開する。

  •  ドラマールの視点から、ピカソの人柄が垣間見れた。美術作品が制作された背景を知ることで、作品の見方も変わってくるのだなと実感した。

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暗幕のゲルニカの作品紹介

一枚の絵が、戦争を止める。私は信じる、絵画の力を。手に汗握るアートサスペンス! 反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した―― 誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか? ベストセラー『楽園のカンヴァス』から4年。現代のニューヨーク、スペインと大戦前のパリが交錯する、知的スリルにあふれた長編小説。

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