気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社

著者 :
  • 新潮社
4.07
  • (25)
  • (29)
  • (15)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 250
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103320128

作品紹介・あらすじ

震災後の気仙沼で編み物会社を起業! 「地方」だからこそ、できること。被災地への最大の貢献は仕事を生み出し、生活の循環を取り戻すこと。マッキンゼーを経てブータンの公務員、そして今度は気仙沼へ。傷跡がまだ残る現地に単身入った著者が、下宿しながら起業した会社は、初年度から黒字となり、市に納税を果たすまでに。編み物で「世界のKESENNUMA」を目指し、毎日てんやわんや奮闘中!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 三國万里子さんがデザインしたカーディガンを通してこの会社を知った。
    ちょうど今年編み物を習い始めたので読んでみた。
    会社の背景を知れて良かった。
    立ち上げの時に決めたことを振り返りながら、長く続く会社を目指して経営されている。会社を「一つの船に乗った仲間」と例え、「同じ海を見て、同じ景色を見て、一緒に考えながら、補い合いながら船の舵を切っていく」という言葉が印象的。
    作った人たちの思いを知ったうえで、この会社のニットを見ると、さらにときめく。
    いつか自分も作ってもらいたい。
    値段は張るけど、次の世代も着られるような服を大切に着るっていいな。どこに価値を置いてお金を使うか、考えさせられる。
    もし購入する時は、ぜひ気仙沼に行って購入したい。

  • 気仙沼ニッティングの立ち上げの話。
    気仙沼の地域の紹介が多くを占める。
    最初に一番を見ておく。
    ワークショップで編み手を見つける。
    50時間かかるから15万円。



  • ブータンでは外国人で、周囲の信頼を得て仕事するには、自分のことは考えず、ブータンのためには何がよいか考える必要があった。

    自分が頑張る場所がなく、人から何かを、もらい生きていくのは辛いこと。仕事がなく自分の足で立てないというのは自尊心を傷つける

    勝算や適性を考えている自分が恥ずかしくなりやらなければいけないからやることにした。

    人生の不確定要素を飲み込む度量。気仙沼の人たちが自然と向き合い自分の肚でものを決め、リスクを取りながら生きてきたからではないか。

    新しいことを始めるときにトップを見ておくとあとで不安にならない。何を目指してどんな努力をするのか。

    大切にされているという感動と豊かさ

    顔が見える世界でのお金の使い方は消費の罪悪感がない。友人にお金を落としている

    物事には順序があり、人が決心するにはタイミングがある


    人が美しい絵を見て感動するのは、絵が美しいからではなく、美しい絵を描こうとして作家が闘った痕跡を感じるから

    何で喜んでもらい、何で売上を立てるのか、お客さんのこと、編み手のこと、売上のこと、いろんな方向に振れるが難しい道ほど歩いていて面白い

    小さいが黒字ー事情が成立すること、納税できること。肩で風を切って気仙沼を歩ける

    何にお金を使うか、にその人の好みや哲学があらわれる

    この仕事を続けたい

    心の傷は仕事では消すことができない。生活の循環サイクルを取り戻すのはトップダウンではできない。種まきしかできない。

    老舗のエルメス、とらやは、100年後のこと考えている。オーナー企業だと息子の代のこと。上場企業は短期的利益のみ。

  • 土居裕美子先生  おすすめ
    72【一般】589.218-M

  • 東日本大震災後に、甚大な被害があった気仙沼市で編み物の会社を始めた御手洗氏のお話。読みやすく、文才を感じた。
    株式会社気仙沼ニッティングを、どのように始めて、どのように広げていったのか、という話だが、なるほどなと思ったのは、生業がいかに大切かというくだり。
    衣食住が揃っても、仕事にでかけて給料をもらってそのお金で食材を買ってごはんを作る、といった生活のサイクルがないと復興とはいえない。そしてそこは行政だけではどうしようもないところで、こうした新しい動きが重要になってくるのだろう。
    気仙沼という地方において、手編みの高級商品を売るというのは、筆者記載のとおりメリットもあったし、地域特性にもマッチしたものだったのだろうが、やはり被災地だったことやそもそもの動きとしてコアなファンがいる「ほぼ日」ブランドがあったということは大前提としてある話。ただ、そうしたインセンティブをうまく生かして軌道に乗せたのはすばらしい。百年続く老舗になってほしいと心から願う。

  • 目の前にある課題に向き合って、誠実に仕事をしたい。
    つくづく思い知らされました。
    気仙沼ニッティング、応援します!

  • ほぼ日の糸井重里氏が、気仙沼で手編みセーターを設立すべくアイデアを出し、アラン諸島にアランセーターを見て回るというNHKの番組を見たことがあります。
    その糸井重里氏から打診を受けて、気仙沼ニッティングの代表を務め、気仙沼の地で、ここまで会社そしてセーターの編み手さんを率いてきたのが、本書の著者。外資系経営コンサルタント会社勤務の経験ももつ著者=気仙沼ニッティング社長が、気仙沼ニッティングを手がけたことによって抱く当社の方向性とそれにかける思いが、ギュッと詰まっています。

  • 本筋と関係ないけれど、内容を自分たちが想定したストーリーに沿った方向に持っていこうとするマスコミ取材陣のやり方に、どこでもそうなんだなと思わず苦笑。

  • デザインの価値について気づきがあった

  • 一読し心温まる。何故そこまで真剣に真摯に事(コト)に向き合えるのだろう。又、売れるものが良いものと言われもするが、其ばかりでない事(コト)に気付かされる。

全32件中 1 - 10件を表示

御手洗瑞子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
又吉 直樹
三浦 しをん
西 加奈子
宮下奈都
みうら じゅん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×