経営学を「使える武器」にする

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103322818

作品紹介・あらすじ

定石を極めてこそ革新がある。幾多の大企業を蘇らせた「伝説の研修」を初公開!

感想・レビュー・書評

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  • HowではなくWhatを語れ、と部下に指示する人で、本当に意味をわかって指導できている人は何人いるだろうか。
    本書は企業戦略、事業戦略の学び方を学ぶ良書である。
    本内容のアクションを促したり、コミュニケーションのフレームワークとして、ビジネスモデルキャンバスやリーン・スタートアップの考え方を取り入れることもできよう。

    まず古典を使いきる能力を持つことに大いに賛同である。

  • 著者は研修講師。企業内研修で1年程度の時間をかけて実際の戦略を考えるアクションラーニングが専門。
    本書は多少の理論と実際の研修の様子が書かれた本。
    比較的すぐ読めます。

    著者が基本を重視していることもあり、戦略とかマーケをある程度勉強していれば、正直目新しいことはほとんどないです。
    しかし、著者の受講生が苦労しながら実際に戦略を作って実行していく姿には感銘を受けます。
    例えば、「VOC(VoiceOfCustomer)を取れ」と至極当たり前のことを言われるのですが、受講生は愚直に100社ぐらいの企業を回って情報を集めてくる。うーん、私はそこまではできてません。

    あと、著者は一番の基本書をポーターとしており、ポーターが読みたくなります。
    #なお、「競争優位の戦略」を基本書にしてますが、「競争の戦略」は半分読んだけど、そっちは読んだことないな~。。

    <めも>
    ・VOCを愚直にとる(100社レベル)
    ・STP+4P
    ・セグメント
     製品・サービス×市場

  • 著者の主催する経営学研修を紹介する本.ポーターなどの古典をどう読んで血肉にするかが書かれている. 経営学を勉強する前に,動機付けしたり気分を上げるために読むと良い.

  • 非常に面白いです!
    書のタイトルの通り、経営学は「使える武器」でなければ意味がないということが、よく理解することができる書籍です。
    経営学の古典を徹底的に読み込んで、実践として徹底的に何をすべきかを考えて、足で顧客の声を集めて事実で裏付けて練り上げる。
    サイエンスとパッションの綜合、とその困難性を思い知りました。
    ここで紹介されている古典を、すべて読破したいと思いました。
    勿論、読むだけでは著者に叱り飛ばされるだけですが…。
    実践の糧にしなければ。

  •  古典の重要性。魚群探知機とVOC。「顧客の真の声を聞き,魂の入ったダントツの商品を作り込む。」。
    ★課題本リスト
    マイケル・E・ポーター『競争優位の戦略』
    フィリップ・コトラー『コトラーのマーケティング・マネジメント』
    恩蔵直人『マーケティング』
    W・チャン・キム,レネ・モボルニュ『ブルー・オーシャン戦略』
    山田英夫『逆転の競争戦略』
    内田和成『異業種競争戦略』
    ジェイ・B・バーニー『企業戦略論(上)』
    クレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』
    ジェームズ・C・コリンズ『ビジョナリーカンパニー』②,③
    伊丹敬之『場の理論とマネジメント』
    常盤文克『コトづくりのちから』
    ピーター・F・ドラッカー『マネジメント』
    藤本隆宏『ものづくり経営学』
    佐々木久臣『いすゞの製造現場から生まれた完璧品質を作り続ける生産方式』

  • 経営戦略とは、環境適応パターンを長期的な時間軸で示す構想であり、企業内の意思決定の指針となるもの
    STP+4PとVOC顧客の声を愚直に追求する
    組織のパッションは初めからあるものではなく、最初は誰かのパッションである
    絶対に成功しますと言い切る熱意をそれがなぜ成功できると言えるかをロジックで語ることが大事

  • 経営戦略とは何か?つい便利で使ってしまうこの言葉を、「外部環境の変化にどう適応するか、という方法論」として整理しているところから始まる。無名のおっさんが語る経営論は売れないだろうなあとの第一印象とは裏腹に、この一文を読んで手にとりレジに並んだ。
    魔法の杖的にあるべき論を語ることと、経営戦略の基本と言われる古典をしっかり読み理解することが相乗効果を有み、真の戦略がたてられる。ツネイシ造船を例にして、厳しい研修の内容が記されている。経営戦略を紡ぎだすためには、基本となる古典をしっかり理解することがまず大事。その後で、こうした知識をベースに「How」ではなく「What」を考えること。これは、一般的には「How」に行ってしまうマインドセットを大きく変えることがポイントである。課題を出すときに、例えばコストを押さえるために紙をPC上に変えてやるべきだということがあるが、これは「How」を軸に考えたものだ。「What」を考えると、どうあるべきかに考えが及ぶ。これを本気で、魂を入れてやることこそが神髄なんだろうなと思う。

  • 企業への経営戦略の研修がどのようにやられているのか実例も含めて語られておりとても面白かった。

    13ページ/10分

  • 本書は自身が確立した独自の研修スタイルで、東レ、みずほ、JR西日本、商船三井などをはじめとする幾多もの企業を立て直した筆者による実践的経営学、そのノウハウの全てを明らかにしたものです。 こういった関係の本で久しぶりに面白いものに出会いました。

    著者は富士ゼロックスに勤めながらMBAを慶応大学で取得し、現在は独立して企業の人材育成・コンサルティングを請け負っていらっしゃるのだそうです。ここに記されているのはその研修の「紙上講義」ともいうべきものだと個人的に捉えておりますが、まぁ本の厚さに比べて内容が本当に濃いものだということを読みながら思いました。

    筆者のスタイルとしては、年単位の長期にわたってひとつの会社とかかわるそうなので、まずは教室に集まってきた生徒たちに経営戦略構築のための基本的な知識(ポジショニング、外部環境、経営資源、シーズニーズ、製品の市場占有率や相対シェアからみたポートフォリオなど)を理解させるべく、マイケル・E・ポーターをはじめとする「重量級」の古典ビジネス書を詳細に読ませ、要約させ、自分の問題に落とし込むまで考えさせるんだそうです。

    ただでさえ忙しい日常業務に加えて、こういう本を読むのは本当にしんどいことだろうなぁと思いながらページをめくっていると、今度はその理論を実践に移すべく、ここでは筆者が研修を行っている常石造船という会社の取組みについて記述しています。若手の社長自身が研修に積極的であり、自らが率先して筆者の研修に参加するなど者を上げて取り組んでいることがわかります。

    エピソードの中には鉄工業務一筋だった人間がポーターの『競争優位の戦略』(これまた重量級の古典)と首っ引きで格闘し、自らの手がけている仕事を大きく転換していく家庭などが描かれ、継続的な研修の成果が業績に結び付いている様子を活写されておりました。こういったビジネス上の『ダイナミズム』というのは読んでいて本当に面白いです。

    ここで記されているのは、従業員一人一人が徹底して考え抜き、『日ごろの自分の業務をいかにうまく回すか(HOW)』ではなく、『一段上からの目線で、どんなヴィジョンをもって組織を経営するか(WHAT)』に留意すべきという箇所や、固定観念にとらわれることなく、徹底的に足を使って顧客の意見を聞き、それを経営に生かしていくことが肝要ということがわかりやすく記されておりました。もちろんこういう本を著すということは自分の研修ノウハウという『商品』を売り込むための宣伝活動とも言えなくはないのですが、そういったものを差し引いたとしても、純粋に読んでいて楽しかったです。

  • 研修で学び、実践した実例などを踏まえて、経営学、特にマーケティングの重要性について書かれていた。

    特にマイケルポーターの「競争優位の戦略」を褒めていた。
    経営学の古典的な本で、非常に難解らしいが、読んだことがないので、実際に読んでみたいと思った。

    また、改善などのテーマを決めるときの話として、「初めに「How」ありきではなく、「What」で問題点を探す」という事は、覚えておきたいフレーズだと思った。

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