とうへんぼくで、ばかったれ

著者 :
  • 新潮社
3.29
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本棚登録 : 333
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103323419

作品紹介・あらすじ

吉田は独身の冴えない四十男に、ひとめぼれしました。待ち伏せ、尾行で情報収集後、男を追いかけ上京します。ストーカー?いえ、違います。「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」で胸がいっぱい、ただ「好き」なだけなのです。問題は、男が吉田を知らない、ということ――。
愛嬌と軽やかさに満ちた、著者一年半ぶりの新作。

感想・レビュー・書評

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  • さわやかで良い人そうだが、今一つ食指が動かないタイプの男性をほんとうまく描いているわ。
    この温度のなさ感!私なんかいてもいなくてもあまり変わらないんじゃ?と気づかせてしまう、どうしようもなさ。
    エノモトでもイノマタでもない「エノマタ」さんならしようがないか。

    その辺に転がっている困った話をこんなに上手に文字にしてくれたーというすっきり感で読後さわやかでした。

    • kuroayameさん
      「その辺に転がっている困った話をこんなに上手に文字にしてくれたーというすっきり感で読後さわやかでした。 」とのレビューを拝見させていただき、...
      「その辺に転がっている困った話をこんなに上手に文字にしてくれたーというすっきり感で読後さわやかでした。 」とのレビューを拝見させていただき、「私の周りにもいたりして」なんて思うと面白そうで♪。
      レビューを拝見させていただきありがとうございます★。
      図書館で見つけたら是非手にとってみたいと思います♪。
      2012/12/04
  • 一目惚れの恋の行方にまつわる小さな"あるある"と大きい"わかるわかる"がぎっしり詰まってる…だけでなく、適齢期を過ぎてまだひとりでいる"とうへんぼくでばかったれ"ぶりも詰まっていて、なんか俺、耳いたい。

  • 私が吉田の友達なら、その男とは合わないからやめとけと言いたい。でもその、しっくりこない感じから騙し騙しやってく感じもわかる。
    エノマタさんも別に悪くないけど、大人同士の恋愛といえないような若い子相手にするなら、せめて始まりは言葉にしなさいよと思った。

  • 吉田と前田のなんでもない会話にいっぱい笑わせられた。
    こういう脱力系の文章も読んでて楽しい。
    犬の名前「前田浅丘」には爆笑!

  • 一目惚れは生産性が低い。ってことがわかりました。サブキャラがどいつもこいつもいい感じにステキ。

  • あぁ、そうよそうよ、朝倉さんのこういう小説が読みたかったのよ、と思いながら読んだ。

    ちょっと、というかかなり不器用な女の子の、ちょっと、というかかなりいびつだけどまっすぐな恋のお話で。
    描き方によってはものすごく痛いお話になるところを朝倉さんの軽やかな筆のおかげでくすくすのちしおしおというとても味わいの深い読み応え。

    登場人物すべてが「生きること」に関して淡白なんですよね。執着がないというか。その淡白さがエキセントリックな内容を中和している、といおうか。

    なにはともあれ、私は前田が好きだ。吉田と前田の距離感が心地よくて。思わず「仲間にいれてくれ」と言いたくなる。

    白アサクラでも黒アサクラでもない、ネズミアサクラな世界を堪能。

  • 「あがり」という言葉が浮かんだ。
    すごろくなら、さいのろの出た目によっては駒が戻る場合がある。出目次第では振り出しに戻りもする。だが、それは盤上でのこと。実際、振り出しに戻るなんて無理だ。振り出しと同じ心持ちには、たぶん、なれない。

  • 北海道からストーカーまがいの執念で片思いの中年男を追って東京へ出てきた吉田のほぼ2年間のアタック生活.恋は盲目というけれど,本当に冴えない中年でどちらかというと嫌なタイプかも.でもそのほかの吉田の周りにいる人たちは北海道の親友前田を始めとしていい感じだ.

  • 吉田と前田の友関係が、よかったな。

    朝倉作品は「月」がつきもののようですね。
    きっと「梨」の匂いだと思いますよ、エノマタさん。

  • 札幌育ち、見てくれ良好、二十三歳、生娘の、吉田が恋に落ちた模様です。吉田は独身の冴えない四十男に、ひとめぼれしました。待ち伏せ、尾行で情報収集後、男を追いかけ上京します。ストーカー? いえ、違います。「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」で胸がいっぱい、ただ「好き」なだけなのです。問題は、男が吉田を知らない、ということ――。愛嬌と軽やかさに満ちた、著者一年半ぶりの新作。

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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