錦繍

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103325024

感想・レビュー・書評

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  • 小児麻痺の息子と共に蔵王のリフトに乗った亜紀は、浮気とある事件によって離婚した10年前に離婚した有馬に出会う。

    亜紀と有馬の手紙のやり取りで進んでいく...

    どろどろかと思いきや、読後は爽やか。

  • 新潮文庫の100冊
    話の作り方がとてもうまいです
    でも別れた奥さんに物語のような手紙を書くのはとても不自然なことだと思う

  • 宮本輝を初めて手に取った。

    夫とは心を通わせられない障害の息子をもった妻が元夫に手紙を綴る。
    最初は 別れた時のなんとも理解できない夫とにモヤモヤした気持ちを書き綴っていたものが お互い手紙をやり取りしてるうちに 彼女の中で 方向性がクリアになったような 吹っ切れたような文章になっていた

  • 途中 止めようかと思ったけど最後まで読んで やはり宮本輝らしいと感じた。

  • 別れた夫婦の蔵王での突然の出会い、そしてその後の手紙のやりとりで、二人に何が起こってそしてこれから向かっていくところの人生へのほのかな希望を、とてもうまく表現していると思った。こんな男は好きになれないが。

  • 何十年振りに読んだ・・・
    こんなんだったっけえ~~
    だんだんつまらなくなってきてしまう

  • 疲れる

  • 深い。

    人生って不思議。

    久しぶりに読み直した。

  • 元妻と元夫の偶然の再会から始まった、美しい日本語の手紙のやり取りの小説。やっと読み終えた。途中「業」という言葉が読んでいて、胸に突っかかっているような感じで悲しくて、もう読むのを辞めてしまおうかなと一瞬思ったけれど、最後まで読んでよかった。二人が前をみて人生を歩き出した希望をもてる終わり方でよかった。 きっと家庭を持ったら違う視点で読むのだろうな。今の私は靖明に同情しても、勝沼に同情できない。いつかモーツァルトの三十九番シンフォニイをBGMにもう一度再読したい。

  • 本当はうまく進んで行くはずの夫婦のはずなのに別れてしまったあとの軌跡。不幸なことではあったけどそれぞれの人生は続く。インタラクティブ(同時対話)ではない手紙形式ゆえに書かれている内容が自分を冷静に見つめたものになっている。人生とはこんなものかも・・・

  • 自分の嗜好から言えば、あまり選ばない本なのだが、宮本輝を何冊か買ってみた。読んでみた。これからも隙を見て読んでいこうと思う。たまにはこういう浸み込む系もありかな。

  • 館長からのおススメ。
    加山又造の装幀も素敵!

  • 離婚した夫婦の往復書簡だけで続く物語。過去を認めながらも未来を見る女性の強さを感じる。「みらいという言葉を知るために黒板の字を写しなさい」と言う先生の台詞が印象深い。

  • 【錦繍】 宮本輝さん

    蔵王のダリア園からドッコ沼へ登るゴンドラ・リフト
    の中で偶然再会した勝沼亜紀と有馬靖明。

    かつて二人は夫婦であった。

    靖明が京都の旅館で別の女性と心中未遂を起こしたコトが
    離婚の原因だった。

    亜紀の示した離婚に言い訳もせず同意した靖明。
    しかし彼らはお互いに本心を打ち明けて話をした
    訳ではなかった。

    心中未遂を起こした当時、靖明がどんなコトを考え
    何を思って離婚に同意したのか?相手の女性とは
    どういう関係だったのか?

    10年前、どうしても聞きたくて、そして聞けな
    かったコトが靖明と出会ったことで蘇ってきた。

    亜紀は靖明の所在を調べ、その旨をしたためた
    手紙を送る。

    そして、亜紀と靖明の手紙のやり取りが始まった。



    手紙形式で物語が進んでいきます。

    本を読んで感じたコトがハッキリとした
    形(文章)になりませんが、「過去」は「今」を
    生きるためにあるのであり心が囚われるために
    あるのではない・・・
    というコトを、この本を読んで感じました。

    「琴線を打ち震わす」というホドではありませんでしたが
    美しい調べのいい本だったと思います。

     

  • 兵庫、軽井沢などを舞台とした作品です。

  • 哀しい話だった。読み終えて、本当に哀しい気持ちになった。それぞれ人の業なのか、罪をつぐなうといくことなのか。

  • すれ違ってしまった男女の手紙.美しいような悲しいような世界.どちらも互いにきちんと今の生活を営みつつ,過去の清算をしていくようなお話.気持ちが揺れたりせずにいてさっぱりしていました.

  • 最近読み返しました。
    …読んでる間は涙が出っぱなしでしたね。
    話の内容は浮気が原因で10年前に離婚をした二人の手紙のやり取りという形式で、最初は後悔ばかりで男女や人生の泥沼のような話なんだけど、そればかりではなくてとてつもない希望や愛情が描かれているんですよね。やはり読み終えた後は涙も収まりすっきりしました♪
    これ一冊読んで自分の中に収めておければ、ちょっとやそっとの恋愛じゃへこたれないですよ!
    長い間本棚の奥にあり、多分5年くらい存在すら忘れていたけど、やはりお勧めだぁぁ!

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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