めぐみと私の35年

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103327615

作品紹介・あらすじ

拉致から35年、小泉総理の電撃訪朝から10年。死ぬ前にもう一度、娘に会いたい。日本政府、国民、そして北朝鮮にむけた最後の訴え。全日本人が心に刻むべき母の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 1977年11月15日夕方6時35分頃、中学一年生だった横田めぐみさんの行方がわからなくなった。
    家まであと数分のところで北朝鮮の工作員に拉致され、船で連れて行かれたかもしれない、ということをお母さんの横田早紀江さんが知ったのは1997年1月21日。
    小泉首相(当時)が訪朝し、金正日総書記と会談して「五人死亡、八人生存」と報じられたのが2002年9月19日。

    めぐみさんは北朝鮮で自殺したとされていて、遺骨が日本に帰ってきたがそれはDNA鑑定の結果、二人の他人の骨を合わせたものだった。

    横田早紀江さんの生い立ちから、拉致されるまでのめぐみさんとの思い出。
    めぐみさんの娘とされるキム・ヘギョンさんへの想い。北朝鮮に圧力をかけない日本政府に対する嘆き。
    キリスト教聖書に助けられながら歩んできた横田早紀江さんのこれまで。

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    これを書いている2021年現在も拉致問題は解決していない。
    歴代の総理大臣に早期解決を懇願しては落胆させられてきた拉致被害者家族の方々。拉致は紛れもなく犯罪であり、人権侵害。外交問題じゃなくて、人権問題として追及してくるべきだったんだよな。

    横田早紀江さんは「めぐみさんを誘拐した」という狂言電話をかけてきた高校生を哀れみ、「めぐさんを知っている」と話す亡命した元工作員をかわいそうに思う、と書いている。
    北朝鮮による拉致が発覚する以前、いなくなっためぐみさんを探すために奔走する横田早紀江さんはとても物悲しかった。日本政府と北朝鮮は、この人を納得させる説明と対応をしなくちゃいけない。

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    1980年の新聞の引用箇所で、日本海側を「裏日本」と呼んでいることに驚いた。差別的な意味合いのある言葉だから公的な文章では使わないのかな、と思っていたけど、1980年ではまだ使っていたんだな。意外だ。

  • ただただ一刻も早い解決を祈るばかりです。

  • お母様の娘への想いがとても感じられる。
    めぐみさんの子供の頃からの雰囲気もとても感じたし、大事に愛情をかけて育てられたんだなと思った。
    拉致に関する日本の政治家の対応は腹立たしい。
    一人の人間が変えられることではないのかもしれないけど、政治家が動かないと誰も変えられない。
    お母様はかなりいろんな葛藤をされたんだろうなと伝わった。

  • ★ペンネーム:伶さんからのおすすめコメント★

    1977年11月15日、新潟で1人の女子中学生横田めぐみさんが失踪しました。その日から、幸せだった一家にとって長く厳しい闘いが始まりました。めぐみさん失踪から何の手がかりも得られず20年間、母の早紀江さんはそれこそ東奔西走してめぐみさんを探し続けます。そして、1997年にめぐみさんが北朝鮮に拉致されていることが判明したものの、現在に至るまでめぐみさんを奪還できていません。「とにかく元気でいてほしい」という早紀江さんの娘を思う気持ちに、新政権はどう答えるのでしょうか?横田さんをはじめ拉致被害者のご家族の心情は察するに余りあります。拉致は他人事でもなく、遠い過去の事件でもなく、現在進行中の犯罪と実感させられました。

    OPACへ ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=9000863414

  • 子供を持つ母として、早期解決を祈ります。

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