絶対服従者(ワーカー)

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著者 : 関俊介
  • 新潮社 (2012年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103331117

絶対服従者(ワーカー)の感想・レビュー・書評

  • 変異したアリ、ハチといった膜翅目の蟲たちと、ヒトが住む都市を舞台をしたハードボイルド。僕たちは普段この世界に生活し、人への共感を制限することにもう、慣れている。そうでなければ蹴落とされるか、利用されるか、もしくは辛いニュースで気が狂う。でも、この本には蟲たちが登場する。人の世界で鍛え上げた共感制限は無効化されて、残虐表現には痛々しさ、危ない展開にはヒリヒリする心の皮膚感覚、働きバチのさだめには泣きたくなるような切なさ、淡い恋心・・・。全てが生身の心に降りかかる。関俊介さん、すごいや。

  • 荒唐無稽だけど虫達にも心があり信念があるって思えるのは良い。
    共存は難しいけどスズメバチの方が人よりまっすぐ生きてる。
    アリやハエやハチの生態に改めて気付かされたました。

  • このとんがりっぷり!

  • 突然変異し社会性を持った蟲との共生世界のファンタジーハードボイルド。

    直前に「マイクロワールド」を読んでいたため、捕食者としての意思の通じない虫の無慈悲な世界の記憶が残っていたため、
    意思が通じ、擬人化した蟲たちとの思考の違いに違和感はありませんでした。
    文体自体はちょっと古いハードボイルド調で、結構自分好みでした。
    社会性を持った蟲がヒトと共存、共生をしているファンタジーワールドも理解できる範囲内で、面白かったです。
    悪役がステレオタイプ的だったこと、恋愛的な部分が相手が相手だけにプラトニックすぎる点が物足りないものの、
    全体的にはストーリー、キャラ、文章力と完成度は高いので、次作も期待したいと思います。

  • 変異を起こし、蟲が労働力としてヒトと同じ社会に参画しだした近未来の満生市で、最底辺の労働環境からアリの歴史を綴るライター稼業をすることになった青年槙田が市政の裏側を知ったことからトラブルに巻き込まれていくSFとハードボイルドを足して2で割って少し薄めたような物語だ。
    いい意味でアメリカのB級映画っぽい雰囲気がある。
    社会性昆虫をモチーフに現代社会を皮肉っているような部分も多少あるけれど、単純なエンターテイメントとして楽しんだ。

  • 最初のうちは面白く感じてたんだけど、一見軽妙に見えるけど読みづらい文章になかなか進まず、会話もくどくてほぼ斜め読みで終えた。スケールが大きいんだか小さいんだかわからない。蜂のくせに生意気すぎ。

  • やっぱり『風の中のマリア』百田尚樹とくらべてしまうなあ。

  • 高度な知能を持った蟲(むし)たちに仕事場を奪われた世界って.......読み始めは気持ちが悪かったけどドキドキハラハラ引き込まれて一気に読み終えてしまった。ちょっと考えさせられたし。
    キイロスズメバチが「私の名前はアカリ」と言った瞬間にただのハチの個体ではなく一人の?かけがえのない存在なんだと私も実感した。名前ってすごい力を持ってるんだなと思う。

  • 昆虫が突然変異して日本語がしゃべれるようになってヒトと共存しています。
    で、ヒトと顔負けの権力闘争劇を行ったり、人情ならぬ昆情で主人公を助けたりするというそんなお話。
    昆虫は擬人化されていてユニークなハエやしっかりもののアリ、セクシーなハチなど
    いろいろ登場します。
    確かにハチがヒトだったら露出度高めのおねえちゃんだろうなという気がしますね。
    こんな設定は初めて読みましたがとても面白かったです。
    あのままやられっぱなしで終わるのかと思いましたが、最後は正義が勝つ形で終了したので、ホッとしました。
    昆虫界にはカマキリ、ダンゴ虫、セミ、ムカデとかまだまだ個性的なキャラクターが控えていますもんね。
    同じ設定で次の書いてくれないかなぁー。

  • エログロ描写で盛らなくても、面白い発想。なるほどなー。

    昆虫つながりで、つい『風の中のマリア 』(百田尚樹著・講談社)と比べちゃう。久々に読み返したくなった。

  • 中盤までは抜群に面白かった。物語のスピード感に加え、その生態を上手にとらえた人と蟲との会話は、なるほどハエなら、ハチなら、アリなら、そういう思考回路だろうなと感心することしばしば。

    主人公とキイロスズメバチとのやりとりにいたっては、淡い恋心すらも生まれているかのように見え、一人と一匹の先行きを心配したり、応援したりしながら読んでいたら、あっという間に物語終盤。

    そうして私は、ここでげっそり。

    圧倒的な暴力描写はあまりにもグロテスクすぎて、読んでいる途中も、読み終えてからも気分が悪くて仕方がなかった。これが作者の作風なのだと言われればそれまでなのだけれども、ここまでの描写が必要だったのか、と。それまでのストーリー展開が面白かっただけに、残念でならない。

  • 作者のプロフィールを見ると、主人公は作者が投影されているのかと思わないでもないが、面白く読めた。
    本作は、アリやハチなどが人に似た姿で登場し、特にアリはその驚異的な働きぶりにより、人間から労働力を奪い社会進出していくという世情で、ファンタジーというよりはSFの風味。事件に巻き込まれる主人公をはじめ、人間だけでなく蟲たちのグロイ描写もけっこうあるので、そういうのが苦手な人は注意が必要だが、ツンデレなキイロスズメバチのセクシーな描写にはそそられるし(笑)、社会問題や蟲たちの特性、意識のあり方も含め、読みごたえのある形に仕上がっている。同時受賞作の『かおばな憑依帖』が表のエンタメなら、こちらは裏のエンタメといった感じだろうか。個人的には本作のほうが好みだ。

  • 突然変異によってヒト型に進化したアリ、ハチとヒトが共存する社会で腐敗政治の陰謀に巻き込まれる主人公の冒険活劇。第24回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作品なんですけど、ファンタジーではなくってSFです。ハリウッドのジェットコースタームービーのような何でもありの極上エンタテインメント。とにかく楽しいです。

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絶対服従者(ワーカー)の作品紹介

服従以外に俺が生きのびる道はない。突然変異で高度な知性を備えたハチやアリがヒトの代わりに働き、失業者が溢れる街で、おぞましい秘密工場の存在を知ってしまった俺。長期政権で街を牛耳る市長の悪事を暴くべく、決死の闘いから生還した先に待っていたのは、働きアリの苦渋を味わう絶対服従の日々であった-。第24回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

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