- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103333722
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
忠実な取材に基づいた、ドキュメンタリータッチの小説。
「避難所」という題名だけれど、文庫本バージョンが「女たちの避難所」となっているように、登場人物や視点はすべて女性です。
彼女たちの目から見た3.11の被災地や避難所は、どんなふうだったのか。
その一端が垣間見える小説です。
巻末の参考資料を、いつかあたってみたいと思います。 -
なんか、色々納得。被災者って言っても色んな人がいるよね。
-
福子さしん、遠乃さん、渚さん、3人の女性たちの避難所生活についての話。驚いた、いつの時代?と思ってしまった。本当にこんなに保守的なのだろうか、理不尽だ。遠乃さんの舅には憎しみさえ感じてしまった。被災したのは男性も女性も、年寄りも若者も変わらないはずなのに、どうしてこんな不自由を強いられなくてはいけないのだろう。大変な思いをしていることは知っていた、が、理解は足りなかったかもしれない。「当たり前みたいな顔で受け取る人もいる。受け取るエチケットも指導せねばってボランティアで話し合っっていた」その文章を読んで、ハッとした。上から目線に耐えないと物はもらえないと思わせてしまうボランティアたちの態度。そんなつもりはないが、被災した人からすれば、そう思えてしまう態度を知らずととってしまっているのだろう。
-
垣谷作品はいつもながら一気読みしてしまいます
生きるということは
人との協力も大切にしながらも頼りすぎず
自分をしっかり持つ心の強さが必要だと思いました
-
3人の女性の視点から被災から避難生活の過酷さ、問題点やその後のトラブルが見られて興味深く読めました。
-
出張の移動時間に一気読みした。テレビで流れる震災の復興番組とか24時間なんとかでの、絆だとか、一体になってとかいかにもな、綺麗なわかりやすい表現と現実が乖離してることがわかる。これも小説なんだけど現実に近い部分が多いんじゃないかなあ。体験していない自分には永遠にわからないんだろうけど読んでよかった。
-
東日本大震災について、主に避難所を舞台に、女性3人の視点から描かれる。
ノンフィクションを元に書かれた、フィクションだと思う。避難所の格差や、被災者とボランティアの溝、地域ならではの伝統的な価値観からくる窮屈さなど、メディアに取り上げられていない課題についても書かれてあった。
主人公たちのように、最終的に上手くいった人ばかりではないと思うが、女性の視点から被災者の困難を描いた作品。 -
避難所生活、仮設住宅、ニュースで目にする耳にする珍しくない言葉を、知ってるつもりになってただけだと実感した。それが自分の身に起こってみなければ本当に知れたとは言えないけど。
それらの言葉から理不尽な苦労や不自由さが、この物語のように次々と湧いてくるんだ、きっと。物語の一人になってみる事で、どれもこれもあぁ確かにこの状況はしんどい、こんな時必要なのはこういう事だ、と思わされるシーンが多々あった。
遠乃が舅や義兄から逃れられて良かった。
福子が義捐金すらパチンコに注ぎ込む旦那とわかれられてよかった。
渚が息子の昌也と一緒に再スタートを切れて良かった。