紅葉街駅前自殺センター

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著者 : 光本正記
  • 新潮社 (2013年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103334118

紅葉街駅前自殺センターの感想・レビュー・書評

  • 自殺志願者を5回面接の末、自死を幇助する期間 自殺センター。
    息子を殺された土井洋介は自殺センターへ行き、5回の面接を終えて、人生に幕を閉じようとする。

    切断魔との関係がどうなるのかが最後まで隠されているので、それが明らかになる辺りから面白かったです。
    ただ、突然の罪の告白は終わらせようと急いでいるようで、もっとじわじわと丁寧に書けばいいのになんて思いました。

    「チーズ 、フォン、デュッ」の人のキャラがよかったです。

    ラストはオカルトチックで、致死性の毒を盛られたのに生き返ったり、何でもありな感じでしたが、そうでもしないと、何の光もない終わり方なので、まあ有りかと。

    やたら強調するための圏点が多いのが少し気になりました。

    辛口すみません。

  • この本のタイトルを新聞広告で見た時、買うしかないと思った。
    「自殺センター」というアイデアは、自殺という問題を「国家が管理する」という方向で考えた時にはわりとすぐに思いつくものだ。
    以前、「KAGEROU」(齋藤智裕著)を読んだ時にも、「自殺センター」という発想が書かれていた。この作品では臓器移植と関連させていたので、非常に興味深く読んだのだが、本作では、臓器移植の問題は「反対者がいるからね」という非常に現実的な理由であっさり否定されていた。
    そう、本作はとてもリアリティがある。もし本当にこういう施設があったら、やっぱりものすごく反対運動が巻き起こるだろうし、宗教関係者もいろいろ活動しようとするだろう。当然、臓器移植だって拒否されるに違いない。
    5回、という設定も絶妙だと思った。短すぎず長すぎず、でもいざとなるととても短く感じてしまう。
    主人公の絶望とか諦観がじわじわと伝わってきて、この世界に引き込まれてしまった。
    もう少し、夢の処理や、切断魔の存在する意味が書き込まれていたらもっとよかったかなあとも思う。ラストはどうなったのかがちょっとわかりづらい気がする。そこだけ急にファンタジーな感じになってしまったように思う。

    本作も、「KAGEROU」もラストは生きる方向に向かっていた。そこが、私が書いたものと違うところだ。
    私が書いたのはショートショートだったので、ほんとにワンアイデアとして書いた。そしてラストは、清々しく死んでいくのだ。
    そういうところに、作者の意向がにじみ出るものなんだろうか。

    それでも、ここまできっちり世界を構築してあると、やはりラストは希望の方向へ行く。
    「なんだよ~」と思いながらも、ほんの少しホッとしている部分もある。

    キャラクターの扱い方がときどき腑に落ちないところもあったが、とても読み応えがあって、小説世界に魅了された。

  • こういう類のセンセーショナルな設定のものは中身が薄っぺらい場合が多いが、この作品は設定自体もきちんとんと辻褄が合っていて、だからこそリアリティもあったし、主人公を含む登場人物たちもしっかり描かれていた。
    途中まで、主人公が自殺を思いとどまってくれればいいのにと思いながらずんずん読み進められた。
    淡々とした日常と、時折でてくるハッとする場面とのメリハリもよかった。キリコのシーンなんかはとくに。
    ただ、だからこそ、唐突にファンタジーチックになってそのまま終わってしまったことが残念だった。
    ほっとするどころか、結局いろいろどうなったんだろうと混乱したままで消化不良な感じ。

  • 低迷する日本柔道界に表れた救世主。
    オリンピックでは必ず日の丸を揚げてくれるだろうと期待されていた長田選手は、飛び降り自殺の巻き添えで死んでしまう。
    飛び降りた男は過去に少年をレイプして殺し、有罪判決を受けて服役していた。
    出所したその日に再び同じ手口で少年を殺害、行き場を失った男はビルから飛び降りたのだ。
    何故、輝かしい未来が待っていたはずの若者は死ななければならなかったのか。
    この通称「長田事件」をきっかけに自死管理法案は成立する。

    自暴自棄になった身勝手な犯人により、狭い電車内で妻は瀕死の重傷を負い、まだ1歳だった愛息子は殺された。
    喪失感と憎しみ。
    妻への怒りと自身への怒りと後悔。
    さまざまな感情に押し潰された主人公・土井洋介は、ついに駅前にある自殺センターへと足を運ぶ。
    自殺が認められるためには計5回の面接を経なければならない。
    面接のたびに「思いなおす気はないか」と確認されるが、洋介の決心は揺るがない。
    生きていく意味が見つけられないからだ。
    犯人が生きている間は、洋介にも生きている理由があった。
    だが、犯人がもうこの世にいなくなってしまえば、生きている意味はないと洋介は考える。
    最後の別れを済ませるようセンター側からすすめられた洋介は、世話になった人たちと会ってひそかに別れを告げる。
    また、通称「赤紙」と呼ばれる自死通知書を送付するリストを作るよう言われ、悩みながらもリストを作成する。
    最後の面接を済ませてからの展開がすごい。
    辛いのは自分だけではないと初めて気づく洋介。
    何度も考え直すように言われたのに…。
    そして、「切断魔」と亡き兄との関係。
    どんなに絶望的な状況であっても、それでも自分が出来ることがあるかもしれない。
    自分を必要としてくれる人がいるかもしれない。
    かつて誰かを助けたように、自分もまた誰かを助けられる力が残っているかもしれないのだ。
    再生への一歩をようやく洋介自身の意思で踏み出すラストにホッとする。

  • 自殺請け負いますというアイロニーに満ちた作品。たまたまごはん前に読んでしまったため、すごく気分が悪くなった。
    食前・食後(特に直後)に読まないほうがいいです。

  • なんか主人公が羨ましく思えた。ポジティブな自殺。

  • 設定はすごく良かったし、途中まで引き込まれる展開だったのにラストで台無しとなってしまった。
    「自殺が管理されていて死ぬことさえも勝手にできない日本」という近未来を舞台にしている以上は、その設定にリアリティーを持たせなくてはいけない。だから、いくら夢の伏線があっても、最後にあんなファンタジー展開にするべきじゃなかった。
    自分の幼さと過ちに気付くだけで十分だったはずだ。

    個人的に、光本さんはデビューしてからネット上での活躍を見て気になっていた作家さんだった。
    この作品を書き、私と同じ時代を生きた人が既に亡くなってしまっていることに戸惑いを隠せない。

  • 最後が消化不良。犯人がなぜ死んだのか、主人公はなぜ死ななかったのか。奥さんはどうなったのか?

  • もっとエンタメ的な作品かと思ってたけど、主人公の深層が幻想的な感じで描かれていた。

  • 自死を願う人達が行かなければならない場所。それが「自殺センター」
    5回の面談を経て、それでも翻意しない時は安楽に死ぬことができる。ただ、最終面談の後「自殺センター」内に入ったあとは、やっぱり死にたくないという訳にはいかない。その時彼らはすでに書類上生きてはいないのだから。

    彼が死を望んだのは、無差別殺人によって子供を失い、それが原因で愛する妻とも生活を続けていけなくなったからだ。それでも犯人の死刑が執行されるまでは、それを見届けるまでは死ねないと思って生きてきた。
    刑が執行されて、彼は「自殺センター」に通い始めた。そして死への願望は変わらなかったのだが。

  • 自殺を希望する人の手助けをする仕組みかぁ。
    5回の面接受けてるうちに面倒になって自殺するの
    やーめたと思う人続出かも。
    「自殺はダメですよ、生きて頑張りましょう」と
    深刻な顔して励まされるより、もしかしたら
    「あー自殺するんですね、じゃぁこの手続きして
    下さいね、残された人や周りの人が困らないようにね」
    と淡々と言われた方が思い止まるかもしれない、
    と考える自分もいる(不謹慎ですかね?やっぱり)。

    死ぬまでに特別にやっておきたいこと?
    私も考えてみたけど、これといって思い浮かばなかった。
    やったことないこといっぱいあるのに。
    身辺整理は自殺するつもりがなくても普段から必要かも。
    いつなにがあっても周りの人が困らないように。

  • 一気読み。後味は良いような悪いような。よくわからなかったです。

  • 山田○介みたいなトンデモ設定なのでハズレかなと期待せず読んでみました。
    象とか夢の話が出てくるので、哲学的な話かと思ったら、そうでもない。
    なんか不思議で、でもちょっと期待が持てるような(持てないような)結末で、私は好きな話。
    最後の犯人は別になくてもいいような気もしました。

  • 設定に興味を引かれ買いました。
    途中まではとても面白かったのですが、最後がよく分からなさ過ぎて(あまりにも現実離れしていて)かなり消化不良でした。
    キリコの告白が自分の中ではピークでした。

  • 国の制度が変わり、自殺者の相談に乗り、自殺を阻止するセンターができた。
    相談者と5度の面接を行う。
    その後、どうしても気が変わらない場合、自殺することになる。
    大体の悩みがお金らしいが、今回の相談者は違っていた。
    自分の子供が殺されてしまい、生きる意味をなくしてしまった男だった。

  • インパクトあるタイトルに惹かれ。自殺をするためには自殺センターを通して自殺しなければならない世界のお話。センターを通さない死は遺族に罰則が下る。大きな伏線が敷かれていて最後にとける。終わり方はとても悲しい結末。話し合う時間が必要だったのに……主人公は果たしてどうなってしまうのか。どうなってしまったのか。2013/320

  • あれば行くかなー?
    でも勢いで行っても5回も面接されたら途中でめげるな。
    まあそう積極的に死にたいわけでも、ないんだよなー。

    読むうちにずっと考えてた。
    土井さんにこのまま死んで欲しいのか、それとも生きて欲しいのか。
    淡々と、傷を抱えつつ、もうだめだ、とひとつの選択をした彼を、
    そのまま苦しみのないところへ連れて行ってあげたい、
    という思いと本当にそれでいいのか?他に道があるんじゃないのか?という思いとが交差する。
    結局結末としては、大切な人の存在が、傷の存在よりも重いってことに
    気づくわけだが、そして、それが妥当な結論なんだろうが、
    じゃあ、これが誰も、何もなかったら場合は死んでもいいのか?とゆー話にもなるわけで。
    なんつーかよく分かんないんだが、言い方変だし、多分間違ってるんだろうけど、究極の贅沢って感じもする。
    なーんもかーんも放りだして楽になろうってこと、なんだろうから。
    実際にそれを選んだことも、選んだ人に関わったこともないから本当のところは分かんないけど。

    キリコさんのくだりが好きだったな。
    ああ、そーゆー関係性だったんだ、と。
    なんてゆーか、縁ってやつだよな。知らなくても、誰かの救いになってたり、とか、そうだったらいいなあって思う。

    あの変な宗教団体は気持ちわるかった。あの豹変ぶりが、言葉が通じない感じでキライ。なのに最後にもう一回でてくるんだから怖いなあ。
    でもこの人はそんなに悪い人にも見えなくて、なんかもやもや。
    でも、やっぱキライだけど。

    面接官さんは、飄々とした感ありつつも、実は懸命なところが好感。

    14歳以上になったら自殺するなら自殺センターに行かなくちゃいけなくて
    そうじゃない自殺をしたら周辺にもペナルティが、とゆー社会設定が
    おもしろいなあっと思った。
    まあ、実際、ホントにこんなことあるわけないが。
    でも、案外、法案通ったら受け入れちゃうんじゃないか、っと思ったりもする。でも自殺センターつー名称はナシだよな、せめて安楽死センターとか?まあ、名称の問題でもないんだろうが・・・・。

    あとあのミックスサンドは食べたい、おいしそう。

    殺人鬼野郎はどこかで関係してくるんだろうとは思っていたんだが、
    まーさか最後の最後にでてくるとは。
    しかもお兄さんも殺されてたなんて、ショック!
    うう、許せんっ!!
    とりあえず、みんなの呪いがかかったようでざまーみろっと思う。
    いいお兄さんだったみたいなのに、なんて悲劇的なんだ~!!
    全然納得がいかないぞっ!

    悠理さんがまだ殺されてないことを切に希望。
    多分、苦しいのも悲しいのも消えることはないんだろうけど
    願わくば、2人がそれを抱えつつも一緒に歩いていってくれることを。

  • 土井洋介は自殺を希望して自殺センターに通い始める.センターでは5回のカウンセリングで希望が叶えられる段取りだ.洋介は妻・悠里と長男・祐樹の3人で暮らしていたが、妻と長男が刃物を持った男に襲われ長男は死んでしまった.カウンセリングで担当者から止めないかと何度もたずねられたが意思を通す.自死通知書を赤紙と称しているが、最後の段階で悠里から赤紙が届く.終わりは少しバタバタした感じだが、面白い発想から生まれた物語だ.

  • ラストは若干ファンタジーちっくだけれど、そこまでは様々な伏線が張り巡らされている。え、そこも複線だったの!?ってことがしばしば。

  • 新潮エンターテインメント大賞受賞作
    生きる気力をなくした男は自殺センターへ…読後感悪い

  • え~っという終わりだった。

  • タイトルはそのまんますぎますが、かなり好きな作品です。
    自殺しようとしている夫のもとに妻から赤紙が届くあたり、びっくりな展開でした。
    最後の最後はめっちゃ悲しい結末で、それがもどかしい。
    途中でハッピーエンドになってほしいとどんだけ思ったことか。
    後半駆け足で読んでしまったので、もう一回読みたい。

  • 紅葉街K3さんが良かった。
    「自殺センター」有ったらイイのに…。

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紅葉街駅前自殺センターの作品紹介

息子を通り魔に惨殺され、妻とも別れ、生きる気力をすっかり喪った男はそのセンターに足を踏み入れた。再三の説得にも意思を曲げず、淡々と自死への手続を進めていく。そのころ街では、「切断魔」と呼ばれる連続殺人鬼が凶行を重ね続けて…。第8回新潮エンターテインメント大賞受賞作。

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