IOC: オリンピックを動かす巨大組織

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103334910

感想・レビュー・書評

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  • 「黒い輪」からのIOC関連本。猪谷さんはまだIOC名誉委員でもあるし、悪口は書けない立場だろうという前提で読む。それでも滲みでるIOCの魑魅魍魎ぶり。サマランチの独裁。さらっと「機嫌を損ねたサマランチ会長は、それから2〜3年、私のことを無視した。公式の場ではともかく、プライベートでは一切、口を利いてこなくなったのだ。」などと書いてある。怖っ。
    内部の方の本なのでこれだけではIOCの全貌はわからないが、他の本とあわせて読めば怖さ?倍増。

  • およそ30年にわたりIOCの委員として活動していた著者が、オリンピックの裏話をたっぷり綴っている。サマランチ元会長の功罪もそうだが、ロサンゼルスオリンピックをきっかけにして商業路線となっていった話が興味深かった。

  • 読了。東京招致に向けて今だからこそ読んでみた一冊。オリンピックという巨大組織の内情とIOC委員というテレビの中の人達について描かれる。予想以上に俗人的だな、という感想とテレビやマスコミ・スポンサーとの関係など面白い。

  • 猪谷千春さんは、IOCの委員を30年務めてきた人である。
    その経験から、内側から見たオリンピックの功罪や、IOC委員の活動について、説明している。

    報道されないIOCの活動や、84年LAのオリンピックから12年のロンドンオリンピックまでに変革の歴史が掛かれていて、特にオリンピック開催都市決定の裏話やドラマなど知らない事が書かれていて楽しく読むことが出来た。

    驚いたのは、彼の活動を経済的に支えていたのはJOCではなかったと言う事。
    これでは、意欲や能力があっても、裕福な人でないと活躍できない。
    以前ソルトレークシティの事件の頃にニュースステーションに出演した時に偶然見たことがあったが、高潔な人柄なんだろうと思っていたが、経済的な背景は非常に重要だと思う。

    反面、国際的なコミュニケーションスキルの素養や、英語等の語学力が低い為に、国際競技団体の会議などに出席してもコミュニケーションが十分に出来ず、発言せずに出席するだけであったり、話を聞いている時に目を閉じて、腕組みしながら聞いていると言う日本では話に集中していると言うポーズも、国際的には「寝ている」と判断されて評価を下げてしまうなど、日本人が国際的な競技団体で重要な地位につない原因を具体的に書いている。

    著者自身が、アメリカの大学で学び、AIGで仕事をする事で得た国際基準がIOCの仕事で役立ったのだろう。
    スポーツに限った事ではなく、少なくともこれから社会に出る人は、英語を筆頭に、複数の言語が出来る事、国際的なコミュニケーションスキルを身につける事が必須だと伝えたいのだろう。
    直接的には書かれていないが、ヒシヒシと伝わってきた気がした。

    また、他国と比較してNOC(JOC)と国の関係が希薄な事、また国の対応も柔軟性に欠けていたり、他国を巻き込む様な戦略がない事など、日本の政治の悪い部分は、どこでも顔を出すと思った。

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