戊辰繚乱

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著者 : 天野純希
  • 新潮社 (2013年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103336617

戊辰繚乱の感想・レビュー・書評

  • 多少漫画チックなところも多いけれど、多少途中のキャラ変が過ぎるところもあるけれど、多少登場人物が多すぎるかなと思うけれど、いろんなところで関係者と出会いすぎだろと思うけれど、それでもいくつかの欠点を補って余りある壮大な幕末ラブストーリーであった。時は歴史の転換期、幕末。会津藩に身を置く鉄四郎はふとした偶然で出会った竹子と恋仲となり・・・という物語だが、前半の浮ついた調子から後半の目を覆いたくなるような惨劇への展開が、劇的な効果を盛り上げる。戊申の疫、という舞台設定も天野さんらしい目の付け所だ。やがて会津藩は破れ、すべてが終わり、体制が変わり、鉄四郎の人生も変わった。そこで彼が見つけたものは、それでもやはり新しい「時代」の到来だったのだろう。否が応でも「青嵐の譜」を思い出してしまった。天野さんはこういうのが似合う。記録よりも記憶に残る作品(笑)。

  • 幕府側会津藩士が、主人公。
    もともと、争いごとにも社会情勢にも疎い主人公だったが、同じ会津藩の女性に発破をかけられ、剣の道に邁進する。
    江戸勤めだった彼は、ひょんなことから、試衛館に出入りすることとなり後の壬生狼、新選組と懇意になる。
    鳥羽伏見の戦い会津合戦と愛する女性に会うために死なないと誓い、もがく姿は死生観をよく感じる。

  • 名前だけは知っていたのだが詳しくなく・・・。

  • 表紙に魅かれて手に取った作品。裏表紙の笑顔の青年に一目惚れしました。
    史実や戦の描写と言うよりも、主人公二人と新撰組・会津藩の人々との関わりに重きが置かれているような気がします。
    歴史上そこまで有名ではない二人が主人公なので、「一介の武士・女性から観た幕末/新撰組/戊辰戦争etc...」と言った感じの印象でしょうか。(竹子さんは『一介の女性』ではない気もしますが……)
    「実際は、主人公二人があの有名人と絡む機会あったのかな?」とは思いますが、私はさして気になりませんでした。
    歴史小説にしてはかなりとっつきやすい作品だと思います。(大河ドラマ等で戊辰戦争の流れがなんとなく分かっている人には特に。)

  • 普通な会津藩士が京都守護、新撰組と係わっていき、戊辰戦争へ、江戸で知り合った中野竹子と結ばれることなく、彼女の死、そして妹優子と生き抜く。
    八重の桜と何故かダブル。
    薩長の理不尽さはやはり目立つ、うまく立ち回る物が成功するのは、この名残か?

  • 会津藩士で新選組隊士でもあった山浦鉄四郎と娘子隊中野竹子のW主役。二人の視点で幕末から会津戦争までを書いているのでどのエピソードも割と浅い。此処まで浅い幕末物は読んだことがない。一番心に残ったのは著者が大学の後輩だったこと(笑)

  • 会津藩士の四男 山浦鉄四郎と
    江戸詰の会津藩士の長女 中野竹子の
    恋愛青春物語

    時代は幕末
    黒船来航、尊皇攘夷、公武合体
    日本がざわついている頃

    士気揚々と
    新しい日本を夢見る若者が
    たくさんいる時代

    でも、鉄四郎は高い志もあまりなく
    やる気もなくのんびり
    というか
    会津藩士だけど
    きっととても普通の男の子

    たまたま
    薙刀の達人の
    中野竹子と出会い
    唯一自信のあった剣で戦い
    竹子に負けてしまう
    その悔しさで試衛館に通い始める

    鉄四郎は
    きれいで強い竹子に恋をする
    なんでもない幸せを求めてる

    でも、時は幕末
    会津藩は時代に翻弄され
    会津藩士の子 鉄四郎も竹子も
    その流れに巻き込まれていく

    京都守護職 松平容保の
    上洛に伴い京へ
    京都では新選組に入り
    そして会津に戻り
    戊辰戦争が始まる

    鉄四郎の望みは
    竹子とまた会うことなのに

    かなしげな幕末恋愛物語

  • 時は、幕末。
    最後まで幕府軍として戦った会津藩。
    その会津藩の預かりとなり共に戦った新撰組。
    主人公である会津藩士の山浦鉄四郎は、新撰組の隊士でもあったので会津藩の動向とともに新撰組の人物たちも描かれています。
    政局に振り回されて、仲間と別れて郷土に帰ることもできず、戦い続ける鉄四郎。
    そして、彼が思いを寄せる女性、中野竹子。
    美しく、けれど男勝りな人。
    薙刀で政府軍と戦おうとした人。
    時々竹子さまの方の描写に移ることがあって、そのときには鉄四郎のいない会津の様子などが書かれています。

    会いたいのに、会えない。
    帰りたいのに、帰れない。
    連絡を取ることさえままならない。
    まして戦争の最中。
    手紙を出して相手に届くまで一体どれくらいの日数が必要だったのか。
    そういうことを思うと、時々書かれる二人の手紙の部分が切なく感じられます。
    届いた手紙を読みながら、二人はそれぞれどんな気持ちでいたのでしょう。
    ただ、その会いたいと思う一心が戦いの中での生きる希望になっていて、そこに二人の強さを感じます。

    恋愛小説なわけじゃない。
    武士の生き様を見るだけの時代小説というわけでもない。
    いろんな人のいろんな思いが混沌と渦を巻いていた時代の、うねりの中で人としての当たり前の幸せを叶えようとした人の物語といえばいいのか。
    日本のためにどうすればいいのか、そういう大きな視点で物を考えることも必要なのかもしれない。
    そのために命を懸けて戦った人たちはきっと立派なんだと思う。
    だけど、それとはあまり関わろうとせず、自分の身近にいる人を守ろうとしたその姿の方がかっこよく思えてしまいます。

  • 直前に光圀伝を読んでいたので、偶然ながら時代背景が割と近く、読むにあたり入り込みやすかった。
    幕末の物語って、あまり読んだことがないので、積ん読中の燃えよ剣を読まなくちゃ、と思った。

  • この時代の物語でありながら、現代的な軟弱気味な男子と、同じく現代的なツンデレのヒロインの恋物語を中軸に据えてはいるが、そのヒロインの名が名前が中野武子である以上、悲劇で終わるのは予め分かっていた。恋物語はツンデレものにありがちな男に都合のよい甘い展開で始まりながら、時代背景が暗い戊辰戦争なので、クライマックスはそれなりに盛り上げている。ただし、最近の戊辰戦争を描いたものとして、船戸の新・雨月があり、こちらの作者特有のドライな感覚で圧倒的な力量で描いた迫力には当然のことながら届いておらず、歴史ものとしても恋愛ものとしても、どちらにしても中途半端で終わった感が残念。それにしても、最近、戊辰から函館まで、余り今まで表舞台で語られなかった内戦ものを題材にするものが多いのは何故だろう。気のせいかな。

  • スピーディな展開でサクサク読めたけれど、読後の印象はなんだか薄い。

    むしろ、竹子から見た物語を読んでみたいと思った。

  • 会津藩士でありながら新選組に所属した山浦鉄四郎は、竹子に対して恋心を抱いていた。鉄四郎のやる気のなさを叱責しながら、いつしか竹子も鉄四郎を慕うようになった。そんな二人を時代の大きな波が翻弄する。恭順の意を示す徳川宗家の身代わりとなり、倒幕軍の攻撃対象となった新選組、会津藩。圧倒的な戦力を前に、会津藩では武士だけでなく婦女子も参戦する。薙刀の名手である中野竹子を中心とした娘子隊は、涙橋において倒幕軍と戦闘を繰り広げた。武士とは何か、武士の生きる道とは何か。「もののふの 猛き心にくらぶれば 数にも入らぬ我が身ながらも」

  • 「桃山ビート・トライブ」で評判なのですが、未だ読んでいません。

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    「普通に恋をし、子を生して、死んでいければそれでよかった。だが、幕末(じだい)はそれを許さなかった……。

    江戸に暮らす会津藩士、山浦鉄四郎。武芸も学問もそこそこできるが、努力と根気がやや不足。ある日、美しき薙刀の達人、中野竹子に団子泥棒呼ばわりされた瞬間、恋に落ちる。やがて新撰組隊士となった山浦は、京都から江戸、そして会津へ。竹子に会うため、刀と心を血で染めながら進んでいく……。書き下ろし青春歴史小説。」

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普通に恋をし、子を生して、死んでいければそれでよかった。だが、幕末はそれを許さなかった……江戸に暮らす会津藩士、山浦鉄四郎。武芸も学問もそこそこできるが、努力と根気がやや不足。ある日、美しき薙刀の達人、中野竹子に団子泥棒呼ばわりされた瞬間、恋に落ちる。やがて新撰組隊士となった山浦は、京都から江戸、そして会津へ。竹子に会うため、刀と心を血で染めながら進んでいく……。書き下ろし青春歴史小説。

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