イン・ザ・ダーク

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 62
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103351924

作品紹介・あらすじ

「高野聖」と高級デリヘル嬢連続殺人を結ぶ謎。倒錯の闇を描く警察小説。金沢の高級旅館で発生した絞殺事件。被害者は都内大手企業の女性課長、所持品は泉鏡花記念館のパンフレットだった。一方東京で殺されたデリヘル嬢も有名企業の社員ばかり。異様なことに犯人はどの事件でも長時間現場に居座っていた。捜査本部は女性刑事を風俗嬢に扮装させ囮捜査を決行するが……。男と女の魔境に迫るミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • いつもホラー一歩手前の何とも言えない薄気味悪さでグイグイと引っ張り込まれてしまう前川作品。今作もその点は同様で、最後まで一気に読めたのだけれど、読後は何だか消化不良。真犯人の正体が明かされる一本の電話の場面では、その正体に驚きはしたけど、その後の動機の肉付けとかが曖昧のまま片付けてしまっているし、囮捜査の必要性も感じなかった。あれだけ状況証拠が揃っていれば、囮捜査がなくても十分引っ張ってこれたんじゃないかと思うけど。刑事側のプライベートなエピソードもいまいち必要性を感じずに終わってしまった。

  • バラバラだった殺人事件がつながってゆく流れは、
    後半にかけて一気に縮まってゆき、面白い。

    ただ、殺害の動機がいまいち判然とせず、
    そのあたりの掘り下げも足らず、すっきりとしない読後感。

  • 法然隆三と晦美羽が連続デリヘル嬢殺人事件を捜査し解決する物語だが,法然の思考過程がよく描写されていると感じた.最初に殺された大友雪江.複雑な家庭環境が原因か,精神的に病んでおり尾崎悠人に掛かっている.当初は尾崎に疑いが掛かって,法然が何度も会って情報収集する.最終的に囮捜査で美羽が活躍し犯人を捕らえることができたが,その場面は面白かった.

  • 久しぶりに読む警察小説は前川裕にしてみたがこの作品は個人的にハズレの作品だった。前川裕の作品は結構、好きな作品が多いのでかなりガッカリ。もうちょっと深く掘り下げるような部分が欲しかったかなと思ったりする。期待をしていた作品だけにレビューがかなり辛口になってしまう。

  • #読了。初読み作家。
    都内で連続して高級デリヘル嬢殺人事件が発生。浅草署の法然と安中は捜査本部の応援に入るが、捜査は思うように進まない。そんな折、金沢で起きた殺人事件の被害者が、都内のデリヘル嬢として働いていたという情報が。。。
    ドロドロや狂気というのも違い、違和感や不気味といった感じ。あえてIQの高さをイメージさせ、そこと対比させようとしたのだろうか。普通というのはないのだろうが、あまりしっくりこなかった。

  • 各登場人物の闇の部分を抉り人間の危うさを表現していますが、売春行為を続けていた被害者の真意がよく分からないですし、真犯人の心情も全く理解出来ません。主人公のネトラレ願望も特に発展することもなくそのままで消化不良な感が否めません。
    また、ストーリーも真犯人が早い段階で捜査線上に浮かんできますし、二度の囮捜査もあっさりしていてスリルを感じられず、盛り上がりに欠ける展開で残念です。

  • デリヘル嬢連続殺人事件。
    東京の事件と金沢の事件の関連。
    金沢の30年前の事件との関連を追う生活安全課の刑事。
    犯人を追う捜査過程は詳しく語られていた。
    犯人心理と殺害方法との関連をもっと掘り下げて欲しかった。

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著者プロフィール

現在、関西学院大学理学部准教授・宗教主事。2010 年より日本聖公会京都教区ウイリアムス神学館非常勤講師。
著書『新約聖書解釈の手引き』(共著、日本キリスト教団出版局、2016 年)、『新約聖書の奇跡物語』(共著、リトン、2022 年)訳書E. ギューティング『新約聖書の「本文」とは何か』(新教出版社、2012 年)、R.カイザー『ヨハネ福音書入門―その象徴と孤高の思想』(教文館、2018 年)など。

「2023年 『今さら聞けない⁉︎キリスト教 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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