線路はつながった: 三陸鉄道 復興の始発駅

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著者 : 冨手淳
  • 新潮社 (2014年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103352716

線路はつながった: 三陸鉄道 復興の始発駅の感想・レビュー・書評

  • 三陸鉄道の旅客サービス部長が、東日本発生時の記録や2014年の全線復旧までの各所からの支援や自助努力等のエピソード、開業から三陸鉄道にいた著者の運転手時代等のエピソードをまとめた本。
    写真、地図や年表などが豊富で、個人的には著者が鉄道ファンということで更に共感(笑 でも、玄人向け単語が飛び交う訳でもなく、読みやすい文章です。

    あの震災の時に最前線にいた方の文章は、5年経った今でもなかなか心穏やかには読めません。(私は震災時は遠く離れた東京の職場にいましたが、テレビで見た現地の光景に心が凍る重いでした)
    あれだけの震災の後、直ちに再び列車を走らせると決断し、団結して事に取り組んだ姿勢は素晴らしいものだったと思います。結果的にはそのひたむきさが地元の人の勇気にもなり、マスコミも集めて遠くの人を呼ぶ力にもなったものだと思います。

    本文中の開業以来の旅客数や収支の推移の表を見ると、ほぼほぼ右肩下がり。病院が郊外に移転して乗客が減ったというくだりは、行政が何とかできなかったのかと思ってしまいますが、そんな中で頭をひねって取り組んでいる姿には心を打たれます。
    遠からず現地に乗りに行こう、と思わせてくれる1冊でした。

  • 三陸鉄道の旅客サービス部長が書いた、三陸鉄道復活の記録。
    すでに、様々なメディアで取り上げられ、あまちゃんの題材ともなり復興の象徴ともいわれる三陸鉄道。

    その現場に立ち、実際に幹部社員として復興業務に従事した当事者視点からの詳細な報告は、「さんてつ」「あまちゃん」などの情緒的視点からの記録とは別に、重要な記録として残されるべきものだと思う。

    現実にそこで起きた災害、事故の状況を、様々な観点から記録、評価し、起きて欲しくはないが、次に備えるというのが、災害対策の基本だと思う。

    それにつけても、いまだに何が起きたか隠蔽し、無かったこととし、一般国民の目から真実を隠し続け、それでも強引に再稼動を進めようとする原発の出鱈目振りには怒りを覚える。

  • 震災から3年かけての、三陸鉄道の復興記録。
    『あまちゃん』でのシーンを思い起こしながら読みました。
    全線開通にこぎつけるまでのさまざまなご苦労、そして全国のローカル線が抱える問題等もありますが、常に先を見据えた経営姿勢に頭の下がる思いでありました。

  • ◆鉄道マン奮闘3年の記録 [評者]稲泉連=ノンフィクション作家 東京新聞
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014041302000187.html

    新潮社のPR
    http://www.shinchosha.co.jp/book/335271/

  • 「あまちゃん」の舞台になった、三陸海岸を走る鉄道会社の部長さんによる奮闘記。あのドラマの終盤、東日本大震災で壊滅的な被害を受けながら、驚異的なスピードで鉄路を再建する様子が描かれているが、そのほとんどがあの日以降現場で実際に取り組んだエピソードを元に描かれていることがよくわかる。ちなみに、ドラマで使われた鉄道写真の一部は、この方が個人的に撮影したものが含まれているという。

    大震災以前から、三陸鉄道の経営は苦戦を強いられていて、その状況を打開するために観光集客を中心とした様々な施策に取り組んできた。そんな中に襲ってきた大津波は、鉄路を切り裂き、沿線の人々の生活をズタズタにしてしまった。震災からしばらくのち、社長さんがホームページ上で「我々の力だけで復旧できるのは全路線の3分の1、それ以上は国をはじめとする行政の力を借りなければ不可能」と声明を出していたのを思い出す。

    会社はフル回転で動き出した。国や県と粘り強く折衝し、経営形態を変える(鉄道施設の所有権を自治体に移管する)ことで復旧費用を捻出してもらう方向性を作った。一方で様々なグッズを販売し、震災被害を視察するツアーを組んで集客に力を入れた。その結果、3年というスピードで全線復旧つながった。

    震災から数日後、被害状況の確認をしていたところ沿線の方から問われたそうだ「三鉄、いつから動くんだ?」その問いかけが、是が非でも全線復旧させる、という思いにつながったのだという。3年かかってようやく答えが出た形だが、当然ここがゴールではなく、ようやくスタートラインに立ったに過ぎないのだろう。自分自身も今年こそ、三陸を辿って見たい。

    鉄道ファンやあまちゃんに泣いて笑った人はもちろん、あの日から3年の節目を迎えるに当たって、一人でも多くの方に目を通してほしいと思う。

  • 三陸鉄道旅客サービス部長冨手淳氏による三陸鉄道復活の記録と、自身の鉄道員人生を紹介しながら三陸鉄道の歴史を語ってくれています。
    (帯の文章より)
    車を降り瓦礫の中を海の方へ歩いて行くと「この辺りから海は見えないはずだが・・・・、えっ?」何もかも破壊されて瓦礫となっていたのだ。社長と私は瓦礫の中に立ち尽くした。まさに地獄の風景だった。

    東日本大震災当日からの懸命の復旧作業や、駅や橋げたの多くが流出してしまい廃線も危ぶまれた環境の中での社長の一声による震災5日後の部分開業など当時の様子がリアルに語られています。全国の方に読んでいただきたい本です。新潮社出版というのもいいですね。

    本書は冨手部長のやさしい性格どおり、全編を通して三陸鉄道への愛情に包まれています。一方で、復興後、人口減少が続く三陸での厳しい経営しなど、これからの課題も冷静な目で記されています。

    冨手部長を知っている方は皆さんご存知ですが、本当に鉄道ファンがそのまま社員になった方でエセ鉄道ファンの私にもいつもいろいろなことを教えてくれます。以前盛岡から宮古まで同氏の社用車に同乗させてもらったときは2時間以上ずっと鉄オタ話で盛り上がりました。

    来月三陸鉄道はいよいよ全線開通。ぞのお祝いの前にぜひ読んでいただきたい良書です。

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線路はつながった: 三陸鉄道 復興の始発駅の作品紹介

「あまちゃん」の愛した「北鉄」こと三鉄は、こうして蘇った! 東日本大震災で壊滅的な被害を被りながら、震災後五日目には一部で運転再開させた三鉄。瓦礫の中を走るローカル鉄道の姿は「復興の象徴」となり、NHK朝ドラの舞台として全国的にブレークした。多大な復旧費用に会社存亡の危機に晒されつつも、地元の熱い思いに支えられ、完全復旧するまでの激動の日々を綴った感動の手記。

線路はつながった: 三陸鉄道 復興の始発駅はこんな本です

線路はつながった: 三陸鉄道 復興の始発駅のKindle版

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