回想 太宰治

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著者 : 野原一夫
  • 新潮社 (1998年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103353089

回想 太宰治の感想・レビュー・書評

  • 太宰治に信頼されてた編集者の1人
    ノッパラさんが書いた太宰治。

    奥様美知子さんが書いた 回想の太宰治、
    愛人山崎富栄さんが書いた愛と死のノートも読みましたが
    なんだか一番太宰治の優しさが伝わった。

    たくさんの人に愛されてたんだなーと思う。
    何度も泣きそうになった。

    これ読んだら太宰治と飲みたくなる。

  • (2009.10.05読了)
    初版が出版されたのは、1980年5月です。太宰が亡くなって32年後に書かれたものです。
    著者は、1940年(高校二年)に先輩に太宰治の著作を紹介され、それ以来、太宰を愛読し、翌年の文化祭に太宰治に講演を依頼に、三鷹の自宅を訪ねている。
    それ以後、大学時代にも何回か訪れ、終戦後、1946年に新潮社に入社し、編集者として、太宰と付き合っている。
    この本には、1940年の太宰の小説との出会いから、1948年6月に、太宰と山崎富栄さんの遺体を収容し、遺体の身元確認を行うまでの、思い出のすべてが描かれています。
    「太宰治が死んだとき、私は25歳の若者だったのだが、その死の前のおよそ1年8カ月、それこそ3日に上げず、私は太宰に逢っていた。その時期私ほどに親しく太宰に接していたものは、ほかにいなかっただろう。その折々の太宰の肉声も、姿態表情も、不思議なほどの鮮明さで今でも思い起こすことができるのである。」(218頁)
    この本のほかに、以下に上げる、太宰に関する著作を書いているそうです。
    「太宰治 人と文学(上・下)」リブロポート、1981.12
    「太宰治生涯と文学」ちくま文庫、1998.5(「太宰治 人と文学」改題・合本)
    「太宰治 結婚と恋愛」新潮社、1989.1
    「生くることにも心せき 小説・太宰治」新潮社、1994.10
    「太宰治と聖書」新潮社、1998.5

    太宰がこの時期親密にしていた女性は三名いたことになる。妻の美知子さん。
    「斜陽」のネタを提供した太田静子さん。太宰治と太田静子さんの子どもの太田治子さんは、1947年10月に誕生している。太田さんのことは、「斜陽」の女性として30頁ほど書いてあります。この本を書くにあたって、太田静子さんに会ってお話を聞いたようです。
    三人目は、玉川上水に太宰治と一緒に入水した山崎富栄さん。山崎富栄さんについても90ページあたりに経歴が書いてあります。太宰と富栄さんは、富栄さんの友人の紹介で、1947年3月27日に知り合ったとのことです。美容院に勤めていたのが、太宰の身を案じて、美容院をやめ、太宰の秘書的な役割を務めるようになる。
    太宰と太田静子さんの連絡の仲介は、富栄さんが行っている。
    富栄さんは、眼鏡をかけていたのだが、太宰が「眼鏡をかけた女が嫌いだ」というので、太宰と一緒のときは眼鏡をはずしていたという。
    富栄さんは、太宰とあって、さほど経たずに、一緒に死ぬ約束をし、早くから遺書を準備していたようです。太宰は、結核だったのでしょうか、玉川上水で心中したころには、大分体調が悪くなってきていたのでしょう。
    太田静子さんが、1947年11月12日、太宰の子供、治子さんを生んだことを知った富栄さんは、かなりショックだったようで、太宰をだいぶ困らせたようです。
    しかも、子どもの名前に自分の名前、修治の一字を与えたことも気に入らなかったようです。太宰は、富栄さんに子供が生まれたら、修の字を使って名付けてあげると慰めたとか。(138頁)
    太宰と富栄さんが、遺書を残して消えた時は、野原さんも捜索に当たっています。6月19日の早朝、遺体が見つかり、川から引き揚げる作業も行っています。
    マスコミのカメラマンが、遺体の写真を撮ろうと押し寄せた時は、体を張って阻止したということです。遺体の確認にも立ち会っています。
    入水前に、青酸カリを飲んだようです。土手に、容器が残されていたようです。
    太宰のことがいろいろ書いてあるのですが、興味は、太宰のことよりは、女性の方に向いてしまいます。
    (2009年10月7日・記)

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回想 太宰治の作品紹介

旧制高校時代に太宰治を知った青年は、戦後編集者として再会する。生き急ぐような旺盛な創作活動から玉川上水への入水まで。積年の溢れる想いを、ほとばしるが如く綴り、人間像を鮮やかに甦らせた、貴重な書。

回想 太宰治はこんな本です

回想 太宰治の単行本

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