ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 228
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  • Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103353126

作品紹介・あらすじ

やわらかな記憶の連なりは、呼び起こすたびにその色合いを変える。東北へのバイク旅行。美術準備室でのできごと。そしてジミヘンのギター。二〇〇一年の秋からいくつかの蛇行を経て二〇一一年の春までをつなぐ、頼りなくもかけがえのない、やわらかな記憶の連なり―― 。人と世界へのあたたかいまなざしと、緻密で大胆な語りが融合した、記憶と時間をめぐる傑作小説。第一五三回芥川賞候補作。

感想・レビュー・書評

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  • 何気なく過ぎ去っていく景色、どうということもない思い出、ある時抱いた気持ち。
    そんな色んなものが重なり編まれ折り重なって自分がある。
    辛かった事、嫌だった事も丸抱えして愛おしむような感覚。
    滝口悠生色が一番強いんじゃないか。これが。

  • もっと情を増量した保坂和志といった感じ。それに、一応ストーリーもある。
    面白かったけれど、デビュー作の「楽器」には負ける。

  • 死んでいない者、よりさらに何も目指さず、落とさず、震災も挟んでいるがテーマに絡まず、記憶も曖昧になっていく。
    青春時代の思い出はクッキリとしていて、それなりに恥ずかしくて、そこから地続きの今があるんだけど、今の方がもやっとした感じ。むしろそのもやっとした感じを大事に確認してるかのような主人公の思考。
    成し遂げる、とか歯を食いしばって汗をかくとか、そういった方法じゃなくて、自分がそこにいることを丸ごと肯定しているよう。
    読了感も、やっぱりもやっとしてるのに、悪くない。
    不思議な小説。

  • ジミヘンはわりと好きなので、タイトルに期待して読んだのがいけなかったのかもしれない。
    この本に出合って、自分の苦手とする物語がなんなのかハッキリとした。
    青春時代に1人旅をして、その土地で出会った人がいて。という物語が好きじゃない。自分探し的なものもk苦手だ。しかも、それを回想してるなんてもっとキツイ。
    時系列の境目がぼんやりしている小説もあまり好きではない。
    ということだ。なので、読み進めるのが苦痛で何度も寝てしまった。こればっかりは、好みの問題なので仕方ないとしか言いようがない。
    -----------------
    初めての恋。東北へのバイク旅行。そしてジミヘンのギター。愛おしい日々の記憶は、呼び起こすたびにその姿を変える。2001年の秋からいくつかの蛇行を経て2011年の春までの時間をつなぐ、頼りなくもかけがえのない、やわらかな記憶。人と世界へのあたたかいまなざしと、緻密で大胆な語りが融合した、記憶と時間をめぐる傑作小説。第153回芥川賞候補作。

  • パープルヘイズ食ってんのか?

    ってな事で、滝口悠生の『ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス』

    ええ、勿論タイトルで借りましたよ

    それ以外に読んでみたいって理由は無いじゃろ!

    あぁ、勿論BGMにはジミヘン聴きながら読んだよ

    パーブルヘイズ食って無いのに、食った様な感覚に陥るでこの本(ヤク)は……

    もうね、こういった本ってのは純文学ってジャンルになるんかな?

    ラリって全く頭に入って来ん

    房子の事しか残らん(笑)

    じゃが房子はどうなった?

    じゃが、Fire はええよね♪
    わしも一番好きな曲じゃね

    どうでもええけど、ジミヘンで一番好きなアルバムは『Jimi Plays Monterey』じゃね

    2020年70冊目

  •  良すぎ。100ページそこそこしかないのに、読んでいるうちに時間を認知するにあたっての速度がわからなくなる感覚があって、つまり今このくらい読んだからこのくらいの時間が経っているだろうという見当というか、読書をしていると慣れで解るのだが、その見当がつかなくなる。

     作品内でも言及されているジミヘンの「フィードバックによる持続的なノイズが、ギターを揺すったり放り投げたり火を点けることによって変化する」演奏(演奏というのか?)を、小説にするとこうなるんだなというか、滝口悠生が小説にするとこういうテーマ性を帯びるんだなと思った。上記「 」内で書いたジミヘンの演奏(演奏というのか?)は時間、というか、あるひとまとまりの時の流れみたいなものに対してループさせたり変化を与えたりということなんじゃないんですかと楽器に対するすべての知識を持たないまま考えるが、(あるひとまとまりの)時の流れみたいなものにアプローチするにつけ、小説の中で「回想」とそこにまとわりつく(ふたしかな)焦点/ボケというように表現したのは、ゴイゴイスーとしか言えないし、やはりこのようにたらたら書いてみて思うのは「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」というタイトルがこの小説にバッチリバッチリだなということです。

  • 変な話だけど面白い。いつも変だけどなんか人生ってこんな感じだよな。断片的に思い出す不確定な記憶と現在の混ざりあい。

  • 途中まではフムフムと読んでいて結構面白かったんだけど段落7から話にのめり込めなくなった。ジミヘンもうまく活かされていないかな

  • いくつかのエピソードが語られる順番も、終わる唐突さも不思議な感じだが、主人公が思い出を想起しているのと同じように、読了後に思い返してしまう自分がいる。

  • 過去と現在 行き来する思い 。過去は思いとともに消えていく。あるのは、今だけ

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著者プロフィール

滝口 悠生(たきぐち・ゆうしょう):小説家。1982年、東京都八丈島生まれ。埼玉県で育つ。2016年、「死んでいない者」で第154回芥川龍之介賞を受賞。主な著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『水平線』などがある。

「2024年 『さびしさについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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