本屋さんのダイアナ

著者 :
  • 新潮社
4.16
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本棚登録 : 5328
感想 : 683
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103355311

感想・レビュー・書評

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  • この本は結構好き。

    大穴と書いてダイアナという名前。
    最初はこれはすごいとギョッとしたけど、子供ながら芯があってたくましく生きている姿に応援したくなる。

    ダイアナと父との再会もなかなかの展開。
    「感動の」再会にならないし、期待とは違うけどそれもまた人間らしくて味がある。
    ダイアナとティアラの強さが引き立っていた。

    ダイアナとは対照的に育ちの良い彩子。
    周りからは何不自由なく育ったように見え優等生的な彼女。
    期待される姿に葛藤する彩子も応援したくなる。
    特に大学入学後の話は気持ちがよく分かって、あの頃の自分が感じていた不安や、自分が何者でもないことへのヒンヤリした気づき、世界に丸腰で戦っているような恐怖を思い出す。

    大人になりかけのダイアナと彩子が、10年経ってようやくまた繋がることができそうな終わり方で、続きを読みたくなる。

    育ってきた環境が違うとなかなか相互理解は難しいけれど、小さい頃にもっと深いところで手を繋いでいれば、学や職を取っ払って心の友になれるんだろう。

  • 10年越しのダイアナと彩子の友情に涙がでました。全く違う家庭環境で育ったふたりを繋いだものが本だったというのがこれまた素敵でしたね。

    紆余曲折ある人生だけど、ここまで助け合い支え合うふたりの関係には目が離せませんでした。そして最後には自分の道を自らが切り開いていく様は読んで爽快でした。

  • たくさんの名作と織り交ぜながら、2人の主人公の成長を見守りながら読んだ。2人とも辛い出来事がたくさんあり、その度に、ずっとそばで守りたいけど守れないんだなと、親の立場として読んでいて辛かった。辛い体験野中でも主人公たちは自分で立ち向かい呪いを解いたところや、それをサポートするかのような都度出てくる名作たちの力に、本を読むって素晴らしいと改めて思った。赤毛のアンなど名作を読みたくなった

  • 表紙が可愛いからなんとなく手にとった本だったけど、予想以上に響く言葉がたくさんあった。
    何不自由ない家庭に育った彩子と、片親家庭で奇妙な名前を付けられた大穴。全く異なる家庭に育った親友の二人が、それぞれ違う環境に進み成長していく過程を追った物語。

    中学受験をして私立女子校に進んだ彩子と同じ境遇のため、中学受験の勉強中に母親に反発して喧嘩する描写にびっくりした。自分も全く同じことをした経験があり、彼女の気持ちが手に取るようにわかる笑。対して、大穴の自己紹介が嫌いという気持ちも痛いほど分かるし(自分も珍しい名前だったから・・・)、彩子の中学受験に対する思い「受験させて貰える上に当然の様にご褒美まで要求するなんて、いくらなんでも贅沢すぎやしないだろうか」には、ハッとさせられた。正直自分も母親の命に従って受験しただけで「受験させてもらえる」とはつゆほども考えていなかったから。。。

    この本の核は「自分の呪いを解けるのは自分だけ」という部分。周囲の押しつけや思いこみから勇気を持って羽ばたき、目を背けていたことに痛みを持って向き合えば、自分を解放できる。「私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ」という言葉に勇気をもらい、なんとも清々しい気持ちになれる一冊。
    作中に出てくる向田邦子や森茉莉のエッセイを読んでみたくなった。

  • 初の作家さん。二人の女の子が仲良かったのにちょっとした事でケンカ別れとなり、その後どうなるのか。

  • 女の子は強い!!ティアラさんの素敵な人生!考え方!
    ダイアナの真っ直ぐさ。
    彩子の弱さと強さ。
    この世に生きる全ての女性が読んで元気と勇気を貰える本だと思う。
    本が好きで良かった。私もキラキラ生きて行きたい。

  • 正反対な環境で育った女の子達の成長と心情が丁寧にかかれた作品。水商売を営むダイアナの母ティアラが、とても賢明な女性で、物語の後半で要所要所で子供達に大切なことを伝えているのが印象的だった。

  • 本当にすごいのは、ダイアナのお母さんだと、私は思いました。母は強し!

  • ・「人生には、待つということがよくあるものです。自分の希望どおりにまっしぐらに進める人はもちろんしあわせと思いますが、たとえ希望どおりに進めなくても、自分にあたえられた環境のなかでせいいっぱい努力すれば、道はおのずからひらかれるものです。こいうい人たちは、順調なコースにのった人たちよりも、人間としての厚みも幅もますように、わたしには思えるのです。」『アンの愛情』巻末 村岡花子さんの解説。
    ( ダイアナの父が渡してくれた本の付箋が貼ってあった箇所がここ)
    ・「あの頃は共感できなかった心情が手にとるようにわかったり、気にもとめなかった脇役が俄然魅力を持って輝き出すこともある。新しい発見ができるのと同時に、自らの成長に気づかされるのだ。」
    →再読のおもしろさはこれだ!

  • 女の子の友情のお話。すごく遠回りした人生だったけど、最後にはきちんと向き合える、とても心地の良い終わり方でした。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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