BUTTER

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著者 : 柚木麻子
  • 新潮社 (2017年4月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103355328

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BUTTERの感想・レビュー・書評

  • ミイラ取りがミイラに

  • 2017.07.20- 地区センター本

  • 木嶋佳苗事件がモチーフ。
    タイトルのBUTTERの意味を知らず読んだが、バター醤油ご飯を食べたくなり、銀座ウエストのバターケーキを食べに行き、カトルカールを作りたくなった。

    カトルカール:卵、小麦粉、バター、グラニュー糖全て150g レモン皮、バニラエッセンス、ラム酒

    「ランチのアッコちゃん」では物足りなさを感じたが、今回は内容も濃厚、一気に読んだ。面白かった。
    篠井さんがよかった。

  • 直木賞候補作

    執拗さ、いい意味での重たさを感じた。まず、執拗なほど調理、料理の描写が入れ込まれている。それからバターとそれにまつわる話も、事あるごとに繰り返される。実在の事件の被告に取材しているが、もちろんそれだけではなく、小説の主人公としての女性記者、それからその親友は、キャラクターや生い立ちなどの背景までしっかり描かれていた。被疑者の取材を通して、親友や周囲を巻き込んで、主人公(を含めた世間一般の?)のこれまでの価値観が揺さぶられる。被疑者のような女性としての行き方を、否定しても肯定してもいないと思うが、普段いかに女性の作者の本を読んでいないかが痛感させられた。男性や、男性を中心とした世間に対する女性、という構図が意識させられる作品であったからだ。
    著者の他の作品は未読だが、どの小説もこのように入念に、執拗に書かれているのだろうか。バターそれ自体の重たさ、濃厚さのようなものは、もちろん意図的に繰り返されていたのだと思う。やや、分量が多過ぎるような気もした。少し短くてもまとまった作品になるのかもしれない、とも感じた。もちろん、小説家ではないから批判する資格はないし、この小説は作者の力量が十分垣間見える、読んでよかった作品だと感じた。

  • 濃密、という言葉がぴったりの作品だと思います。
    460ページなので長編としては標準的なページ数だと思いますが、読み終えるのにそれなりに日にちを要しました。
    面白くなかったとかいうわけでは全然なくて、どんどん読み進めるタイプの作品ではなかったからです。
    とにかく主人公を含め、カジマナに翻弄される人たちの心情の揺らぎがリアルで、かつ重い。
    本書は個人と世間体といわれるものとの距離感の取り方もテーマの一つになっていますが、自身の常識、価値観と照らし合わせて読むとより心に響くと思います。
    柚木さんって読者の気持ちをぐらつかせるのがうまいですね。
    個人的には物語中盤、主人公の友人の女性が単身である行動を起こすところが読んでいて一番スリリングで面白かったです。
    ただ、それ以降はやや平板というか、心情の変化という意味では予想を超えるものではなかったかな。
    物語の展開自体はカジマナの復讐があったりしてそれなりに起伏に富んではいるものの、できればもうひと驚きさせて欲しかったと思いました。
    それでもこのテーマを描ききった柚木さんの勇気に敬意を表して、星5つとさせていただきました。

    それと、本書は装丁も素晴らしいですね。表紙の紙質もこれしかない!っていう手触りでGOODです。

  • 女性の友達関係を描いたもの。バターこってり。文字も詰まっているし、バターの重みを感じるので、意図して書いているのなら、私はうまく絡め取られてしまったよ。バターは精神的にも体質的にも弱いし(じゃあ、読むなって話ですけど)、バターがたくさん出てくるし、会話、心理描写に少々うんざり気味でした。『ナイルパーチの女子会』と『奥様はクレイジーフルーツ』を足してにバターをたっぷりかけたような作品かなあ。相変わらず、猪突猛進タイプの女性、真面目すぎる女性、歪んでいる女性が登場。オーバーだけれど、いそう。会話でどきっとすることがいくつかあったけれど(うまく捉えてて)、結局のところ、読んで圧倒されたというのはなかったかな。
    柚木さんは食材もの多いですね。グルメな方?
    最後だけは綺麗にスッキリです。

  • なんというか、読むのをやめられなくなってしまうという感覚で、一気に読んでしまった。登場人物の精神状態も歪んだり戻ったりを繰り返し、自分の感覚まで狂ってしまいそうな感触で、ちょっと酔ってしまいそうだった。(実際酔ってしまったのかもしれない)もしかすると、カジマナの周囲は時間や感覚や価値観が自然に歪んでしまい、それに飲み込まれるとなかなか大変な状況になってしまうのかもしれない。ひとの心が隠し持っている孤独、残虐、極端な自己肯定を目の当たりにしてしまうのかもしれない。正しいとか間違っているとかではなく、ひとの闇を見せつけられたような気がする。この闇は、特殊なわけでなくひとは誰もが持っているもので、わたしたちはその使い方を知らないだけなのかもしれないと考えて、少しぞっとした。

  • 自分の価値観に向き合う小説。主人公もその親友も傷つきながら立ち上がる姿が頼もしい。篠井さんが魅力的で、その存在感が大きい。

  • +++
    木嶋佳苗事件から8年。獄中から溶け出す女の欲望が、すべてを搦め捕っていく――。男たちから次々に金を奪った末、三件の殺害容疑で逮捕された女、梶井真奈子。世間を賑わせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、梶井への取材を重ねるうち、欲望に忠実な彼女の言動に振り回されるようになっていく。濃厚なコクと鮮烈な舌触りで著者の新境地を開く、圧倒的長編小説。
    +++

    木嶋佳苗の事件にヒントを得てはいるが、木嶋佳苗の物語と思って読むと期待外れになるかもしれない。これは、木嶋に触発されて生まれた梶井真奈子に触れることで、押し込めていたものが濃厚なバターのように溶け、溢れ出して、自分というものの形を見失いそうになりながら、何とか立て直していく女性たちの物語なのだと思う。読みながら、時に苦しくなり、また時にはイライラし、そしてまた、鮮やかに想像できる部分もあって、人間の、ことに女の複雑さ底知れなさを思い知らされるような一冊だった。

  • 柚木麻子『BUTTER』

    首都圏連続不審死事件をモチーフとした題材をベースに
    依然として色濃く残る現代社会における男女の役割分担や女性の容姿体系に対する厳しい目線等のジェンダー問題をアクの強い登場人物の対話や内面描写を通して色濃く描く。

    また、描写媒体に"料理"を用いており
    題名にもなっているバターや様々な料理が本書460ページの中の至るところで登場し、それがとにかく濃く諄く濃厚を通り過ぎて酷い胸やけを起こす。 グラスフェッドバター入りの完全無欠コーヒーを飲んでシリコンバレー式の食事法を取り入れるよりも、この本を読みながらファスティングをすれば良いのではと思う程。

    なお、伏線回収の意味ではミステリ小説の色があるが事件そのものをメインテーマにはしていないため、読む人にとっては物足りなさを感じる可能性有り。

    北海道で脂肪を貯めこんでしまっている自分には丁度良い一冊だった。

  • 雑誌記者って職業は大変だ。
    取材対象の半生を調べ、自分がその人になってしまう勢い。
    主人公だけじゃなく、親友も半端ない。
    だけど里佳は殺人こそしないけど、梶井を超えた気がする。

    タイトル通り、とっても濃い内容だった。
    私は本当に美味しいバターを食べた事はあるのだろうか・・・

  • 実際にあった事件をモチーフとした
    タイトル通り濃厚でズッシリとした物語。

    【図書館・初読・7月1日読了】

  • ドロっとして、ねっとりして、濃い話だった。
    まさにバターでした。胸焼けする本・・・。

  • バターの油分にやられてなかなか読み進められず、やっと読了。こういう人側にいたら、毒気に当てられそうで逃げるだろうな。仕事なら近づけるかもしれないけど、それ以外はきつくてとても無理。でも男性を惹きつける女性ってやっぱり気になって目が離せないし、何でって思っちゃう。そうした女性の心理を暴いてくれて、なるほどなと思うところがたくさんありました。アッコちゃんシリーズは読みましたが、あのライトさは全くなくて人の内面をあぶり出してます。作者の新境地といえます。

  • 話題作だったので購入した。

  • 濃密な一冊。
    木嶋佳苗事件が下敷きになっている。
    週刊誌記者の町田里佳が、
    連続不審死事件容疑者の梶井真奈子(通称カジマナ)と面会を重ねるうちに
    影響を受け、翻弄され、変わっていく。
    周りの人との関係性という面においては、
    男性よりも女性の方が生き辛いのかもしれない。
    まったく〝生き辛さ〟を感じさせないカジマナと里佳の面会室での攻防は読みごたえあり。
    バターをたっぷり使った料理の描写も含めて、重くて濃厚で、
    フルコースを食べ終わったような読後感。満腹です。

  • 題名と表紙に惹かれた。酪農家で料理が好きで、女の友情にどこかで羨ましいと思っている自分に合ってる本だった。結婚詐欺の女と女性記者とのやりとりにハラハラしたり、共感したりして読んでた。

  • 木嶋佳苗!いたな、そんな人。後ろの参考文献見てようやく名前思い出した。そう…たしかに太ってるし美人でもないしなぜ?と思ったの覚えてる。
    事実を基にしてるせいかもしれないけど、半分ノンフィクション読んでるような感覚があった。

  • 「バター醤油ご飯を作りなさい」連続不審死事件の容疑者梶井真奈子。彼女に近づくため、主人公里佳は美食をしまくる!読むと胸やけしますが、やめられないおもしろさ。 P.N.必須アミノ酸さん

    OPACへ ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000089610

  • 本のカバーの手触りからもったりとしたバターの雰囲気が出ている。
    ページを捲ればこれまた濃厚な黄色のバター風味たっぷり…お腹が空いている時に読めば美味しそうなご飯の描写に涎が出る。
    中盤からはどんどん木嶋の罠にはまるようで苦しい…何が正解で誰が正しいのか。女が成功するためにするべき事や正しいことが何か、もう息苦しくて堪らなかった。
    自分の欲に正直に生きることは素敵だと言われるのにも関わらず、何故か欲望のままに生きれば批判される世の中。自分の思うように生きて行くことはなんて難しいことなのか。
    それでも沢山の傷を超えて人は強くなるし血となり肉となっていくのだなと読後に思った。

  • ちょうど読み終わったこの作品,今日の新聞を見たら直木賞候補になっていて驚いた。アッコちゃんシリーズの印象が強い作者さんなので,料理を餌にした家庭的な雰囲気で男達を餌食にしている婚詐欺師…ぐらいの軽い気持ちで読み始めたが。彼女に振り回され闇に引き入れられる周囲の人物

  • 単行本のカバーがしっとりしていて、butterを意識したと思われる装丁。

  • うわー、木嶋佳苗ときたか~~!!!
    「カジマナ」と呼ばれる被告を女性記者が取材し、彼女に翻弄されていく様はオソロシイ。ハンニバル・レクターか!?w

    そして、木嶋佳苗は支援者を通して、今もブログを更新中とのこと。支援者って・・・( ̄▽ ̄;)
    そういえばこの人、獄中結婚してたな~。あいかわらず、モテモテっすねw

    それにしても、出てくる食べ物の美味しそうなこと!
    ただ、七面鳥あたりになってくると、だんだんめんどくさくなってくるけどwwwww

    まぁ、なんちゅうか、満腹です。ハイ、お腹一杯で胸焼けしてますwww

  • 請求記号:913.6/Yuz
    資料ID:50087048
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

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BUTTERの作品紹介

木嶋佳苗事件から8年。獄中から溶け出す女の欲望が、すべてを搦め捕っていく――。男たちから次々に金を奪った末、三件の殺害容疑で逮捕された女、梶井真奈子。世間を賑わせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、梶井への取材を重ねるうち、欲望に忠実な彼女の言動に振り回されるようになっていく。濃厚なコクと鮮烈な舌触りで著者の新境地を開く、圧倒的長編小説。

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