芥川症

著者 :
  • 新潮社
3.13
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本棚登録 : 296
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103358718

感想・レビュー・書評

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  • よかった編
    「バナナ粥」
    今は元気だけど確実に老いる親を持つ身としては他人事じゃない話だった。しかし最後バナナ粥が不味いとなっているが、牛乳で煮て甘めのライスプディングみたいにすればよかったんじゃね?と思う。作者は料理しない人なの?
    「耳」
    作家の変態っぷりがよく書けてると思う。後味はよくないけど。こういう自分にしか分からない理由で人を殺したりする事件が現実にもあるから怖い。
    「極楽変」
    こちらもブラック。こんな医者いそうだ。近所の無愛想な町医者がありがたく見えてくる不思議。

    よくなかった編
    「病院の中」
    うーんー。「医者の説明責任」と「長生きしないことが幸せ」と。テーマは1篇に入れない方がよかったのでは?と思う。ブラックユーモアというか消化不良。
    「他生門」
    男の怠けっぷりは共感できるが「他生門」前に他人を眺めるだけって地縛霊みたい。こんなオチでいいのかなー。
    「クモの意図」
    超駄作!と思ったんだけど笑えるってレビューもあったから人はいろいろだなあと思う。しかしクモの意図がバイブって下らなくないか。
    「或利口の一生」
    すごーく悪いわけじゃない。でもすごーくいい話じゃない。ぼんやりした、皮肉な「利口」の一生。だからといってQOLを優先した治療方針を貫ける人は少ないと思うし何を言いたいのか微妙な話。

    総評
    レビューが高かったので期待して読んだせいか面白くなかった。こちらのテキストの読みが甘いのか。タイトルパクっただけで元ネタとは関係ない話も。比べちゃいかんのかもしれんが本家芥川の方が面白いよなーと。

  • 芥川作品に「相を得て」書かれた医療短編集。グロかったり、『おたんこナース』みたいなドタバタ劇だったり、けっこう多彩。
    「バナナ粥」のオチは良かったが、そんなにうまく話がまとまるかね? 短編だから仕方ないけど。

    久坂部さんの作品は『廃用身』しか読んだことがなかったので、そのイメージが強かったのに、正直がっかりー

  • 久坂部羊作品初読み。
    芥川作品に医療&介護要素を取り入れて小話にした感じの作品。「バナナ粥」のオチには爆笑w
    だけと基本的にはこういう作品はあまりすきじゃないです。。。

著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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