金魚鉢の夏

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 202
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103358916

感想・レビュー・書評

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  • 事件の真相も気が滅入りますが、近未来像が絶望的で読後感が悪いです。

  • 図書館で借りる。正直物足りない。
    設定が面白そうと思ったが、人物描写もなにもかも中途半端と感じた。残念。

  • なんか駄目でした。
    好感が持てる人がいなかった。

  • 設定はとっても好みですが、キャラの作り込みがあまあまな気がします

    残念!

  • 近未来日本の生活保護の無くなった社会。『希望の家』に自活できない人々は集められて、、、という設定。児童ポルノ、臓器売買、物品横流し等様々な事件が絡み合って、、でも着地点は良かったと思う。由希也君の将来が楽しみなのと蛍子がストーカーのようで怖い。

  • 表紙に惹かれて手に取った1冊。近未来ミステリ。
    樋口有介さんの本は初めて読みました。
    生活保護が廃止され、犯罪者も容易には刑務所には入れなくなり殆どが島流しになる、そんな制度になった日本でのお話。
    夏に読むのに合う1冊です。

  • 生活保護制度が廃止された近未来日本。生活困窮者たちが暮らす「希望の家」を舞台に起こる事件を描いたミステリ。
    はたしてその世界が幸せなのかどうかは疑問だけれど。現実の世界もどうなのか……生活保護のありようも正しいかどうか分からないし。破綻寸前なら、いつかこんな事態にならないとも限らない、のかも。
    ミステリとしてはちょっと中途半端な印象もあったのだけれど。たぶん、そっちがメインではないのかな。

  • 寡聞にして全然聞いたことがなかった作者さんなのですけど、タイトルに惹かれて手にとってみたら大当たりでした。読みやすいしどのあたりに着地点設けているのか掴めないから飽きずに読めた。結末にカタルシス求めるひとには物足りないかもしれないけど。

  • +++
    社会福祉の大胆な切り捨てで経済大国に返り咲いた近未来の日本。警察の経費削減で捜査を委託された元刑事の幸祐は、夏休み中の孫娘・愛芽と共に、老婆の死亡事件が起こった山奥の福祉施設を訪れる。単なる事故死で片づけるはずが、クセのある施設の人々と接するうちに幸祐の刑事根性が疼きだして…ノスタルジックな夏休みの情景に棄てられた人々の哀しみが滲む傑作ミステリ。
    +++

    生活保護が廃止され、刑務所の数が減らされ、北硫黄島への流刑制度などというものができ、消費税は廃止されている。北朝鮮は日本の三か所にミサイルを落とし、中国は沖縄に上陸しようとしている。そんな想像に難くない状況の近未来が舞台なので、それだけでわずかに戸惑う。そんな時代の福祉施設で老婆が階段から転落死した事故、あるいは事件の捜査にやってきた退役刑事の幸祐と夏休みで遊びに来ていて運転手を買って出た大学一年の孫娘・愛芽である。単なる事故で処理して、愛芽を草津温泉にでも連れて行こうという目論見は崩れ、次から次へと面倒事に巻き込まれていく幸祐である。高校に通わせてもらっている由季也と父の殺人を目撃して以来声を失った中学生の蛍子のこと、厚労省からきている所長の山本夜宵とのほの甘いひととき。なにもない狭い村の狭い人間関係の中で、これほどの事件が連鎖しているとは俄かには信じがたいようなことが、芋蔓式に暴き出されていく。真相はこのまま闇に葬られてしまうのだろうか。由希也と蛍子のこれからが心配になる一冊である。

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著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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