メタモルフォシス

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 284
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103361114

作品紹介・あらすじ

完全に奴隷の状態にならなければ見えてこない世界を見たい! SMクラブの女王様とのプレイを重ねるうちに、究極の快楽を求めるようになった男が見たものは何か? 表題作のほか、アナウンススクールの講師と生徒、奴隷と女王様、ふたつの世界が織りなす奇妙な交錯を描く「トーキョーの調教」。マゾヒズムの快楽に耽溺せずにはいられない男たちを描く中編二作を収める禁断の異色小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でジャケ借りしたら、すごい内容で驚いた。こんな世界もあるんだーと何とか読み終えることができた。

  • まさかのMもの。
    お昼休みに読み進めるものとしては相性が悪かった。
    しかし、その体験の先になにがあるのか…というのは興味が持てて読むのは苦ではなかった。共感はできなかった。

  • 私にとって初めての羽田作品。
    表紙に惹かれ、借りました。
    ……なかなかの内容。

    中編2話収録でどちらも“サトウ”という男が主人公で共通のSMクラブの会員(面識はなし)
    アブノーマル過ぎる描写が凄かったのと、改行が少なめでビックリでした。
    何故かそういうやらしい気持ちになることはなく、2人の“サトウ”の行く末を見守る気持ちになりました。
    とことんMな人ってこんなのなのね……という勉強にもなりました( ̄▽ ̄;)

    ※あくまで個人的意見ですが……エグめ描写が苦手な方にはオススメ出来かねます。
    また食事前後や外での読書にも不向きだと感じました(>_<)

  • 自分の輪郭を明確にするために意識下がこの世界に身を投じろと命ずるのだろうか?そこに何かの優越感や恍惚感があるのだろうか?それで日常は覚醒するのだろうか?触れたことのない世界を垣間見ることができたけれど、決して見たい世界ではなかった。歯止めの効かない高揚感が読んでてとにかく気持ち悪く、もしかしたらそこに社会病理が現されているのかもしれないが、残念ながらその表現方法も含めて何一つ共感することができなかった。
    しかしSMっていうのは本当にこんなに死と隣り合わせの世界なのですか??

  • 感想が書きたくてもう一度読んだ本。初めて読んだときは興味本位。
    『メタモルフォシス』
    プレイ中の死亡を至高の快楽として捉えていた主人公が、誰かの真似ではなく自分自身のマゾヒズムに気づく。一般人の無自覚な変態さを軽蔑するサトウの考え方に、何故か納得してしまった。
    『トーキョーの調教』
    プレイとアナウンス教室での武内愛子とのやり取りで、与えられた技術を駆使していた没個性から自分自身の個を見つけた?
    主人公の内面がとても丁寧に描かれていて、傍から見たら快楽の追求という俗物的なことなのに、神聖さすら感じました。

  • 芥川賞候補にもなったようで期待したがイメージとは違い、SMの話であり、主人公が自分を傷つけていくことをエスカレートさせていく。読んでいて気分が良くなるものではない。

  • 『メタモルフォシス』
    証券会社に勤めるSM愛好家サトウが富士の樹海まで追い続けたマゾヒストの境地。

    『トーキョーの調教』
    中堅アナウンサーカトウが目覚めるSMの世界。指名する女王様は自身のアナウンス教室の生徒。

    --------------------------------------

    性欲は人間の三大欲求のひとつだ。ただ、ここでの性欲は生殖に関わる性ではなく、SMプレイの性。マゾヒスト達の嗜好における性欲の話。
    金を払って女王様に調教してもらうプレイ。誰にも迷惑かけてないし(野外露出は公然わいせつだけど)、誰も傷つけなくて(自分のことは傷つけるけど)、偏見を持たずに見れば紳士的な嗜好なのかもしれない。

    死んでもいいくらいに好きなことを見つけられた人生なら、それは幸せな人生だといえる。

  • 好みの物語ではなかった。題材そのものに嫌悪感はないのだが、あまりにもソレに偏りすぎており、官能小説のようで、そういうものが読みたかったわけではなかった為。あくまでも好みの問題。二つ目の物語が特に、理解できない自分に嫌気すら覚えた。
    何となくで読んでみたが、読み進めるのが苦痛なタイプだった。残念。

  • この人、テレビタレントとしては異色で素晴らしい道化を演じるのだけど、小説はやっぱり性に合いませんでしたわ。

  • 『変態めが。』で吹いた。

    面白いし、緊張感あるし、知らない世界を垣間見る事も出来る。

    ホントに Metamorphosis だし。

    「読書の楽しさってこういう事なんだよー!」
    って叫びたい感じ。


    芥川賞選考委員さまが推せない事はわかりきっているこの内容の本作を芥川賞候補に入れちゃう訳だよなー。

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著者プロフィール

1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞しデビュー。「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞。『メタモルフォシス』『隠し事』『成功者K』『ポルシェ太郎』『滅私』他多数。

「2022年 『成功者K』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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