イノセント・デイズ

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著者 : 早見和真
  • 新潮社 (2014年8月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103361510

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イノセント・デイズの感想・レビュー・書評

  • 放火殺人で死刑判決を受けた幸乃。
    彼女が生きてきた壮絶な人生が彼女と関わった人々から語られる。

    あまりにも辛い。
    幸乃を救ってあげたかった。
    彼女に生きる希望を持って欲しかった。

    周囲の人間がほんの少し勇気を出して優しさを持って幸乃に接していたら違う人生を歩めたかもしれない。
    でも結局は本人の生きる意志の問題なんだろう。

    ハッピーエンドにして欲しかった。
    残念・・・

  • 死刑囚の1人の女。彼女は元交際相手の妻と双子の娘の住むアパートヘリコプター放火し殺したとして死刑判決を受けた。マスコミは彼女の過去の生い立ちや犯した罪を面白おかしく書きたて、凶悪な女として報道した。しかし、彼女と関わった様々な人の視点から彼女を見ていくと違った側面が現れてくる。死にたがっている彼女は死刑判決に控訴もせず、受け入れる。しかし真実は違うところにあるのだった。
    彼女の生育歴や周りの自己利益のために振る舞う大人や自己保身のために本当のことを言えない友人。そうしたものを全て自分のせいだと捉え罪を自分のものとしようとする。あまりにも不幸で読んでいて辛く悲しい。

  • ずっと気になって読みたかった本。
    結局慎一は江藤親子の罪を告発してくれなかったのか?
    なんか死にたがっていた幸乃自身は死刑になって死ねてよかったのかもしれないけど、どうにも納得いかない終わり。
    でもこうやって冤罪は生まれてたりするのかな。

  • 2015年の日本推理作家協会賞の二作品のうち一作品なので。

    面白くない訳ではないが、いまひとつ。
    マスコミが流す放火殺人容疑者の情報と、
    実際の知り合い、家族、同級生から見た姿の乖離を描くという設定は面白いのだが。

    容疑者が無実なのは早々に予想がつくし、
    探偵役かと思われた翔は、弁護士の支援団体活動という納得のいかない形で戦線を離脱するし、
    刑務官を登場させておきながら、その視点からの死刑囚の描写が弱いし、
    何かちぐはぐというか、ぶれているというか。

    幸乃を中心とした、遠近の過去の人や現在の人たちとのエピソードを同量で淡々と積みあげるか、
    ”丘の探検隊”にもっと重心をおいて展開させた方が良かったのでは。

    とはいえ、この3年の日本推理作家協会賞では一番ミステリーらしかった。

  • 第68回 日本推理作家協会賞受賞作。

     放火による火事で双子の姉妹とその母親、そして母親のお腹にいた子供が亡くなった事件で、父親の元交際相手である田中幸乃が逮捕され、死刑判決が下る。なぜ彼女はこんな事件を起こしたのか。

     まず、章のタイトルが「覚悟のない十七歳の母のもと」「証拠の信頼性は極めて高く」など、判決文の中の節で作られているのがおもしろい。これを読んでいき、それぞれの時代で一番幸乃と関わりの深かった人物の証言を聞いていくと、どれにもすべて裏事情があり、幸乃が好んで犯罪に手をそめたわけではないことがわかったり、時には完全な冤罪であることもわかる。しかし判決が下った後も幸乃はそれに反発しようともせず、静かに死刑執行までを待つ身となることを望む。それを知ったかつての仲間が、なんとか幸乃の死刑執行を止めようと動くが、結論からいうとその声は届かず、幸乃の刑は執行されてしまう。なぜ幸乃がもっと救われるラストではなかったのかと思うけれど、死刑回避こそがそれまでの幸乃の人生を否定することにもなってしまうのかと思うと切ない。

  • 読み進むうちにどんどん辛くなる。
    30歳という若き女性が、こんなにも死を望まなくてはならない人生を思うと胸がつぶされそうになる。
    何処かに救いはないかと思ったが、それも彼女の生きようとする思いには繋がらなかった。
    何を裁いたのか、心に重く残る。

  • これは…、なんともいえずつらいお話。イヤな話というのではなく、ただ、つらい。しばらく忘れられそうにない強い印象を受けたけど、良かったとか感動したとかとは言いたくない気持ち。

  • タイトルの「イノセント」に込められた2つの意味を、読み終わってもう一度考える。
    恋人にフラれてストーカーと化し、あげくにはその彼の妻と双子の赤ちゃんのいる家に火を放って死なせるという大罪を犯した主人公、幸乃。彼女のイメージはマスコミによって増幅され、死刑の判決も世間には当然のものとして受け止められる。
    だが、はたして彼女は本当に、死刑にされなければならなかったのだろうか? 彼女に関わった複数の人物を語り手とすることで、次第にその経緯と事情とが解き明かされていく。
    物語にグイグイ引きこまれ、あっという間に読んでしまった。早見和真を読むのははじめてだったが、ほかにも彼の著書をいろいろ読みたいと感じた。

  • 物語の展開を裏切るような、なんとも残酷な結末。
    映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に近い後味。

    それと同時にある出来事の真実に辿り着くことのむずかしさや、
    そうはいっても、単純化しないと理解できないわれわれの限界を突きつけられるような想いがする。

    作中人物(産科医)のある言葉がとても重みがある。

  • 目次に置かれた判決文の断片が、目次のページではそれぞれ意味をなしている。なのに読み進めると、実はそんな断片が何も本当のことは捉えていなかったということ、それが痛いほど心に迫ってくる。みんな自分のことばかり考えていて外に吐き出した言葉は吐き出された途端になんの責任も取られない。人生で関わった人々の投げ出していった気持ちを受け止めるしかなかった人は、いや受け止めることのできてしまった人は、そんな人々の罪を一身に引き受けるしかない。それは神のような行いかもしれないし、みんな少しづつ少しづつ受け止めているとすればみんな少しづつ神なのかもしれない。そんなことを考えさせられた。

  • 悲しすぎる生き様。主人公は全く共感できるところが無いのだが、不思議とグイグイ引き込まれる、、、んっ⁉︎
    帯にある通り、ラストにかけて、いろんな人のいろんな祈りがジワリジワリ〜⤴︎⤴︎⤴︎
    そして驚愕のラストを期待するも、スカされた感が、、、でも独特の余韻が、、、やられた(≧∀≦)

  • 本屋さんが推していたので読んだのですが、苦手でした。確かにイノセントだけど、イメージと違う…。主人公の周りの人たちに共感できる人がおらず、もはや何をしたいのかもよくわからず不満でいっぱいです。

  • 本人が死刑で死ぬことを願っている場合,冤罪を証明する方法はあるのだろうか?幸乃の加速する不幸はもう彼女が望んでいるとしか思えない.慎一にしても,あの時勇気を出せば状況は変わっていただろう.今更遅いが,それでも理子のような人間よりはよほどましかもしれない.最低な人間ばかりを周りに呼び寄せる連鎖,読んでいて暗くなった.

  • イノセントデイズ、まさにこの物語の主役、「幸乃」の人生そのものだと思います。多少の汚れをまといながら人は生きていくものなのに、まっさらすぎて、それが眩ししくて関わる人は惹かれると同時に恐れるのかもしれません。そしてその白さを汚して満足しては後悔する。重たくてつらいけど読み応えのある本でした。

  • 女性死刑囚。
    誰かに必要とされ、そこから裏切られ、生きることよりも、死ぬことを選んだ。
    幼少期のいじめや人間関係が大きく影響しているのか。
    執行間際に必要とされたことは、彼女にとって救いだったのか、報いだったのか。

  • 読み始めはすごく面白そうな予感がしたのに、読み進めていくうち幸乃の理解者?理子のあまりに馬鹿げた行動に(崇拝している見た目は美人な不良、皐月のいいなり)嫌気がさして途中でリタイア。

  • 一体何を読まされたのか?とまず思った。死刑囚を救う話なのかと思えばそうではなく、スッキリもせず、死刑制度を問う話なのかな?何が書きたかったのかよく読み取れなかった。死刑囚は死にたがっているし、関わった人たちはみな真実の姿を知っているくせに助けたいよりも関わりたくないばかりだし、結局間に合わないし……彼女が大事に守ってきた人たちこそが彼女を重荷に思っているであろうことが辛い。でも彼女にとっては一瞬必要とされればそれでよかったんだろうな、もやもやもや……せめてラストの報道が真実が明らかになったとかの内容だったら登場人物たちのこれからを思っていろいろ考えられたのに……

  • 読んでいてずっと辛かった。生木を裂かれるように感情がヒリヒリし続けた。それでも救いはきっとあるのだと信じながら読んだ。なぜ人は他人を救うことができないのか。それとも救済とは自己満足なのだろうか?人間の無力さを実感させる本だった。懸命に救いの手を求めながら読みつづけた。

  • 「死ねばいいのに」で殺された子を思い出した。周囲の人間関係が面白かったけど、少年期の慎ちゃんがあいまいなのに後半そうなの?ってのと翔ちゃん、浮きすぎで二度目の面接でえ?それ言う?ってところは残念なくらい設定甘かったかなぁと

  • 刑が執行される前提のお話だと予備知識はあったので、ひたすら暗い話かと思ったらどの章もグイグイと引き込まれる展開でした。
    幸乃を知る人物たちの回想を見て、生まれてきてすいませんの言葉が出てくるほど彼女が人生のすべて絶望しているとは思わなかったけど、大事なものほど失いたくない気持ちは分かる……かな。
    とにかく死刑になりたかった。の満願を他人に託し、関わった人たちに消えない傷を残した幸乃の自分勝手さが際立つように思います。歯車が噛み合ったように死刑台に登ったように見える感想が書きにくい切なさが滲む。

  • 彼女の生い立ちを考えるとこの結末に行き着くのは致し方無く思う所も無くはないけれど、所詮は都合よく人の手を借りた自死を願う話。
    直前に読んでいた本に列挙されていた世界に今日も数多ある理不尽な死を思えば、作品を通しての死生観とか哲学とかは皆無だった。

    個人的にはこの程度の話、地獄とも思わない。

    ただ、いちミステリーとしてならば、なかなか秀逸な作品。

    が、やはり好みではない。

  • 女性死刑囚が、どうして死刑になったか、
    関係者との関わりや本人の過去を描きながら
    たどっていくのだが
    とにかくつらい
    こんなにも負の連鎖が連鎖を呼んでしまうなら
    彼女のようになってもおかしくないのだろうか
    あきらめることでしか生きていけないのかもしれない
    いや
    生きていこうとはしていないから
    なおさらつらい…
    そして
    やはり死刑というものについて考えてしまう…

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イノセント・デイズの作品紹介

「整形シンデレラ」とよばれた確定死刑囚、田中幸乃。その女が犯した最大の罪は、何だ? 殺されたのは三人だった。幸乃の元恋人だった男の妻とまだ一歳の双子の姉妹。なぜあの夜、火は放たれたのか? たったひとり、最後まで味方であり続けようとする男。なぜ彼は、幸乃を信じることができるのか? すべてを知らされたときあなたは、真実を受け入れることができるだろうか? 衝撃指数極大値。圧倒的長編。

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