カエルの楽園

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著者 : 百田尚樹
  • 新潮社 (2016年2月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103364122

カエルの楽園の感想・レビュー・書評

  • 少し扇情的な部分もあるが、全体的に落ち着いたトーンで描かれていた。賛否はあると思うが、いろいろ考えさせられる作品。

  • 別にこの小説を読まなくとも『正論』『HANADA』等の保守系雑誌を読めばいいのだ。登場人物の名前を変えた本文がそこにある。それで十分だ。いわゆる「普通の日本人」の思考を知りたい人は図書館で借りてみるといいだろう。これは詰まるところ、動物寓話の体を取ったアジビラに過ぎない。「現実」は作者と想定された読者の見たもの、見たいものだけを抜き出された切り貼りであり「現実(とそうとする認識」に苦しめられる人々は存在すら無視されている。「楽園」なのは当然だ。「地獄」と思う人はいないことになるのだから。

    現代の日本を風刺したというなら、もう少し多角的な見方ができないものか。この小説で風刺されているのは「作者と彼に共感できる人の見ている日本」であって「作者とは違う視点を持たざるを得ない人の見ている日本」では決してない。例えばLGBT、在日外国人、原発事故の被災者、障碍者、貧困層、女性……それらの人々にどう今の日本が見えているのか、作者が対話を試みているとは到底思えない。それどころか、それらの人が存在することすら作者の目には入っていないか、入っても極めて歪な像になることが伺える。わずかに登場する、それらマイノリティたちは一様に愚かで狡猾な存在として描写される。まるでヘイトスピーチ草稿のように。三戒(憲法九条)擁護を訴える面々が悉く愚かしく卑怯に描かれる作中で唯一、清々しい真面目キャラは陸海空自衛隊の擬獣化であるハンニバル三兄弟だ。彼らは実に誠実な善人だ。他の蛙たちから離れた場所でひたすら鍛錬に励み、批判的な風潮にもめげず、ウシガエルがやってくれば武力行使も辞さず戦う。自衛隊に夢を抱くのは結構だが、その一万分の一程度でも、仮にも国民的ベストセラー作家なら、マイノリティの置かれた状況への真摯な考察を持っていただきたいものだ。

  •  映画『永遠の0』『海賊とよばれた男』の原作者が、これからの世代に問う寓話です。寓話とは、教訓または風刺を含めたたとえ話。動物などを擬人化したものが多い、というけれど、はたして、この本の「アマガエル」「ウシガエル」「ナパージュ」「デイブレイク」「ハンニバル兄弟」「三戒」は何を意味しているのか。トランプ大統領に代わって、日本の将来を考えさせてくれる1冊です。
    (カウンター担当/五重の塔)

  • 悲しくなったけどいかに本質よりも周りの声や都合のいい解釈に振り回されてるか実感する。

  • ツチガエル達が声を揃えて戒律を守ろうとする姿が、不気味で滑稽に見えるけれど…
    これを日本社会として考えて、この戒律を憲法9条と考えたら、また考えは変わってきますね。
    私はこの中でいうと、オタマジャクシのいるメスガエルなのかな。
    この問題に正解はないよなぁ。
    みんなが平和についてもう1度考えることが大切なのかな。
    この作家さんのお話は読んだことがないし、この方の発言等は勉強不足で何もしらないので何とも言えませんが…。
    まぁ、あくまでもカエルのお話としてだけ捉えたら面白いですね

  • 政治は宗教化してはならない

  • 比喩があまりにも直裁的なため、比喩にもなっていないが、百田尚樹の朝日新聞に対する憎しみが感じられる。しかし昨今では日本人はもちろん外国人も朝日新聞等が捏造した自虐史観的な考えが間違いだと気づいてきているし、スチームボート(米国)を追い出すこともないだろう。ただ沖縄だけが、ウシガエルやエンエンのカエルの策謀に乗りかかっているのだけが心配だ。

  • ・ことの本質を突き詰めず、波風を立てずに過ごす
     ことの無意味さを感じる
    ・登場者を様々な現実のものからたとえて、現在の
     危うさと自分たちの立ち位置を教えてくれている 
     ところは興味深い。
    これをもとに、自分の頭で考え、私たちはどう取り
    組むべきか。

  • 風刺小説。作者の作品には娯楽性を期待してたのでつまらなくて途中で閉じた。

  • 「また百田さんが何かやらかしてる」みたいな評判を聞いていた本。登場人物それぞれが示すものが一覧になったネタバレサイトを片手にフンフンと読み終えた。今の日本が抱える危機を警鐘しようというのは分かるし、「中国とは今どんな関係なんだっけ」とか「あの人が朝日新聞嫌ってるのってこういうことか」とか改めて認識する機会は設けられたんだけど、百田さんの「オレが代弁してやる」感がどうしても鼻についてしまって何とも…。それが平和ボケなんだと言われたらそれまでなんだけど。永遠のゼロみたいな話がまた読みたい。

  • 読破後にいろいろと考えさせられる一冊。

    いまの日本と憲法9条を風刺しているのだろう。

    人にはそれぞれの考え・正義を持つが
    「正義は勝つ」という言葉がいかに綺麗事か思い知らされる。深い。

    文章は読みやすかった。ハッピーエンドだと思って読んでるともやもやするかも?

  • 現代日本をカエルの社会にした風刺小説。

    もっと寓話的な物語を想像していましたが、かなりストレートなメッセージ性のある小説でした。
    ナパージュやわしはすぐわかりましたが、三戒は三原則ではなく九条の方ですね。
    この物語とは真逆の風刺漫画を昔読んだような記憶があり、それでは平和ボケした能天気の国民たちが侵略者たちを受け入れて侵略者たちが能天気になっていって平和が続くような感じなものだった気がします。
    いずれにしても、海外の国々との付き合い方を問うているという点では評価できますし、作者の考え方を鵜吞みにしないように注意して読む必要があると思います。
    ただ、戦争の是非や人種間の付合い方を深く考えさせるには、先に読んだ中脇さんの「世界の果てのこどもたち」の方が文学的には優れていると思います。

  • なるほど。怖い話でした。

  • 風の中のマリアのような話かと思ったので驚き。
    寓話調の愚にもつかないプロパガンダ小説だった。
    Japanを逆さましたナパージュ国のカエル達は黒船の国米国のステームボートワシに守られ、朝日新聞のデイブレイクが不戦を説き、筆者自身らしいハンドレッドが冷ややかに傍観する。カエル達の行動が滑稽に見えれば見えるほど日本の現状を危惧することになる、という仕掛けの本。
    これを発行した新潮社って、そういう主張の会社だったのか。

  • カエルの世界を描いているけれど、どの国をモチーフにしているか、登場人物の誰が、実在の誰をモデルにしているかはすぐに察しがつきます。

    いまの日本社会を、デフォルメして描き出したら、まさにこんな感じなのかもしれません。
    展開も結末も予想がつくけれど、それでも読まずにはいられない気がして、読み進めました。
    後味は悪いです。
    嫌な気持ちになる内容ですが、とても大切なメッセージが込められている作品だと思いました。

  • カエルたちが周りの敵たちから逃れながら楽園を探して…という体で描かれていながら、平和ボケした日本や憲法9条などを隠喩的に描いた作品。

    群衆心理とかそこまでひどくないだろうとも思えるけど、こんなものなのかもと思える内容でした。

    声の大きな人が影響力が大きいところなんて、今の社会でも当てはまっているし、描き方も巧いなぁと思うところも。百田尚樹自身はあまり好きではないけど、読んでよかったとは思う。
    後味は悪め…

    装丁と中の挿し絵のギャップがすごく、装丁の方が本の内容には合致するなと思う。でも中の挿し絵のほんわか具合に救われるところもあり。

  • 借りて読了。うん、これは凄い作品だな~って思います。ぐさぐさと突き刺さってくる。憲法9条と、日本。

  • 集団的自衛権の解釈変更前後の日本の世情をオマージュで描いた感じ。それぞれのオマージュが何を指すか、割とわかりやすく、言っていることは明白でした。逆に、世相を反映しすぎて、ストーリー自体に面白さはなく、割と退屈でした。あと、カエルの名前が覚えにくかったので、もっとわかりやすくしてほしかった。

  • 何の本なのかも分からず読み始めましたが、すぐ意図が分かりました。そして結論も・・・。ナパージュの国の「三戒」ネタだけで1冊もつのかしらと心配しましたが、たまに出てくる嫌われ者のハンドレットが気になってなんとか読めました。とにかくナパージュのカエルの会議が多すぎて私的にはまたかとイライラする感じが国政にイライラするのと同じ雰囲気を出していたのですかね。
    賢明な国民の皆様は「憲法9条さえあれば平和」ではないことくらい分かってはいるのでしょう。私はデイブレイクさん寄りではない方の新聞を読むのでそう思うのですが、国民全体だと百田さんがここまでくどく書かないと分からないのかと悲しくもなりました。

  • おたふく出勤停止中で1日で読了。時間があった以上に読みやすく小学生でも分かるような文体が選択されている。
    多くの読者に触れてもらいたい意図なのだろうけど、著者の思想が結末に反映されていて、穿って見れば、この作品自体が票集めの一環のように感じてしまう(穿って見なくても?)。
    作中で言ってわからない奴はどんな議論でも覆せていない様に、理屈じゃなく、自分の都合のいい解釈しかしない連中は存在し、政治家はその代表。その自分に都合のいい解釈しかしない者の数を決めるのが選挙。政治家同士の議論で、取引することはあってもどちらかが一方的に折れることはない。だから国民が議論を聞いてその代表者の多寡を選択することが必要。
    この本のメッセージが「自分で考えて判断するんだ、周囲や空気に流されるな」であるとするなら、この本とデイブレイクのどっちを鵜呑みにしてもいけない。誰が何と言おうと、選んだものに責任がある。
    「そこが嫌ならそこをでろ、それが嫌ならそこにいろ」

  • なるほど。日本のことなのね。読め始めてしばらくして気づいた。前情報がまったくなかったので、斬新な設定でびっくりした。面白い取り組みだし、日本について考える機会になるとは思うけど、いろいろ極端すぎて途中で疲れた笑。わざとそうしたのかな?

  • 「この世で本当の無知と良心的な愚かさほど危険なものはない。」

    キング牧師の名言で、書店で紹介されてたこの本がどうしても読みたくなって思わず衝動買い。

    衝動買いしてよかった。すごくおもしろかった!

    今の日本と日本を取り巻く環境を、あえてカエルや動物で例える見せ方が上手くてなるほどと膝を打つ。さらっとした文章だからこそ想像力を掻き立てられ、不安や疑問をよりリアルに感じられる。盲目的に三戒だけを普遍的に守ることが、果たして本当に正しいことなのか?

    良心的な愚かさとは、タチが悪い。
    良心的だからこそタチが悪い。
    無知なことも問題だけど、無知であることを自覚できてないことのほうが問題だと思う。
    そして多くの場合は無自覚である。

    せめて無自覚であることを自覚して、情報は偏らずに収集&判断し、行動しなければと思う。

  • 2017.1.15

    登場人物、国、思想などなど
    アレやコレや当てはめると今がわかるってやつ

    結局 答えは出ない

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