タカラヅカ・ハンドブック

著者 :
  • 新潮社
3.20
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本棚登録 : 115
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103364917

作品紹介・あらすじ

ヅカヲタ2人の最強コラボ実現! 創立100周年、宝塚の魅力を徹底解説! 男のいない世界になぜ感情移入できるの? 過剰なメイクや現実離れした芸名のワケは? 誰もが感じる素朴な疑問に全て答えます。他の舞台にはないスペシャルな魅力に満ち満ちて、観れば絶対ハッピーになる宝塚。きらめく愛と華やかな夢のつまった宝石箱のような世界への扉を開くガイドブック。まだ観ぬアナタも、首ったけのアナタにも――。

感想・レビュー・書評

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  • 「こじらせ女子」雨宮まみさんによるタカラヅカ愛あふれるエッセイ。宝塚ファン歴はまだ2年足らずという雨宮さん(本書刊行の2014年当時)が、それまでは「なんだか怖い」と思っていたのに、なぜ・どうやって宝塚にハマっていったのか、そしてヅカファンを自認する今、愛してやまないその世界と魅力について、存分に語っています。はるな檸檬さんの一コマ漫画も楽しくて、全体的に読みやすい。ていうか「入りやすい」。たしかに「なんだか怖い」イメージがある宝塚だけど、わかりやすくてオープンな一冊です。
    ちなみに宝塚ファンとしては雨宮さんよりも先輩だというはるなさんは、『ZUCCA x ZUCA』という漫画も出しているそうで、こちらも気になるところ。

    私もいつか観てみたい!と思っていましたが、念願かなって今年ようやく宝塚デビューを果たしました。(もちろん出る方ではなく観る方、ってあたり前か。)ファン歴の長い友人に誘われて。
    ハマった、とまでは言えないかもしれないけれど、たしかに「すごいものを観た!」という満足感でいっぱいでした。雨宮さんも言うとおり、まさに「極上のエンターテインメント」で、歌も踊りも衣装も素晴らしく、心を込めて丁寧につくられた舞台に純粋に感動したのです。

    「本物の男がいないのに、なぜ夢中になれるの?」
    これは私もかねてから不思議に思っていたことでした。
    「宝塚の舞台の上に立っているのは、子供の頃に憧れた少女マンガや少女小説、映画の世界にいる「理想の男」でした。性別としては男でないことは理解していても、その仕草、喋り方、所作のひとつひとつまでが男の色香に満ちあふれていました。想像できないほどの練習や訓練を経て、磨き抜かれた「理想の男としてのふるまい」を見せてくれている。そのありがたさに打ち震えました。」という雨宮さんの言葉に、「まさに!」と納得。そしてこの「男役のダンディズム」が、「現代日本では失われたダンディズム」であるというところにも、「まさに!!」と唸りました。

    「宝塚で、現実には存在しない理想化されたファンタジーとしての男性を観ることによって、現実ではありえない夢を見たり、現実の男性に理想を押しつけたりするのはおかしなことである、ということを実感できるようになります。」という雨宮さん。ここでもまたフムフム。現実の男は、どんなに素敵に見えても、カッコいいだけじゃないし、弱いところも、ズルいところも、情けないところもあるからなぁ…。そこがまた愛すべきところでもあるのだけれど。「夢は夢でいいんです。けれど、宝塚の舞台の間だけは、その夢をまぶたを開けたまま見ることができる。」本当に、そのとおりだと思います。宝塚ファンの多くは既婚女性、というのもなんとなくわかる気がします。生活感の漂う現実からしばし目をそらし、夢の世界に生きたいのかも。

    「全身全霊でその「夢」を演じ切って下さるタカラジェンヌのみなさんのお気持ちは、「愛」でしかない」という雨宮さん。そうだよねー、宝塚ってキラキラしていて、素敵な夢を見させてくれる美しい魔法って感じだけれど、その魔法にかかりたくて劇場にやって来る大勢のファンの期待に応えるために、演じる側は「本当の自分」を一旦封印して、別の名(タカラジェンヌとしての芸名)を名乗り、その人になりきるために、歌に踊りに日夜ものすごい練習を重ねているのだものねぇ。しかも10代後半から20代まるまる、そして30代前半という、たくさんのことを経験し、吸収し、成長する、人生でいちばんフレッシュな時期をすべて捧げて。本当に、ものすごいことだ。

    たくさんの女性たちが宝塚にハマる理由がわかりました。
    っていうか、やっぱり私ももうハマってるのか!

    • nejidonさん
      miwaさん、はじめまして。
      フォローとお気に入り、ありがとうございます。
      思いがけない本を本棚に見つけて、すっかり喜んでしまいました。...
      miwaさん、はじめまして。
      フォローとお気に入り、ありがとうございます。
      思いがけない本を本棚に見つけて、すっかり喜んでしまいました。
      実は私も宝塚の大ファンです。
      先月は【王妃の館】を観て来ました。
      都心まで電車で二時間超かかるのですが、何のそのでございます。
      一度でも舞台をナマで見ると、そのクオリティの高さにハマりますよね。
      本物の男子などいないことは、全然、全く、忘れてしまいます(笑)。
      たぶん、これからもずっと宝塚のファンでいることはやめないでしょう。
      あれだけ夢のある舞台を見せてくれる存在は、他に知りません。
      初めてなのに熱く語ってしまってごめんなさいね。
      これからも、どうぞよろしくです。
      2017/05/07
    • miwa aime lireさん
      nejidon さん、こんにちは。
      コメントをありがとうございました。
      宝塚のファンなんですね!「王妃の館」ということは、宙組がご贔屓で...
      nejidon さん、こんにちは。
      コメントをありがとうございました。
      宝塚のファンなんですね!「王妃の館」ということは、宙組がご贔屓でしょうか。私も、初めて観た舞台は、宙組の「エリザベート」でした。もうウットリ、観劇後しばらくは熱にうなされたようになっていました。
      けれども残念ながら、その後ナマの舞台を観ることができていません(涙)。他の組の舞台も観てみたいし、今年の夏こそはまた!と思っています。
      これからもどうぞ、よろしくお願いします♪
      2017/05/07
  • 初心者向けタカラヅカガイド。

    でも、初心者にはこの熱さは伝わらないだろうな(笑)
    初心者向けガイドというより、ハマったな、と感じたら読む本、そして、既にファンの人が知識の再確認をして、ふふふ、そうそうと微笑む本でした。

    挿絵的なマンガは、はるな檸檬さん。
    P77のマンガは、よくあるハマッた人が陥るキモチで、笑えました。

    著者はこの本が出版された2年後に亡くなっていて、若いのに残念でした。私も悠未ひろさんに早く気づけず、反省したひとりでした。

    ツンドク中の甘美なる作戦に挟まれていた新潮社の新刊紹介で見つけた1冊。

    ちなみにはるなさんのZucca✕Zucaはホントにおもしろいです。約10年前の作品なので、スターさんがやや昔の感がありますが、こちらは既にファンの人がやや自爆ぎみに爆笑する本…(笑)オススメです。



  • 2017.04.28

  • 雨宮まみさんの軽めの文章を読みたくて。

  • 親切で分かりやすい入門ブック。ただ、本気で宝塚に入門しようとしてる人にとっては情報量がちょっと物足りなかったかも?
    とりあえず、今年中には必ず本家の宝塚劇場か東京の劇場で観劇したい次第。

  • 宝塚歌劇団にはまるとどうなるか、あの派手なメイクや名前ってどうなってるの?など宝塚を知らない人への説明にはうってつけの本です。何より作者の愛があふれている。ただもうファンの人には既知のことばかりでものの20分くらいで読み終わるので、この薄さでこのお値段はちょっと割に合わないと思うかも。まあ私は人から借りたくちなのですが。

  • 雨宮節で宝塚の魅力をたっぷりと。はるな檸檬さんの一コマ漫画も相変わらず素敵です。うんうん頷きまくりながら読んだヅカオタ初心者でした。

  • 自分も同性を追っかけるオタクなので大変共感した。特に宝塚のスターさんに対する恋心を言葉にした「舞踏会で一曲だけ一緒に踊ってほしい」「この幸福でせつない気持ちが辛くなってしまった時、もしかしたら私は宝塚から離れていくかも」には首がもげるくらい同意した。

  • ローラ連載をまとめたもの。

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著者プロフィール

ライター。エッセイを中心に書評などカルチャー系の分野でも執筆。著書に『女子をこじらせて』(幻冬舎文庫)、『まじめに生きるって損ですか?』(ポット出版)など。

「2016年 『愛と欲望の雑談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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