れもん、よむもん!

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 617
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103365112

作品紹介・あらすじ

読書は希望だ! 『ZUCCA×ZUCA』の著者最新刊、自伝的コミックエッセイ。まさかの新事実、ヅカよりハマッた過去が発覚!? 江戸川乱歩に我を忘れた幼少期から椎名誠に恋した中学時代を経て、山田詠美に青春を救われて、なんとか「大人」になれた――。生きることは読むことだった、あの頃。〝ほんとうのこと〞が知りたくて本にすがった読書狂時代を独自のタッチで描く。本好き共感度100%の、新感覚な自伝。

感想・レビュー・書評

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  • 本をテーマにした自伝的コミックエッセイということで手に取ってみました。はるな檸檬さんの本を読むのは初めて。出だしは本人も方向性に迷っているのか、なかなか話が進まずどうにもまどろっこしい。でも、高楼方子さんの作品を紹介してきたところから徐々に面白くなってくる。高楼さんはまだ未読なのだが、檸檬さんが“少女期最大の衝撃作品”と言う「ココの詩」がすごく気になりました。マンガでの作品紹介ってイメージしやすくていいですわ。胸にぽっかり穴が空いたイラストが面白かった。
    思春期に突入し、中学~高校と、友人との出会いを通じて様々なマンガや小説に触れる檸檬さん。特に、高校時代に出会う親友・はるなちゃん(同じ名前だからややこしい)が、自分のスタイルをしっかり持った流されないコで、とてもかっこいい。山田詠美、吉本ばなな(当時の表記です)、村上龍…その頃読んだ作品が思春期の檸檬さんにどんな影響を与え、どんなことを感じたかが当時の思い出を交えながら描かれる。笑いながらも時々切ないです。自分の思春期やその頃の友人のことなんかも思い出しちゃってねえ。
    そして、はるなちゃんが読んで感動したという、アエラに掲載されたばななさんのエッセイがまたよくって!涙出たわ。「特に若い女の子に社会が要求することは、ほとんど超人になれというようなことばかり」というくだりにはものすごく共感。結構な長文らしいのだが、それを一字一句手打ちでメールしてきたというはるなちゃんもまた素敵だなぁ。そしてそのはるなちゃんがメールで「わたしはね、あの頃読まずには生きていかれなかった」と書いてきたとのことだが、その言葉はまんま自分にもあてはまるし、きっと同じ思いを抱いてきた人はたくさんいるだろう。そこでまた胸がじ~んとしたのでした。
    前半は☆3つ、後半は☆5つって感じだけど、始まりがユルユルだったからこそ後半が印象的だったかなというところもあり。私は東村アキコさんの自伝マンガで檸檬さんの存在を知ったので、檸檬さんにとっては姐御的存在の東村さんがちょこっと登場したのも嬉しかったな。
    巻末「れもん、よんだもん!」で、紹介した本の表紙をあえて手描きで載せているのもまたいいなと思いました。いくつか読んでみたいなと思うものもあり。10代~20代前半によく読んだ山田詠美や椎名誠の作品で読み損ねてたものも結構あったので、今からでも是非挑戦したいな。

  • 作者のはるな檸檬さん、小さな時から本屋に図書館に居るのが大好きだった。そんな子供の頃からの本への思いをマンガに。読書遍歴といか、時代時代によって好きな作家も変わり、日本の作家としては高楼方子、星新一、椎名誠、吉田戦車、吉本ばなな、山戸詠美、村上龍などがでてくる。

    私が、青春時代によく読んだ作者と言えば、北杜夫、遠藤周作、吉行淳之介、安岡章太郎、大江健三郎、庄司薫、五木寛之、団伊玖磨、丸谷才一、なだいなだ、達だが、名前を挙げているだけで懐かしい。

  • はるなさんの本への愛が溢れた、読書遍歴エッセイ漫画。後半に進むにつれてどんどんとはるなさんの学生時代の内面に深く入っていくようで、こちらもしっかり噛み砕いて読まないと、という気持ちで読みました。自分の内面を細かく棚卸しして、思いを言語化されているはるなさんがとにかくすごいなぁという尊敬の気持ち。自分も本が好きな方の子どもだったとは思うけれど、生きるために読んでいた、なんて大それたものではなかったし、ただ楽しみとしてしか接してなかったんじゃないかなぁ。きっとはるなさんならそんな本との接し方でも否定しないんだろうな。
    "大人になる"ということはあらゆる余計なものを捨てて捨てて、ただの、何ということのない、シンプルな自分自身に戻る、ということです
    心に留めておきたい言葉です。

  • 本がなくても子は育つ⁉︎
    いや、少なくとも私は育っていなかった。
    きっとはるな檸檬さんもそうだろう。‬

    ‪“流していく時間”が、本を開くと“流れていく時間”へと変わる。ここに居ながらにしてどこへでも行ける。
    多くの支え、救いをくれる。
    そんな本の持つパワーを存分に知っている。

    いわゆる同士。
    しかも同年代で、愛読していた山田詠美、吉本ばなな、椎名誠、村上龍…そんなはるな檸檬さんに、あまりにも親近感が湧き過ぎて
    「エイミーが…エイミーがあとがきを書いてくれてるよ‼︎しかも村上龍さんにまでこれが届くなんて!」と、まるで自分のことのように感激して泣いちゃった!

    あの頃読んだ本は、羽毛のように心に舞っていて、
    暖めてくれたり、クッションになったり、翼になったりしてふと救ってくれるもので。
    あの時スポンジのように吸収したそれらの本たちが、
    今の自分の一部であることは紛れもなく。

    そんな大切な本たちを改めて愛しくさせる
    『れもん、よむもん!』最高です♡

  • 内容も笑えて泣けて、読んだ事ない本も読みたくなってとても良かった!けど、、、文庫版の解説を見た時に号泣しました。嬉しくて。こんな事は初めてでした。出版社の方や編集の方の読者愛が伝わって粋だなぁと思いました。

  • 読まずには生きていけなかった。

    感じたことのない人には大げさに響くんだろう。でもきっと、作者だけでなく、私だけでなく、この気持ちを通り過ぎていく人々がいる。こういう本を通して、知らない人とでも、そっと寄り添って手をつなげる気がした。

  • 椎名誠をイケメンだという''はるなさん''と、村上龍と結婚したいという''はるなちゃん''の、ガールミーツガール。
    私より一回り年下だけど、女子中高生時代に読んできた作家が共通。
    なんか、もう、胸いっぱい。星新一、山田詠美、村上龍、吉本ばなな・・・。社会人になってからは読んでいない作家ばかり(エッセイは除く)。
    読書好きを隠していた JK時代。隠してなければ、生涯の女友達はできていたのであろうか。タイムスリップして試してみたい。そんなノスタルジックな気持ちになったり。

  • Twitterで紹介されている方がいて、購入した。
    檸檬さんの本との出会い、楽しかった。

    本文に出て来る本を読んでみたくなり
    早速、風葬の教室を購入。
    よしもとばななさんのキッチンも読んでみようと思う。
    檸檬さんの他の作品も読んでみたい。

  • やっぱり本をたくさん読んでいる人の感性って本当に素敵だなと改めて思った。
    今のわたしにとってメッセージ性の強い内容もあり、心にじんわり残る作品だった。

  • 高校生の時にはるなさんと友達になりたかった〜!世代が違うので読んできた本も違うけれど、本に対する熱量は共感する部分がたくさんあった。小学生の時図書室で床に座って本を読んだことを思い出して懐かしい気持ちになった。

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著者プロフィール

漫画家。1983年宮崎県生まれ。2010年に宝塚ファンをコミカルに描いた漫画『ZUCCA×ZUCA』でデビュー。著書に自身の読者体験を描いた『れもん、よむもん!』、妊娠・出産体験を描いた『れもん、うむもん!ーそして、ママになるー』、宝塚ファンの夫婦を描いた『タクマとハナコ』、社会に適合するため“普通”の女性に“擬態”するダルダル星人を主人公にした『ダルちゃん』などがある。2013年に結婚、現在は2児の母である。

「2020年 『専門家と作ったスキンシップ絵本 ぎゅ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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