れもん、うむもん! ―そして、ママになる―

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103365129

感想・レビュー・書評

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  • わかる、わかる、わかる!共感の嵐!
    妊娠出産育児は、楽しさも辛さも人それぞれ。一貫して言えるのは、誰もが大変な思いをしているってこと。

    わたしは妊娠発覚時がいちばん辛く(はじめて産院に行った日に「入院もできるよ 」と言われるくらい目眩でフラフラ&毎日吐いていた)。その後も吐き気がおさまらず、ようやく食欲が湧いて、夫に買ってきてもらったのがフライドポテト。フライドポテトが食べたくなるのは妊婦あるあるなんだと後で知った。
    食べづわりだったので寝起きや仕事中によく気持ち悪くなった。トマトに酢をかけたものを食べ、酢とオリーブオイルをかけたサラダを食べ、ハミガキで嘔吐く、というのがルーティーン笑
    仕事中もロッカーの前でコソコソとパンをかじっていた。

    安定期にはいると落ち着いて、なんなら1週間ほど新婚旅行でスペインにも行った(助産師さんに止められたけれど、子ども産まれたら絶対行けないからと強行。よい子はマネしないでね)。だんだんおなかが大きくなっていって、胎動はまだかな、まだかな、と楽しみにしていた。

    後期にはいると、胎動どころか肋骨へのキックが激しくて「痛たた...」。寝るときは他の妊婦さんたちとちがって仰向けが楽で、横になると苦しかったなあ。冬で寒かったから、あんまり歩かなかったけれど、正産期にはいってからは、廊下の雑巾がけを毎日していた。

    そして出産。
    深夜に入院手続きをしたけれど、翌朝陣痛の間隔が開いたときに「先生に診てもらって子宮口が開いてなかったら一旦帰ろっか?」と看護師さんに言われたときの絶望感といったら・・・!でも順調だったからそのまま様子見。ベッドでひとり、痛みに悶えているのが一番辛かった。看護師さんに陣痛のがしの呼吸法を教えてもらい、「ふーっ、ふーっ」って呼吸を合わせてもらったらとても楽に。
    産道を通るときは、赤ちゃんも呼吸できなくて苦しい、って記事を見かけたから、赤ちゃんが苦しくならないようにできるだけリラックスして産もう、って思っていた。陣痛の間隔が短くなり、15時過ぎに「オギャー」!!

    入院中、看護師さんたちの優しさになんど救われたことか。里帰り先の両親にものすごく協力してもらったおかげで、産後うつにはならなかった。もし夫と二人だったら、子育てのぺーぺー二人で病んでいたかもなあ。三人の子どもの母である実母は、わたしの息子を「四人目」と言ってかわいがってくれる笑

    本書の最後にこんな言葉がある。

    “「みんな辛いんだから」ってことと自分自身の辛さは関係ない”

    そう、そうなんだよね。なんの励ましにもならないその言葉は、妊婦やママたちを追いつめる。「そうだよね、辛いよね」って共感してあげて。「おつかれさま、ありがとう」って労いの言葉をかけてあげて。

    切迫早産や妊娠糖尿病や逆子やその他もろもろのトラブルもなく、自然分娩で産むことができたし、実家で産後のサポートもしてもらい、恵まれた妊産婦生活だった。それでも、妊娠中に満員電車で立ちっぱなしで辛かったり、10キロ増えた身体が重たかったり、子どものゲップがなかなか出せなかったり、大変だなあと感じることは日々ある(あった)。だから余計に、自分以外のひとの大変さにも目が向く。

  • 前書きと後書きに感動しました。

    うむもん、という表現を私もします。

  • 出産前、出産中、出産後。

    普通は割愛されてそうなところまで、きっちりと。
    いやでもそこ詳しく! と思わなくもないですが
    描いてくれているだけありがたいものが…。
    そして、要所要所に織り込まれているヅカ話w
    人間のやる気スイッチ、大事ですよね。

  • 妊娠、出産、産後のネガティブな感情も吐露されているエッセイマンガ
    「れもん、よむもん!」とタイトルのテイストは似ているけど、続編ではなく、出産に関するお話と割り切って読むのがよい

    出産や育児のエッセイマンガは世の中に多数あれど、これほどネガティブな感情に寄り添ったものは珍しい

    妊娠中の行動や不安、逆子、分娩時の辛さ、産後の精神的な不安定さ、身体的な辛さ、子供に対する感情の事前の想像とのギャップ等々

    夫の立場として自分が体験した経験と照らし合わせて、省みるところ多数
    もっともうすればよかった、ああすれば問題は解決した等思う事がある
    まぁ、今更ですけどね……

    自ら反省する部分もあったけど、やはりそれでも「やりすぎ」と思える行動があったのも確か
    いくら産後で精神が不安定でも、やっていいことの限度はあると思う
    明らかに私の人生が、異なる道に入ったもんなぁ……
    ま、それに関しても今さらですね


    面白く思えるところが少しはあるものの、読んでいて楽しいものではない
    だけど、出産に関する辛さを経験した人たちにとっては「わかる!」と寄り添う内容になっているのでしょうね
    こんな本もあってもいいと思う
    出産祝いというよりは、出産前に夫の方に読んでおくことを薦めたい本


    一番面白かったのは、やはり宝塚ネタで落としにくるあたり
    何というか、宝塚ネタに関しては持ってる人なんだなぁと思う

  • 赤ちゃんの鳴き声の幻聴、私もありました。
    事務だったので妊婦でもなんとかギリギリまで働いたけど、眠くて眠くて大変だった。
    現実は全然想定外、懐かしなぁと思いながら読みました。

  • 2020/12/8 読了

  • イラストはかわいらしいけど、内容はシリアス。産前産後の気持ちを分からないであろう夫に読ませたい。

  • 産婦さんの孤独を初めて知った。とても勉強になった。

著者プロフィール

漫画家。1983年宮崎県生まれ。2010年に宝塚ファンをコミカルに描いた漫画『ZUCCA×ZUCA』でデビュー。著書に自身の読者体験を描いた『れもん、よむもん!』、妊娠・出産体験を描いた『れもん、うむもん!ーそして、ママになるー』、宝塚ファンの夫婦を描いた『タクマとハナコ』、社会に適合するため“普通”の女性に“擬態”するダルダル星人を主人公にした『ダルちゃん』などがある。2013年に結婚、現在は2児の母である。

「2020年 『専門家と作ったスキンシップ絵本 ぎゅ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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