マル合の下僕

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 338
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103365914

作品紹介・あらすじ

マル合、すなわち論文指導ができる教員。学歴最高なのに、月収最低で子育て中の私大非常勤講師29歳の俺の給料の行方は、奴ら次第!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったけど現実味が無いと思いました。
    小説やドラマの世界ですね。

  • これはドラマ化待ったなし…と思いたいところ。

    大学教授、非常勤講師のリアル、とも思える働き方や、政治的争いをエンタメとして昇華した作品。
    とにかく主人公と誉くんの関係性がすごく良い。こんな子どもが欲しいと思えるほどにとても良い子。純粋な親子愛というよりも、人生を共に生きる相棒のような関係。

    最初は自身の立場のために画策し、プロジェクトに巻き込まれた主人公が最終的には自分のやりたいことを見つけ、マル合の下僕から抜け出す(というよりも、マル合をうまく利用するギブアンドテイクの関係)展開はとても前向きになれる。すべての働く人に読んで欲しい、お仕事小説としての一面もある。

    そして、本作1番の人気キャラと思われる薬膳先生…途中から薄々きづいていましたが、こういうキャラには弱い。

  • 関西の女子大に勤務する非常勤講師(博士号取得)のお話。ポスドクということばが前のタイトルには入っていたのようだが、本当にこのような生活なのだろうか。大変すぎる。。。
    誉くんがたいへんいい子でとても救われた。

  • 『上流階級』がとても面白かったので読んでみました。

    関西の最難関K大を卒業するも、
    出世ルートを踏み外し月収10万そこそこの非常勤講師に甘んじている貴宣。
    成績優秀、家事も完璧にこなすスーパー小学生な甥っ子誉。
    坂木司さんのホリデーシリーズが大好きな私にとってはたまらない展開です。

    この誉くん、母親のネグレクトで苦労しているのに
    ちっともひねくれたとこがなくて本当にいい子でね、
    どうしようもない母親しずると貴宣の間でぎりぎりの選択をする場面で
    「お母さんを褒めたい」なんて言えちゃうけなげな子。
    ”互いが互いを選んだわけではない結びつきのなんと濃く断ちがたいことか”
    という文章にぐっときました。

    この貴宣も自分でいうほど執念深いとか性格悪いとか思えず。
    (仕返しはネチネチしてましたけどね)

    自分の好きな道で食べていける人なんてほんの少数。
    最後はなんとかなりそうで、ほんとに良かったです。
    誉くんのためにもがんばれ!貴宣。

    何かにつけからんでくる薬膳。
    いい味出してて結構好きです♪

  • いくら大山さんのことがあるにしても
    助けてもらっといて大和先生からの報酬があれでは
    安すぎないか。
    誉くんいい子だなあ。仕返しも含めて笑

  • トッカンも面白かったけど、これも面白かった。まるで漫画を読んでいる気分でサクサク読めた。続編を希望。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    関西最難関のK大で博士号をとり順風満帆の出世ルートを歩むはずだった瓶子貴宣は、学内派閥を読み間違えて、目下は香櫨園女子大学の非常勤講師(つまりパート講師)としての少ない月収を死守する毎日。しかも、姉が育児放棄した誉との二人暮らしで“父親業”まで背負っている。そんなある日、貴宣の授業を奪いかねない強力なライバルが出現!貴宣はコマ数を確保できるのか、そして、マル合の傘下に入れるのか!?さらに、誉にはある人物の影が忍び寄っていて…。貴宣の未来を、開くのはいったい、誰?象牙の塔の“最下層”で起きている出世競争を描くお仕事小説!

    貴宣は不器用だけど、プライドだけ高いけど、でも、憎めなかった。損すると分かっていて結局やってしまう性格とかとても良く描かれていた。誉の未来が楽しみだ。

  • 大学非常勤講師の学内での生き方奮闘記。

    第一~七話
    最終話

    香櫨園女子大の非常勤講師・瓶子貴宜は、高学歴にもかかわらず、出身大学にて味噌をつけてしまい、低収入で多忙な非常勤に甘んじていた。

    しかも育児放棄した姉の子供・誉との同居生活。

    博士論文の合否判定ができる「マル合」を持つ教授の下僕となりつつ、研究を進めるが、誉の状況にも変化が。

    根っからの悪になり切れない優男・瓶子は大学で生き残れるか?


    親子じゃないけど、愛がある家族の付き合いが感動的。
    続編期待します。

  • 大学の非常勤講師の非常に厳しい生活……を送りながら、甥と同居している講師のお話。意外と家族もの的なところが面白かった。「ワーキング・ホリデー」が好きな人は面白いかも。続編出てほしい。

  • 坂木司さんの「ワーキング・ホリデー」シリーズの高殿さん版、という感じ。本作の方が硬質で、坂木さんと比べると読み進めるのに多少時間が掛かったけれど、その分深いところまで入り込む感じがした。貴宣の最後の仕返しがさらっと終わらず少しモヤっとした。

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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