夜の木の下で

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著者 : 湯本香樹実
  • 新潮社 (2014年11月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103367116

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夜の木の下での感想・レビュー・書評

  • 久々の湯本 香樹実さん。
    時を置いてゆっくりと語られる記憶だったり、
    自転車のサドルが突然話しかけてきたり、
    交通事故で意識不明の弟を思う姉の気持ちとその姉を“あいだのとこ”で見つめる弟だったり。

    なんて書くとファンタジー? OR オカルト? なんて言われそうだけど、
    いえいえ、普通の人たちの話なんですよ、と。

    それぞれ、ひっそりした語り口が優しくて気持ちがとても静かになったし、
    一度読んで、ちょっと間をおいて再読したら、
    なおさら、その面白さが沁みてきて、うん、よかった!
    いい出会いができて嬉しいです。(#^.^#)

  • この本の装丁にぴったりの
    短編が詰まった一冊でした。

    大切な記憶の欠片を、
    どこか薄暗く濃密な場所から
    呼び戻してくるような。

  • 小説らしい小説だと思う。作者が丁寧に言葉を選んでいるのがわかる。
    そのため、濃密な、気配のある小説になった。

  • 「緑の洞窟」、「焼却炉」、「私のサドル」、「リターン・マッチ」、「マジック・フルート」、「夜の木の下で」
    登場人物もストーリーも無関係だけれどなんとなく共通のトーンを感じる6つの短編。
    思春期の心の痛みだとか、友達や家族への思い、取り戻すことのできない時間。せつなく辛い物語の中にも、どこか愛情が感じられたり可笑しみもあって‥人と関わること、生きることに希望を感じる読後感。

  • 「夏の庭」でおじいさんの死んでゆくのを観察したぼく、「春のオルガン」でオンボロバスに立て篭もるわたし…そんなこどもたちが成長したらこんなふうになるのだろうと思わずにはいられない短篇集。
    〜湯本さんおひさしぶりです!ずいぶんと時が経ってしまいましたがこの柔らかな過ぎ去った時へのレクイエムが心に響くのは木山やともみが私たちのなかに生き続けている証しなのでしょう〜
    どれもみな素晴らしいのだが敢えてのイチオシは過去の作品から持って来た「マジックフルート」、この思春期の少年が年上の女性に抱く淡く儚い恋心はどれだけ草臥れた男の胸にもときめきを思い出させてくれるだろう

  • 静かだなあ。すれ違いのお話たち。
    大きく心が動かされるほどの衝撃ではなく、静かにそこに横たわっているような、
    日常に潜む影を少し切り取ったような。

  • 筆者の本は初めて読んだ。男性・女性、いろいろな視点で描かれた6篇のストーリー。変なロマンチシズムがなく、さらっとして、優しい。
    感情についての「気づき」が多く、それをすくって書き上げる感性が豊か。
    通底するテーマは、過去の自分を振り返り、いまの自分のありようを素直に認ること。誰もがどこかで求めている「肯定」を与えてくれる。

  • 思い出の中で空想と現実が混じったような微妙な立ち位置のファンタジー。

  • 題名のイメージどおり、しーんと静まった雰囲気で話は進むのだけど、ちらちらと激しいものが潜んでる感じ。短編集。

  • 短編。

    病弱だった双子の弟をアオキの木の下で思い出すこと。
    トイレ掃除を一緒にした同級生と進路。
    幼なじみの男の子との別れ、サドルとの別れ。
    いじめられっ子の同級生との友情と罪。
    祖父と一緒に暮らした時に出会った網枝さん。
    事故で意識不明の弟と看病する姉。

    静かな悲しみと穏やかな愛に溢れる感じ。
    夾竹桃って花がよく出てきたのが印象的。
    もっと著者の本読みたい)^o^(

  • あまりの装丁の美しさにジャケ買いした時に読んだ時には、このひとつひとつの物語の良さが全然わからなかった。この夏、久しぶりにじっくり時間をかけて読みかえしてみて、ようやく意味がわかったというか、この物語と私の焦点があったような気がする。

    誰もが抱える心の奥底にあるさまざまな想いをそっと浮上させて浄化させていくというか。今まで仕舞い込んでいたものをようやく語りだすことで見つけられるものがあるのですね。

  • 久しぶりに読んだ湯本さんの作品。短編集なんだけれど、とてもよい。濃密な読書体験。「焼却炉」の生理用品を焼却すると言う描写は『ノルウェイの森』の緑の話にも出てくるけれど一般的なことだったんだろうか。「リターン・マッチ」が好き。

  • 久々に湯本香樹実さんの作品を読みました。緑の洞窟/焼却炉/私のサドル/リターン・マッチ/マジック・フルート/夜の木の下で の6篇。湯本さんが言葉で描く風景がとても好きです。傷ついた思い出が潤いとなって今の自分に沁み込んでくるような感覚…やはり、湯本さんの作品は樹液のようだと、ふと思いました。
    夏の終わり、心地良い読書となりました。
    湯本さんの作品はなんといっても『夏の庭』が一番有名ですが、『ポプラの秋』『春のオルガン』『くまとやまねこ』『きつねのスケート』『くまっていいにおい』がお気に入り。これらも再読したくなりました。

  • 生と死についての短編集。心に残る佳編が多く、この猛暑の中でも、読んでいる間は自分がシンとおさまる感じがした。

  • 短編集。不思議な話。言葉の選び方や触り心地が変わっていて、時々はっとした。

  • 請求記号: 913.6/Yum
    資料 I D : 50079555
    配架場所: 図書館1階西 学生選書コーナー

  • 久しぶりに読んだ湯本香樹実の作品。
    短編集。
    私は最後の「夜の木の下で」が好き。生と死を彷徨う弟を見守る姉視点の話から、当の彷徨う弟視点に変わり、2人の姉弟が互いを想い合う気持ちが温かく感じられた。

  • 子供時代、少年、少女時代というのは、とかくままならないものである。
    目に見えぬ大人達からの網に絡め取られているような青少年の焦燥感を描かせたら、湯本香樹実氏の独壇場であると言えるのではないか。
    大人になると忘れてしまいそうな、子供時代のほろ苦さ、愛おしさが秀逸な一冊。

  • 短編集はどれもひとつひとつ憶えておきたいと思っていても直ぐに忘れてしまう。でも題名にもなっている夜の木の下でという作品はこれからも心に残るであろうと思われる作品になった。生死をさ迷っている弟が語るというのが私にとっては新鮮だったし、その語り口に好感を持ってしまった。死の淵と夢の中って繋がっているかの様。どちらも時空を超えるしね。読後感が何だかふわふわしているw

  • 短編集。
    短編でなく長い物語になりそうな話ばかりで
    とてもよい短編集だったけれど
    読後感のあまりよくない話もあり
    読み終わった後は霧雨に濡れてしまったような
    じっとりとどんよりした気分になった。

  • 安易なハッピーエンドの結末はない。ただ時間の長い流れのなかで、一筋の光が差し込むことがある。過去の自分では気づかなかったことが時間の経過とともに見えてくる。生きることそのものの大切さが感じられる。

  • きっかけになった朝日の書評を探したらBookAsahi.comにあったので以下に著者のコメントを一つだけ抜粋。

    「言葉で表せない未整理の記憶や心の中の他者たちの存在によって自分は生きている。ずっと感じてきたことが少しはかたちにできたかな」

    もともと音楽家の著者らしく、「マジック・フルート」にはバッハやシューマンやベートーヴェンの作品名が出て来るのも楽しい。

  • 【収録作品】緑の洞窟/焼却炉/私のサドル/リターン・マッチ/マジック・フルート/夜の木の下で

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