夜の木の下で

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 360
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103367116

感想・レビュー・書評

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  • 六つの物語をおさめた短編集。


    nejidon さんのレビューで知った、湯本香樹実さん、初読です。
    ありがとうございました。

    反発と夢と不安と愛情の芽のようなもの、大人になってもまだ名付けられない想いを、かたちの定まらないままに大切にすくいとったような。
    静かな痛みと寂しさと、爽やかな救いがありました。

    家族の中で庇護されて生きていることに何の疑問も持たず、ただ愛情に包まれていると感じて成長してゆけたら、なんて幸せなんだろう。
    庇護されていることが安心感に繋がらず、『養われている』ことを息苦しく感じさせる、自分の無力を何かにつけて思い知らされる関係だったなら…
    そういうことを感じとってしまう者にとっては、ごくごく薄められた毒を飲まざるをえない場所で生きているようなものなのか…

    どの物語も良かったけれど、「焼却炉」「マジック・フルート」「リターン・マッチ」が、うまく説明することもできないけれど、私にとても近いものを感じました。

    • nejidonさん
      yo-5h1nさん、何とかお気に召していただけたようで良かったです!
      スリーベースヒットくらいにはなったようですね(笑)
      「反発と夢と不...
      yo-5h1nさん、何とかお気に召していただけたようで良かったです!
      スリーベースヒットくらいにはなったようですね(笑)
      「反発と夢と不安と愛情の芽のようなもの」は、確かにありました!
      思い出しながら読めて、今一度ひたっています。
      ありがとうございました。
      2020/10/11
    • yo-5h1nさん
      nejidonさん、ありがとうございます!
      おかげさまで、素晴らしい作品と出会うことができました。これから順番に、湯本さんの著作を読んでい...
      nejidonさん、ありがとうございます!
      おかげさまで、素晴らしい作品と出会うことができました。これから順番に、湯本さんの著作を読んでいこうと思います。
      雑食性なので、違う世界にワープを繰り返しながら…

      ということで、「夏の庭」を予約してきました。
      これからもnejidonさんのレビューで、新しい世界に出会うことを楽しみにしています♫
      2020/10/18
  • 小説らしい小説だと思う。作者が丁寧に言葉を選んでいるのがわかる。
    そのため、濃密な、気配のある小説になった。

  • 題名のイメージどおり、しーんと静まった雰囲気で話は進むのだけど、ちらちらと激しいものが潜んでる感じ。短編集。

  • 短編集。不思議な話。言葉の選び方や触り心地が変わっていて、時々はっとした。

  • 短編集。
    短編でなく長い物語になりそうな話ばかりで
    とてもよい短編集だったけれど
    読後感のあまりよくない話もあり
    読み終わった後は霧雨に濡れてしまったような
    じっとりとどんよりした気分になった。

  • 【収録作品】緑の洞窟/焼却炉/私のサドル/リターン・マッチ/マジック・フルート/夜の木の下で

  • 短編集として、これはダントツ、という作品も
    苦手だという作品もありませんでした。

    サドルと会話するお話は面白かったです。

    総じて記憶に残りにくい一冊でした。

  • 短編集ですが、一貫したテーマは生と死なのかもしれない。どの物語も静かに進んでいく。この作家さんの本は久しぶりでしたが、また読みたくなりました。装丁がとても素敵です。

  • 装画がとてもいい。相手の想いの中へ連れて行ってくれそうな装画だ。いっしょにすごした時間の中へ連れて行ってくれる。

  • 短編6作。
    こうのかなえさんの装画そのままのイメージ。
    静かでしっとり、少し冷たいけど寂しくないみたいな。

著者プロフィール

1959年東京都生まれ。作家。著書に、小説『夏の庭 ――The Friends――』『岸辺の旅』、絵本『くまとやまねこ』(絵:酒井駒子)『あなたがおとなになったとき』(絵:はたこうしろう)など。

「2022年 『橋の上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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