書き出し小説

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制作 : 天久 聖一 
  • 新潮社 (2014年12月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103369318

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書き出し小説の感想・レビュー・書評

  • 書き出し小説。
    それはごく短い文章でありながら、完結された物語性を感じさせる小説である。

    軽い気持ちで読んでみたら、想像以上に奥深い世界が広がっていておどろいた。
    すべて公募作品でありながら完成度が非常に高く、おもしろい。
    長くても数行なので気負わずに読めるうえ、読後の余韻もあるので、忙しくて読書する時間がない・本を読むのが苦手という人にも積極的にオススメしたい。

    <規定部門のお題>
    桜/失恋/忍者/猫/妹/雨/無職/殺人事件/母/アイドル/コンビニ/中学生/匂い/怪談/ボーイズラブ/理系/サル/地獄
    (おかわり)変態/鬱/魔法少女/卒業/クリスマス

  • たった一文(もしくは数行)で、読み手の想像力が無限に喚起される。種田山頭火や尾崎放哉などの自由律俳句を読んでいるような、そんな気分にさせられる。説明はまさに蛇足であり、読み手にすべてを委ねた姿勢は潔く、そして、言葉の力、面白さを存分に味わうことが出来る。

    私が好きな作品は以下6作品。
    ※ネタバレ含みます。






    「メールで始まった恋は、最高裁で幕を閉じた。」

    「子どもが母親にお菓子をねだっている。おばさんはカートを体のように扱っている。肉に半額のシートが貼られた。レジは空いている。私はスーパーでフラれた。」

    「朝顔は咲かなかったし、君は来なかった。」

    「父の七回忌に、私にそっくりな女が焼香に来た。」

    「友人がそろばん教室に通っていた頃、私はビームを出す練習ばかりしていた。」

    「プールに浮かぶ月は彼女のバタ足にゆらゆら揺れた。」

  • 2017/6/25読了

    後に続く物語を想像する。
    一行はすべてが認められる
    はじめっても終わってもいないから。
    個々の頭の中で瞬間物語は展開する。
    イメージ力が掻き立てられる一冊。おもしろかった。

  • ・教室の壁に行儀よく並べられた半紙の中で必死にもがいている「自由」を見た。(p.29)
    ・「魂の話をしよう」真面目くさった顔でそう言った後、先生は黒板に塊と書いた。(p.29)
    ・ああ、この二人は恋に落ちる。だいたい初日にわかってしまう。たぶん一般的に思われている以上に、教壇は見晴らしがいい。(p.37)

    ・「だったら私はどうすればよかったんです?」この会議が始まってからどれくらいの時間が経っただろうか。未だに十二支を外された納得感のある理由は聞き出せていない。(p.112)
    ・猫は真珠を受け取り、豚に小判を差し出した。(p.114)
    ・「酸素を二酸化炭素にする仕事」自分の今の仕事をそう説明すると、大抵の人は僕が化学メーカーに勤めているのだと勘違いする。(p.126)
    ・空気清浄機が活発に作動し始めた。どこかにあいつがいる。(p.154)
    ・iは虚数だ。そんな数は実在しない。愛は戯言だ。そんな感情に根拠はない。Iは私だ。それだけは確かに存在している。(p.165)
    ・あと三秒しかない。時報が鳴り、一気に含んだバームクーヘンが口の中で賞味期限切れになった。(p.182)

  • 書き出しは小説では大切な一文。
    印象的な、先が気になるような一文はどんなものだろうか?
    先が気になる一文を見つけたら自分で続きを書いてみよう

  • 28.11.23読了
    なんだこのアホな作品たち、すごく愛しい…!!笑えるものから、もはや書き出し小説というか詩では、と思えるくらいため息ものな作品まで。
    おもしろい。

  • 天久聖一の本はいつもバカバカしくていい。おっぱいとかシコルスキーって言葉と同じ。影とか悲壮感がない。最高。

  • いい意味で読前のイメージを裏切ってくれた。
    一文それ自体で大きな振れ幅を感じるものじゃないけど、一呼吸あってその後の展開について自分のイメージが広がりながらジワジワとしみてくる感じ。
    「書き出し」なのに、作品ごとに「読後感」まで味わえてしまうような不思議な面白さを感じました。
    早速次の一冊にとりかかってます(笑)

  • 書き出し小説のような写真が撮りたい。
    明示的な結論はなく、物語がただ立ち上がるような。パッと見て思わずクスッと笑いながらもモヤモヤしたものが残るような。

  • とてもおもしろい。何気なく隣に座っている誰かの頭の中にも、このような文学世界が広がっているのかも、と想像するだけで楽しい。
    これを数ページ読んだ後に見る世界は、すべてが小説的になる。愉快で、象徴的で、一瞬一瞬が意味ありげ。つらいことさえ、芸の肥やしになると本気で思える。そうなることが楽しい。
    ここまで創作意欲を掻き立てられる本はないかもというくらい、大いに笑えたので★5つ。

  • 【Entertainment】書き出し小説/天久聖一/20150819(93/377)<191/20944>
    ◆きっかけ
    ・日経書評

    ◆感想
    ・完成された小説がひとつの物語しか語り得ない(当たり前)に対して、書き出し小説(=小説の冒頭)は、読み手のイマジネーション次第で無限にストーリーを読み解くことができる。面白くするのもつまらなくするのも読み手次第。読者に向かって開かれている。
    ・厳選されたものばかり、非常にウイットに富んでいたり、ブラックだったり、続きがさてさてどうなるかついついイメージしてしまう。
    ・もちろん書き出し部分でも十分面白い。結局シンプル、引き算の美学?

    ◆引用
    ・ゆで卵をテーブルに立てて見せた男の金色のまつげがちらつき、その夜イザベルはなかなか寝付けなかった。新大陸なんかぜったいあるはずないいんだから。
    ・田中君、僕だ、山中だ、待ち合わせ場所でその地域のゆるキャラの着ぐるみがささやきかけてきた。
    ・メールではじまった恋は最高裁で幕を閉じた
    ・ニスを塗った祖母は新車と見間違うばかりの光沢を帯びている
    ・まだ謎は解けていなかったが、酔った勢いでリビングに全員を集めた
    ・激しい夕立が過ぎると、風船を配っていたピエロが交番の掲示板で見た男に変わっていた。
    ・突然の大雨で、海岸近くにずらりと干されたタコが立体感を帯びてきた。
    ・犯人はこの中にいる。膨大な国勢調査のデータを眺めながら警部は叫んだ
    ・あの娘が一日署長になるという記事は、僕に自首を決意させた。
    ・博士が投げかけた匙が触媒となって実験は成功した。
    ・お台所にロールケーキがあるからお友達にも出してね。上の娘にそう告げると、静香は自宅スタジオのドラムセットに戻った。
    ・和式便所、アメリカを黙らせるには、もうこれしかなかった。
    ・あの娘が出したごみ袋を漁ると、俺の捨てたごみが出てきた。
    ・少女は魔法のタクトを天高くかかげると、敵を力任せに殴打した。
    ・体育館に蛍の光が流れ、隣の乾物屋も閉店した。

    ===
    読書日記タレント 山里亮太(1) 『書き出し小説』第一文だけでドラマ想像
    2015/7/16付日本経済新聞 夕刊
     「隣の客とはよほど好みが合うらしく、私はまだ甘エビしか食べられていない」
     こんな小説の書き出しから、どんな物語を想像するだろう。僕なら元フードファイター、ジャイアント白田さんの自伝。回転ずしで好物のネタを食べられなかった悔しさから、大食いタレントを目指す――。そんな筋書きが頭の中に広がる。
     もちろん、そんな自伝は存在しない(少なくとも僕は読んだことがない)。でも、たった数行の文章で人は想像する。小説の書き出しはいつだって何百、いや、何千通りもの物語を生み出す可能性を秘めている。
     そこで、小説の「書き出し」だけを皆で作ってみた。天久聖一編『書き出し小説』(新潮社)はそんな本だ。インターネットで一般から募集した「書き出し」を、選(え)りすぐって収録している。
     「その村では卑猥(ひわい)な形の野菜しか実らないという」。八つ墓村ばりのサスペンスか?
     「メールではじまった恋は最高裁で幕をとじた」。なんて波瀾(はらん)万丈なラブストーリー!
     いくつかの作品には、編者が「蛇足」として自分なりの「答え」を記している。それがまた天才的。思わず「そう来たか!」とうなる。同じ文章でも、目線次第で全く違う世界が広がることを実感する。
     本は僕の想像力を刺激する。「世の中には、こんな面白いことを考える人がいる」と思うとゾクゾクする。次回は想像、というより妄想の達人の本を紹介したい。

  • たった一文なのにいろんな発想や個性があってとても面白かった。ひと言コメントにもくすっとさせられ、帰りの電車で一気読みして満足した気持ちで帰宅。

    個人的には妹部門と忍者部門がツボでした。

  • 出だしの一行で想像も妄想も広がる。
    自分でも考えてみたいと思う1冊。
    親友からの誕生日プレゼントでもらった。

  • 著者紹介おもろい。完全に自分を見失う。

  • 34
    やりたくなった。

  • プールに浮かぶ月は彼女のバタ足にゆらゆらと揺れた。

    これが、1番そそられる書き出しでした。


    この本(企画)は、読書リテラシーを要求するというか、読む側の読書経験によってどこまでも深くなっていくなと感じた。あと、書き出しだけでジャンルまでもがわかる(推察できる)っていうのが意外な発見でした。

    あと、投稿者はかなり重複していて、こういうものを投稿コンテンツとして、広くレベルが高いものを要求するのはやっぱり難しいんだな、と。

    とにかく、書き出し小説というジャンルを見出したことに大きな発見と価値があると思いました!

  • ややギャグ寄りに集められた書き出し小説。

    数行の書き出しだけで、その後のストーリーは読者にゆだねるというコンセプトがとても斬新なだけに、そうしたジャンルとしてきちんと成立させてほしいと感じた。

    単に笑いを誘うだけで済ませるにはもったいない唸るようなすばらしい書き出しがいくつかあった。シリアスな路線で進めて頂きたい。

  • うーん!すごい!
    いろんなことを 想像させるよ(* ̄ー ̄)

    笑ってしまうのもあり
    考えさせられるのもあり
    ギョッとさせられるのもあり!
    なあるほどです。

  • 何度もフフッと笑った。年末年始にちょうど良い。

  • 2.3行の短文でここまで世界が広がる。妄想させる。
    こういうユルイ笑いは、イイ。
    こっち側に想像させるだけさせて「勝手に」笑わせる。

  • 一文でオチがつくのもあれば縦横無尽に続きを想像させるのもあって大喜利感が楽しい トイレとかに置いといて気が向いたときにぱらぱら何回も読みたい
    日本語ってできること多いんだな~

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書き出し小説の作品紹介

画期的すぎる小説スタイル! あるのは冒頭の「書き出し」だけ! 「モンスターペアレントは森の人気者だ」「『ねんど』だ! 高校以来だから十年ぶりか。ものすごくいい女になってる。ああ、本名が思い出せない」――たった数行、冒頭だけの物語が面白い!! 続きは読み手のイマジネーション次第の、 自由で新しい文学が登場。全国から集まった精鋭たちの作品から、『味写道』などで人気の鬼才・天久聖一氏が厳選。

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