挫折を経て、猫は丸くなった。: 書き出し小説名作集

制作 : 天久 聖一 
  • 新潮社
3.70
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本棚登録 : 926
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103369325

作品紹介・あらすじ

一瞬で読めて、無限に広がる416の物語。「彼女の頰を、マウスカーソルで撫でた」「白ブリーフの落とし主は永遠に見つからない」「ヒーローたちの利害は複雑に絡み合っていた」「担任に好かれている吉田と、ただの吉田がいた」――提示されるのは冒頭だけ。続きは読み手のイマジネーション次第の自由な文学、「書き出し小説」。416本の異なるストーリーがあなたを魅了する!

感想・レビュー・書評

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  • 書き出しのみのアンソロジー。続きの想像も自由でおもしろい。一文だけで笑ってしまうものもあり、吉田シリーズは最高でした。

  • 想像が膨らんで、含み笑いが止まりません。

  • やってもうた!

    名作の書き出し集かと思ったら、書き出しだけ上手い作品の寄せ集めだった。

    図書館派の乱読主義なので、どこかで面白いと聞いて適当に借りて読んだらビックリ。

    吾輩は猫である……とか、トンネルを抜けると……みたいなを勝手に想像してたら、無名な人たちの書き出し集だった。(勝手に勘違いしたたけなんだけどね)

    なので、数ページで返却しようと思ったけど、思い留まり読み続けたらそれなりに面白い。

    とは言っても、この人の書いた本が読みたくなる感じではなく「サラリーマン川柳」のように「ニヤリ」として終了〜みたいな、全く深みのない感覚。

    斬新さで★3つですが、正直この本を他人にオススメしたら、センスを疑われそうなほどキツイ本です。

    この本に惹かれても、絶対に立ち読みしてから購入することを推奨します。

    私と同じ過ちをしないようにご注意を。

  •  小説の1行目、1文目ってなんやゾクゾクさせてくれるよね。たった1行で、主人公がどんなやつか、どういう状況にいるのか想像できるものもあれば、「どういうこっちゃ!」と先を読み進めたくなるものもある。
     好きだったのを以下に。

    「挫折を経て、猫は丸くなった。」
    「音楽性の違いで解散した三人は、同じ工場に就職した。」
    「迂闊だった。褒め上手を敵に回すとどうなるか、ちょっと考えれば分かったはずじゃないか。」
    「五の倍数に対してすら素直になれない日もある。」
    「全てを失ったが、残尿感はある。」
    「ユニクロに行くためだけに着る、ユニクロではない服を用意している。」
    「人が避けた席には、それなりの理由がある。」
    「誰かと戦っている内は、自分と戦わなくていい。」
    「彩度の低い部屋でグリーンピースが目立っている。」
    「全員かかってこいよ。鍵を掛けたアカウントでつぶやいた。」
    「そう、いつだって鮭フレークはこんなふうに余る。」
    「二次会になって互いの薄毛に触れはじめた。」
    「初めてのキャラメルフラペチーノに、利休の心は震えた。」
    「揉みたいものがまだ、友の睾丸だった頃だ。」
    「先週の飲み会を思い出しながら走り、自己ベストを更新した。」
    「怒っている童貞で、暖をとった。」

     最後のやつとかどういうことやねん。うちも書き出してみたくなったわ。

  • 光浦さんオススメ

  • おもしろい。
    時々ふと手に取って、アテもなくページを開いてみたくなるに違いない。
    吉田。

  • 一瞬で読める、自由で楽しい416の物語。書かれているのは冒頭だけ。続きは読み手のイマジネーション次第。選りすぐりの新しい文学、ここに集う!(e-honより)

  • タイトルも書き出し小説。
    「デイリーポータルZ」で募集された書き出し小説の中から名作を選りすぐって編んだ作品集。ほんの数行にいろんな情景、ドラマがあり、そのあとにも妄想が膨らませられるとても楽しい超短編。

  • 「書き出し」のみのアンソロジー。続きを予感させる作品もあれば、その一文で完結している作品もある。特に、唐突に現れる商標や下ネタを交えた作品にはやられた。

  • 寝る前にぽつぽつと読んでみた。発想が面白い。小説は書けないけど書き出しは書けるってのもとてと納得した。

    この作品はどうやって続くと思う?って友だちとやりたいがために、買おうかなと思ってる(今回は図書館で借りたので)

    みなさんすごい発想力だったけど、私が気に入ったのは以下。

    ・右折してきた車にぶつかる瞬間、頭の中で大きな指がCtrl +Zを押した。
    ・曖昧なまま始まり、形式上ははっきりと終わった。
    ・ガンジーが生涯でただ一人、殴った男の話をしよう。
    ・ショートケーキがたべたい。可愛くなれなかったら死にたい。

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