真空国会―福田「漂流政権」の深層

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  • 新潮社 (2008年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103390107

真空国会―福田「漂流政権」の深層の感想・レビュー・書評

  • 『第1章 安倍政権の失速』
    ・安倍は人事でつまづくことが多かった.選挙の顔として麻生を考えていた幹事長に中川秀直をあてなければならなかった.安倍内閣の閣僚交代は実に5人に上った.
    ・安倍は衆院予算委員会の答弁で,官僚の天下りに関し,省庁の押し付け的な再就職の斡旋が「実体としてあったと思う」と述べた.それまでの政府見解の転換だった.これを機にして,渡辺喜美を中心に公務員制度改革の政府原案(天下り禁止,人材バンク開設)がまとめられた.ある自民党議員「あれだけ公務員バッシングをしたら,役所OBも地方の役人も動かない.参院選にマイナスになることはわかっていた.」
    ・造反組の復党は,小泉政権の改革路線を否定したものと受け止められ,安倍政権の支持率を直撃した.その挙句,公明党との関係にもヒビを入れた.
    ・年金記録漏れ問題にしても,社会保険庁の長年による不作為のもの.「政治とカネ」の問題も,以前なら大きく取り上げられなかった問題だ.この二つの問題は,国民投票法の成立,教育基本法の改正,防衛庁の省昇格という成果を背後に押しやった.

    『第3章 福田政権の誕生』
    ・福田は,突然の安倍退陣で準備期間がなかったとはいえ,具体的な政策はいまひとつ煮詰まってなかった.小泉の郵政民営化,安倍の憲法改正のような,指導者としてこれだけは実現したいという政策もはっきりとしなかった.

    『第4章 ねじれ国会の迷走』
    ・日本の参院は,世界に例を見ないほど強い権限を持っている.憲法上,衆院の優越は,首相指名,予算,条約くらいしかない.
    ・11月2日の第二回党首会談では,小沢によると,福田は①自衛隊の派遣は国連によって認められた活動のみに参加し,特定の国の軍事作戦についてわが国は支援活動をしない,②新テロ法案よりも連立が優先の2点を確約したという.しかし,福田の解釈は異なる,新テロ法案にこだわらないと発言したことには否定した.二人は大連立の実現を目指すことで合意し,閣僚の数,民主党担当の閣僚まで決定し,小沢の「これで党を絶対まとめます」ということを申し合わせた.
    ・管や鳩山の反応は厳しかった.小沢は辞任を表明し,そこで初めて大連立を思考した理由を説明した.その後,一点して続投を決意した.
    ・08年1月11日,インド洋における海上自衛隊の給油支援活動を再開するための新テロ対策特別措置法が,衆院で3分の2以上の多数で再可決され,成立した.57年ぶり2回目だった.

  • ねじれ国会。少なくともこのくらい知っていたい。

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真空国会―福田「漂流政権」の深層の作品紹介

2007年9月。突如、政権を放り投げた安倍晋三。その後を継いだ福田康夫に待ち受けていたのは、未曾有の困難だった。テロ特措法を巡る与野党の駆け引き、小沢・民主党との間に持ち上がった大連立構想による混乱、そして泥沼化したガソリン税攻防…。機能不全に至った、福田政権の深淵を検証する。

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