仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か

著者 : 魚川祐司

• 新潮社 (2015年4月24日発売)

感想・レビュー・書評

[boompanchさんの感想 · 2018年10月7日]

仏教思想のゼロポイント

仏教とは何か？開祖のゴータマブッダによればそれは解脱(vimutti)であり涅槃(nibbana)、すなわち悟りである。

問1. 解脱、涅槃とは何か？
問2. 悟った後ブッダはなぜ死ななかったのか。

◯絶対にごまかしてはいけないこと
・金銭目的の労働の否定、宗教的実践のみ。
・生殖の否定。異性に関するあらゆる情欲や思慕の情が徹底的に否定。
・ゴータマブッダの説く仏教は現代日本人が通常の常識で考える「人間として正しく生きる道」を説くものではないを

◯仏教の基本構造
・転迷開悟(迷いを転じて悟りを開く)。癖によって盲目的にする行為を止めること。
・縁起(原因があって生起すること)。苦なる現状の原因を徹見し、それを消滅させる。仏教における苦とは、不満足に終わりがないこと、そしてそれは1人の一生だけでなく、輪廻転成によりずっと続いていく。
・無我とはコントロールできないものを意味し、欲望も勝手にきて勝手に去っていくため無我のひとつ。

著者プロフィール

1979年、千葉県生まれ。著述・翻訳家。東京大学文学部思想文化学科卒業（哲学専攻）、同大学院人文社会系研究科博士課程満期退学（インド哲学・仏教学専攻）。2010年以降はミャンマーやタイに居住し、現地にてテーラワーダ（上座部）仏教の教理と実践を学ぶ。著書に『仏教思想のゼロポイント』（新潮社）、『講義ライブ　だから仏教は面白い！』（講談社+α文庫）、訳書にウ・ジョーティカ『自由への旅』（新潮社）などがある。

「2018年 『感じて、ゆるす仏教』 で使われていた紹介文から引用しています。」