- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103394815
作品紹介・あらすじ
中学生なら誰だって、親にはいえないことがある。友達にも――。好きな人にも――。中学2年生、女子。部活は別々だけど仲良し三人組のはずだった。目立つグループのあの子に、声をかけられるまでは――。本当のことばかり口に出していたら、生きてなんかいけない。特にここ、学校では。そう、14歳たちの感情は静かに、爆発を準備する。淡くて、残酷で、拙くて、美しい、かけがえのないあの日々を描いた青春小説。
感想・レビュー・書評
-
他の人の評価は低めっぽいけど、
私は中学生という思春期、真っ只中の子達(特に女子)の
感情を的確に表現した一冊だと思ったよ。
仲の良い子がいるけど、本当に仲良しなのか。
きっと私がいない時には、私の悪口を言ってるんだろうな。
クラスの中心グループと仲良くなれると優越感に浸れる。
何かおもしろいことが起きないかな。
グループの中で自分が優位に立ちたいとか、
リーダー格の子と自分が仲良くしてると気分がいいとか、
あぁー、なんか分かるわぁーって感じだった。
男子の世界は違うかもしれないけど、
女子は世界観を表してると思ったよ。
女子は自分の立ち位置を気にするんだよねー。
特に話の中で大きな盛り上がりとかは、なかったけど、
だからこそ、学校生活を日常を切り取ってる感じが
良かったなぁー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スクールカーストの真っ只中にいる女子中学生のお話。
「自分が何が好きで何をやりたいのか」ということよりも、場の空気を読んでどの立ち位置で行動するかが一番大切。自分も通ってきた道だけど、改めて我が子がこれからそこを通っていくと思うと恐ろしくて目眩がしそう。読みやすいけど単調、でもだからこそやけにリアルに感じる。恐ろしいな、中学生。 -
中学2年の美羽は、クラスでは普通の女子3人グループにいる。
ヒエラルキー上位の男子たち、派手めな女子たち、いじめられっ子の男子、クラスには秘密がいっぱい。
何とも後味の悪い話。
とは言え、著者の描く毒っけの強い話はやっぱり面白い。
出てくる人にいい人が全然いないのが、リアルなのかどうなのか。
主人公の美羽でさえも、日々に鬱屈し、面白いことを探している。
14歳の闇の総集編と言えるほど。
自分はずっと昔に、子供たちもその時を通り過ぎているので、他人事として読めましたが、これから子供をその年代に送り出す親の立場の方には、嫌な作品になってしまうかも。 -
『冴木美羽』中学二年生。大抵いつも仲良しの三人でグループを作っている。良くも悪くも目立たない組だ。なにか面白いことがしたい、スリルは必要だ。
誰だって他人にはバレたら困ることがある。けれど、みんなの秘密を知ってる私が一番強い。
表紙から軽いタッチのミステリーだと思ったんだけど、青春群像劇みたいな感じかな。
イジメに万引きスクールカースト等々、読んでいて気持ちの良い物ではなくて、ずっと嫌悪感と言うか受け入れがたいものを感じていた。イジメを見ても何とも思わなかったりクラスメートの不幸を面白がったり、それが普通の子たちだというのだから尚更分からない。何より万引きはいいけど友達の財布から盗むのは許せないとか・・・どっちも完全に窃盗だよ。
若さ故と言えばそうなんだろうけど、他人に対する想像力の欠如とか罪悪感のなさとか、みんな性格悪そうでイライラしっぱなし。まあそれだけリアルに感じたということなのかな。 -
中学生というと、学校以外の世界が対して広くなく、かと言って外の世界を知らないかというとそうでもない。なんとも中途半端な時期。
クラス内の立ち位置とか、非日常とか、気にする年頃ではある、と思う。その辺りはわかるが、お話としてはなんとも後味が悪い気がする。 -
公立中に通う美羽は、2年生。クラスの中では特に目立つ存在ではなく紗弥と美術部に入っている。絵が得意というのではなく、美術部は何もしなくても先生に注意されないので部活必修なので席を置いている。もう一人の友人奈々は陸上部で短距離走の練習に励んでいる。
クラスの中に存在する漠然としたヒエラルキー。女子も男子もそれぞれに微妙なバランスをとっている。時々起こる盗難。こっそり行われるイジメ。時々誘われる万引き。クラスの男子の中心にいる幼馴染の男子との自転車泥棒。
それぞれの心境を探りながら自分らしさを考える美羽。思わぬ事件を経て学年の終わりを迎える。最高学年になる美羽たちはどうなっていくのか。
なんだかスッキリしない。公立中の子どもが学校に日常的に財布を持って登校するのか?学校の先生って、ここまで無関心なのか?
大人を甘く見すぎていない?と思っていたら、最後の方で親や地元の大人は気付いていたのだとわかる。が、それで何かが大きく変わるわけでもない。スッキリしない感が…。
地元の図書館の中学生へのおすすめ本コーナーにあったので読んでみた。ここの図書館は、この本を中学生におすすめするのか。いや、中学生が読んでも良いと思うし、中学生は別の感じ方をするのかもしれないけれど、それを図書館のおすすめ本にするのには違和感が…。
この作家さん、別の本を以前読んでいたことを思い出したけれど、それもあまり好きではなかったことも思い出した。 -
中学生のクラス内で起こるカースト制度のお話。
いくらなんでも中学生を頭悪く表現しすぎか・・・?
まさか現実こんなんか・・・?
どちらにしても気分が悪い内容。
ストレスがたまる一冊。 -
新しく開発された住宅街、高層マンション、古くからある商店街と山側の古アパート群、さまざまな生活格差のある町の中学校に通う中学二年生の美羽。
普通女子として目立たず退屈な日常を送っている彼女が、クラス内のパワーバランスを伺いながら生きる日々を描いている。
万引き、自転車窃盗、みんないろいろと秘密を抱えている。それぞれ思惑を抱えていて、なんていうか、最近の中学生ってこんなに屈折しているものかと驚いた。
自分が中学生の頃にもクラス内ヒエラルキーや目に見えない抗争のようなものはあったけど、ここまでマウンティングはなかったような・・・。ちょっと殺伐とした学園小説だけれど、これが今のリアリティなのかも。 -
なんか、自分が悪いことをしているような気がして、読んでて背中がゾクゾクした。
-
想像を絶する面倒くささ。
中学時代ってこんな感じだったかしら?
読みやすい本でした。