ヒトでなし 金剛界の章

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著者 : 京極夏彦
  • 新潮社 (2015年10月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103396116

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ヒトでなし 金剛界の章の感想・レビュー・書評

  • この人の本は厚さが半端ないので読もうとする時いつも一瞬躊躇するのだけれど、読み始めてしまうとその厚さを感じさせないくらいどんどん読み進んであっという間に読み終わってしまうんですよね。
    人には人は救えないという考え。ひとでなしは人ではないから救えるっていうすごい発想の転換というか……。
    新シリーズとあったから、続くんでしょうかね。読んで私も救われたいものですが。

  • 芯が疲れた。小説を通じて人生論や哲学を読まされるとは。600ページ弱を使って、シリーズの長大なプロローグを読まされた感じ。このメンバーでシリーズが続くのか?誰一人好感も共感も持てない、地味な奴らばかりだけど。

  • 娘を亡くしてそれがきっかけとなり職をなくし妻にも去られた男のお話。ダメ人間っぷりだとかやさぐれた日常だとか復讐譚とかそういうのではなく、なんかそういうのを超越した宗教観みたいなものを感じなくもない不思議な話。タイトルである「ヒトでなし」を従来のマイナスのイメージではなく「人を超越した」みたいな意味合いにでもなっているのだろうか。
    面白いかどうかはかなり人を選びそうな。ヒトであることを捨てきれない自分は「娘を殺しておいて自己を正当化しつつぬくぬくと生きている犯人」を見てもなにもしないというのはなんとももやもやしてしまいますわ・・・

  • 京極夏彦の新シリーズ。
    途中まで、この路線で続編とかあるの? 単発じゃないの? ……と思っていたら、しっかり『続き』があるというラストを迎えた。
    微妙に気になるところで終わってるので、早く続きが出て欲しいのだが……。この点に関しては期待しないでおこうw

  • 終盤の主役の言葉にぞっとした。
    ひとでないものは怖くも恐ろしくも哀しくもあるように感じる。

  • 自分の我がどれ程強くなっているのか実感。自分と関係ないことに腹を立て、イライラして、勝手にストレス溜め込んで…。んー。ある意味毎日莫迦みたい。

  • コレを読んでいて、ツレに「人でなしが『ヒトでなし』読んでる!」と言われたのは、私だけじゃないハズ、と信じたい(≧∇≦)
    家族と仕事と住居をなくして捨て鉢で投げやりな中年男が「どうでもいい」と嘯いているのに、次から次へとイカれた連中に絡まれて、好かれて信用されて崇拝されて巻き込まれていく、シチュエーションコメディ。
    当事者には気の毒だけど、側からすれば、人の運命を操る神目線で、面白いことこの上ない…あ、やっぱり人非人?
    終盤で、殺された娘の親として真っ当な感情を吐露するかとハラハラしたが、そんなことにはならず、ホッとした…あ、やっぱり人非人?

  •  相変わらず気の滅入るような話が延々と繰り広げられる。この言い方を変えて延々と続く語り口はもう作者の真骨頂。それを延々と読んでいると、だんだんその気にさせられてしまい、そうだよなあと相槌を打っている自分に気づく。もう術中にはまっている。とまあ、またこの無気力脱力小説かと思ったら、だんだん様子が違ってきた。おおお、人でなしが居直っている。雄弁で饒舌、なんなんだ。人でなしのくせに講釈垂れるなよ、お前何様だよ。どうでもいいんなら黙ってろよ。話を持ちかける方も持ちかける方だが、相手になるなよ。そのいやったらしい上から目線。おまえは神様か。人でなしなら神なのか。なるほどね。それで寺に籠って新興宗教の教祖様に祀り上げられそうになってるわけだ。結局、言ってることは京極堂と変わらないのだが、シチュエーションも人間も大違い。京極堂シリーズを読み続けている愛読者には釈迦に説法の内容をぐだぐだと垂れ流しているだけ。登場人物も脈絡なければストーリーもめちゃくちゃ。京極ボケたんじゃないか。

  • ひとでなしが主人公の本。これに尽きるしこれで一貫している。
    読み終わって荻野側だなと思った。ということは自分は人なんだなと思った。そしてそれでいいと思った。かといってこの本から得るものがなかったわけではなく、人に人は救えないというのはそうだなと思ったし、どんなに頭が良くてもその人には伝わらない、見えないことがあるというのもちょうどそのようなことがあったのでとても納得した。
    京極先生はお子さんはいらっしゃるのだろうか。
    もしお子さんがいらっしゃるのならこの物語を書ける、書けないではなく“書かない”のではないかなと思ったりもした。ちょうど自分が子をもったので思うことであり、そうでなければそうは思わないかもしれないが。

    読み終わって果てしなき渇きと同じような胸に痞えるものがあったが、これはひとでなしの話である。

  • ”ヒトでなし”の男が問題を抱えた人を延々と責め立てる・・・
    という読んでいて疲れる内容でした。

    でも、この人たちの果てはどうなるのだろう、と続きを読みたくなり最後まで読んでしまいました。

    続編もありそうなので楽しみです。

  • 殺人が起こってから、物語が動き出し俄然面白くなる。仏教とはたくさん宗派があるし、個々で考え方も違うだろうが、解脱を現代的な物語にしたらこうなるのか。早く続きが読みたい。

  • 自分が最も病んでいたとき、手にとった本
    京極夏彦は読んだことあったけど、単行本を買ったのは生まれて初めてだった

    主人公は尾田、娘も妻も仕事もなくした男
    『俺は、ヒトでなしなんだそうだ。』
    人を救うのは神や仏、人ではないヒトでなし

  • なにものにも執着しなくなったヒトでなしの話

    人間とは何か 罪とは何か 償いとは何か

    京極夏彦らしい説得力のある言い回しと読者に考えさせる展
    開が重量感のある一冊を飽きさせず楽しませてくれた 

  • ヒトでなしって凄いなぁ(;゜∇゜)娘を亡くし、職も失い、妻に「ヒトでなし」と言われ捨てられた男が回りの人達を救っている!?(゜ロ゜;ノ)ノ本人は「ヒトでなし」として生きているだけだけれど、悟りの境地なのかも!と思った(^^;)京極作品を読むと、普段考えない事を考えるから脳が活性化する気がする(^^)v新シリーズという事は続きが出るのかな~♪

  • 金剛界の章ということで、続きがあるのかな。

  • うーん面白かった。
    見事にちゃんとヒトでなしだった。このヒトでなしに対してかっこいいとかすごいとか思うのはまあ、普通ってことなんだろうなあ。うん、普通です。
    金剛界の章ってことは他の章もあるのだろうか?…胎蔵界の章とか?

  • 人には人は救えない。だから神や仏が必要であり、それゆえ、「ヒトでなし」ならば人を救える・・みたいな論理が意表を突く。

  • この世の本質というか、正論を煮詰めたような思考が、ドワーっと京極節で語られる。文章のヴォリュームはあるけれど、勢いがあるのでグイグイ読めますね。
    “ヒトでなし ”となった主人公、そして寺に居る面々は今後どうなるのでしょう・・。
    キャラでは、個人的に鶴宥が気になります。

  • 相変わらずとても読みやすい京極本。文章て相性あるねぇ。この表紙で金剛界の章と書いているし、この直前に『月神』を読んでいたのでつい夢枕獏の九十九乱蔵みたいなのを連想してしまって読みはじめたが、全く違ってモナドの領域よりな感じやねぇ。宗教蘊蓄というか、思想蘊蓄というか、単に屁理屈というか。とてもうるさいが、ほどよいところで寸止めになったうるささが後半クセになってきて心地よくなってくる。

  • 半ば以上予想はしていたが、やっぱりこの人の書きぶりはくどかった。
    ひょっとしたら紙幅を費やすこと自体を目的として、これだけ言葉を連ねているのではないか、と邪推してしまうぐらいに、主人公を始めとする登場人物の心持ちを修飾する言い回しが重ねられる。
    ストーリーに関しても、京極堂シリーズに代表されるようなミステリーではなく、いわば京極夏彦氏の哲学をスコンと投影したような文学作品に仕上げられており、ペダンティックな表現の数々が美しい様式に収斂されていくいつものカタルシスにつながらない、という点が、特に氏の作品を読み慣れている者にとってもイマイチ消化しにくい一因になっている、という見方もできる。
    一分の隙もない本格として完成された作品ではないが、その中でも物語の終盤、剛腕で以て大方の読者の想像を超えるであろう筋の捻じ曲げをすんなり収めてしまっている技巧はさすが。

  • 家族も職も何もかも失って社会を捨てた男が、なぜか次々と人を救っていく話。
    序盤は主人公の内省というか繰り言がうざいと思ったが、読み進むにつれてヒトや社会の本質について考えさせられて面白かった。たしかに帯にあるように犯罪小説、思弁小説、宗教小説である。
    ちょっと冗長すぎる気もするが、一冊丸ごと壮大なプロローグのようで続編が楽しみ。

  • まだ286
    416 で返却

  • ちょっと目を離したすきに娘を殺された主人公。おそらくそのために感情が麻痺していまうが、妻からは「人でなし」と貶され、離婚されてしまう。財産はゼロになり、もう一人の娘とも会うことはできない。
    そんなヒトでなしが、結果として人を救い、娘を殺した者とも出会い、やがて教祖になっていくさま。

    あらあらずいぶん都合のよい出会いだなーと思うけれど、それが教祖となる者の強みなのかもしれないと思わせる文章。

  • 人でなしが意図せずして人を救っていく、というのはありえないように思うけれど、案外あることかも知れないと思う。
    まさにそんな話。
    しかしハートフルなものでは全くない。
    気分の悪い話が満載、人も死ぬ。
    そのうえ京極らしい分厚さ。
    でも物語のテンポが良く、するすると読めた。
    続きも読みたい。
    ただ、「京極堂」シリーズのようなキャラクターの魅力はあまりない。
    その分、より現実味がある。

  • 短編かと思ったが、人でなしを自覚する一人の男を主人公とする長編だった。
    人でなしを認め、受け入れる序盤では、読み手の自分自身の中の人でなしの部分が見透かされるようだったが、最終話までくると、人でなしの徹底ぶりに感心させられてしまう。
    精神世界、宗教、善悪、感情、道徳、刑罰、、著者らしい語りに心地よさを感じる。
    金剛界の章ということは、続きは胎蔵界の章かな?楽しみだ。
    16-1

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ヒトでなし 金剛界の章の作品紹介

理屈も倫理も因果も呑み込む。この書は、「ヒトでなし」の「ヒトでなし」による「ヒトでなし」のための経典である――。娘を亡くし、職も失い、妻にも捨てられた。俺は、ヒトでなしなんだそうだ――。そう呟く男のもとに、一人また一人と破綻者たちが吸い寄せられる。金も、暴力も、死も、罪も――。犯罪小説であり思弁小説であり宗教小説であり諧謔小説であり、そしてなにより前代未聞のエンターテインメント小説!

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