キッチン・ブルー

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著者 : 遠藤彩見
  • 新潮社 (2015年11月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103396819

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キッチン・ブルーの感想・レビュー・書評

  • 著者の『給食のおにいさん』シリーズが大好きなので、読んでみました。
    タイトルどおり、食にまつわるちょっとブルーな短編集。

    #食えない女
    どうしても一人でしか食事ができない主人公。
    好きな男性ができても、一緒にご飯を食べられない。
    これはつらいね。
    ところが、お~そう来ますか!と言いたくなる方法で、解決できそうな…。

    #さじかげん
    料理が下手で料理教室に通う新妻。
    感想を素直に言ってくれる正直者の夫と、料理上手な義母。
    昔の自分を見ているかのようで苦笑い。

    とくに、#キャバクラの台所がよかったです。
    泥酔してお客様に迷惑をかけてしまったキャスト・スミレ。
    罰として裏方のキッチンで働くことになるのだが…。

    お酒に強いはずのスミレが泥酔した謎を調べていくうちに、
    キッチンで働く仲間たちとも打ち解けていく。
    キャバクラの華やかな表舞台しか知らなかったスミレが、
    「どんな仕事も裏方で支えてくれる人あってこそ。」と勉強できる過程がいい。
    登場人物の名前のオチ、まったく気づかなかった…。

    人は食べなくては生きられない。
    自分の大切な人たちと、楽しく食事できること。
    美味しいものを美味しいと感じられること。
    それはとても幸運で、ありがたいことなんだと気付かせてくれる一冊でした。

  • 料理をモチーフにした話しは多い。
    そして、そういう話しは結構好き。

    「キャバクラの台所」が斬新で面白かった。
    「さじかげん」はすごく良くわかる。

    さりげなく、どの短編にもバーのマスターが出ている。そういうのも好き。

  • 人前で食事を摂れない女性、階下の騒音のせいで味覚障害に陥った女性、豪華な手料理をふるまう女性に振り回される男性…そんな食の悩みを抱えた彼女彼らのエピソードを集めた短編集です。

    こんなふうに「食」の悩みに焦点を絞ってユニークなお話にまとめた小説はあまりないかもしれない…、新鮮さを感じながら楽しく、ときに切なく読めました。

    登場人物も地に足を付けて頑張って生きている、という匂いのするリアルなキャラクタばかりで、自然と彼らを応援したくなるような気持ちにもなれました。

    話にもちょっとしたひねりが利かされていますし、これから楽しみな作者さんだとも思いました。

  • 人は食べずに生きてはいけない。
    食べることは人に喜びをもたらす一方で
    悩みの素になることも。

    ゲラを頂きました。食にまつわるコンプレックスを
    抱えた6人が主人公の短編集。
    人前で食事ができない女性、料理ベタな女性
    偏食、味覚障害など…

    元々、ごはん小説が好きなのでよく読むのですが
    最近おいしいごはんとちょっと謎解きとか
    おいしいごはん+α小説すごく多いですよね…
    その中で少し毛色が違って面白かったです。

    おいしい描写よりも人生や食にまつわる悩みに
    重きを置かれているためか、かなりビターなので
    心がほっこりする本としてオススメは
    できないですが、こういう摂食障害が
    いつ自分の身に起こるかもわからないんですよね…

    作中の主人公たちにはありがたいことに
    ほとんど共感はなかったんですが
    私が食いしん坊なのもありますが
    食事をする、ということが生きていくことにおいて
    どれだけ大きいウェイトを占めているか
    わかりますねぇ…

    給食のお兄さんシリーズ気になっていたのですが
    今回、初めてこの作者さんの作品を読んでみて
    文章も読みやすいので今度読んでみようかと思います

  • 美味しいものを、楽しく、お腹いっぱい食べたい。
    古今東西、人類の願ってやまないことだと思う。
    けれど、それがうまくいかなくて悩んでいる人たちがいる…

    「給食のおにいさんシリーズ」の遠藤彩見さんが、そんな登場人物たちの“キッチンのお悩み”に、包丁を入れたり、優しく包んだり、味付けし直したりする短篇集。

    小柄でお腹だけポッコリ出た、髪の薄い、バーのマスターが神かもしれない、妖精かもしれない。

    一部、問題を起こした人物の方には何の罰のないのが気にはなるが…そこは拘るところではないのでしょうか。


    『食えない女』
    翻訳業・古谷灯(ふるや とう)は、人前でものを食べる事ができない。
    翻訳の専門用語をチェックしてくれる蝦名敏(えびなさとし)と出会い、一緒に外出する仲になるのだが…

    『さじかげん』
    アパレル業の沙代は料理が苦手。
    夫の母はたいへんな料理上手なのがプレッシャー。
    初心者向けの料理教室に通い始めるが…
    「主婦は美味しい料理を作って当たり前」みたいな世間や男性の考え方…嫌ですね。

    『味気ない人生』
    寺田希穂は自宅マンションで行政書士の仕事をしている。
    階下に引っ越して来たカップルの昼夜問わない騒音のストレスから味覚障害になってしまう。
    解決は解決だけど…もやもやする。

    『七味さん』
    カルチャースクールの華道教室で講師たちの管理業務を任される、大前和己(男性)のお仕事小説でもある。
    シフト作りに苦労し、上品仮面をかぶったババ講師たちの派閥争いに翻弄され…
    そんな彼女たちの仮面を剥がす方法とは?

    『キャバクラの台所』
    愛原すみれは人気実力ともに折り紙つきのキャバ嬢。
    …だったが、とんでもない失敗をやらかし、当分の間、キッチンで働くように命じられる。
    転んでもただでは起きない、どんな時でも自分を励まし、気分を盛るすみれが頼もしい。

    『ままごと』
    オバ嬢様の、執念の「ままごと」がホラーですらある。
    SNSに料理の写真をアップするのは流行りではあるが。
    バーでバイトしながら役者を目指す水戸健人は、「ままごとの相手役」から、本物の役者になれるのか?
    さわやかな幕切れ。

  • 人前で食事のできない灯(とも)
    料理が苦手で新婚生活が憂鬱な沙代
    階下の住人の騒音からストレスで味覚がなくなった希穗
    フラワースクールで女性講師たちに振り回される和己
    泥酔で客に粗相をした罰にキッチンで働かされるスミレ
    アルバイト先の常連の社長令嬢に料理を食べてほしいと依頼される、売れない役者のミトケン

    行き詰まり、焦り、怒り、不安定な主人公たちが、最後には前向きになっていく。
    美味しい料理、お菓子の力はもちろん大きいのだけど、料理をするっていう行為の癒しってあるなあ。
    どの話もちょっとミステリアスで、展開が気になりあっという間に読んでしまった。
    さりげなく登場するマスターがいい感じ。

  • 料理と食事に絡めた短編集。
    単純に美味しそうという訳じゃなく、食べられなかったり不味かったり味を感じなかったり油過剰だったり、これは歪な料理の形。

    各話の主人公は皆何らかの悩みを抱えていて、それぞれがリアルなので同じ経験をしていなくても共感しながら読み進められる。
    「給食のおにいさん」シリーズもだけど「食べる事」に色々絡めるの上手いなあ。
    ちょこちょこ登場するバーのマスターが終盤に近づくにつれて味が出て来て、しかも良い人過ぎて、小柄でお腹出たおじさんだというのにほんのりときめく…。

  • 短編によって わかるなぁ~ と思うものもあれば ぎゃ それは無理 と思うものも あり
    人前で物が飲み込めない女性が
    やっと見つけた心の広い人
    でも相手にも すごい嗜好があって・・
    許せるかな・・・これ
    冷蔵庫に入ってたら・・・ちょっと

  • 料理ネタの小説には違いないけど美味しそうという場面は少なく残念。設定がバラバラで次はどんなの?という興味で読了。読後感はいまいち。

  • SNSに次々とUPされる美味しそうな料理。
    美味しいもののためなら行列もいとわない人々。
    そんなものを見慣れてしまっていた私の脳ミソに、
    この小説はガツンとひとつ衝撃を加えてくれました。
    そう、この世の中のみんながみんな
    食べることが大好きで、手料理が幸せの象徴で
    美食万歳なわけではないのだ。
    食べることが苦痛だったり、美味しいものを楽しめなかったりで
    誰にも言えず悩んでいる人がいることも
    心のどこかにそっととどめておこうと思う。

  • 日々生きていくのに不可欠な食。
    窮地に陥った主人公たちが食を通して人とふれあい、明日を生きる活力を取り戻していく。心にそよ風が吹き抜けるような読後感でした。

    6編すべてに登場する「小柄でお腹だけぽっこりと出た髪の薄いマスター」も絶妙なスパイスになっています。

  • (2017/7/12読了)
    食に関する物語が好きなので借りてみた。遠藤彩見さんは多分初めての作家さん。年齢も性別もわからないけど、言葉の選び方に昭和を感じたのでは、同年代かも知れない。
    食に関わる悩み…そういうことで、タイトルにブルーと付けたのかな?
    バーのマスターが全話にさりげなく登場。最終話はそのバーが舞台となってるけど、主人公ではない。
    私自身が料理下手なので「さじかげん」には、深く共感した。
    食べ物の好みが千差万別なように、悩みもそれぞれあると思う。シリーズになっても、話題に事欠かないのでは。

    (内容)
    仕事も優しい夫も手に入れカンペキなはずなのに、料理だけがコンプレックスの女。菓子パンばかりの毎日から一転、怪しい女の美味しい料理にハマっていく男。人前で食事ができないせいで、人付き合いに絶望している女。本音の見えない女性たちのヒエラルキーを、食べる姿で見抜こうとする男。365日食に笑い、食に惑うすべての人へ。後引く美味しさの新食感短編集。

    (目次)
    食えない女
    さじかげん
    味気ない人生
    七味さん
    キャバクラの台所
    ままごと

  • 「食」をテーマにした短編集。
    TV脚本家らしいストーリー展開で、面白く読めます。

  • 食の本質といおうか、突いているところは良いのだけれど・・・
    それぞれの悩みを理解しないではないけれど、共感はまったくない。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14768051.html

  • 特に表題作の 最初の作品がとても面白かった 。 自分の中にある何ともできない こだわり を 社会とうまく 折り合いをつけていく 姿に共感した。

  • 食べることは生きること。生きていれば甘いことも苦いこともあるよね。
    生きてくからには避けてとおれない食べることに纏わる深い悩みを持った人たちが織り成す短編集。
    と言いつつ、少しずつ登場人物はリンクしている。 『ままごと』にもちらりと登場する人付き合いの苦手な派遣社員さんと女性に「うまくいってんのかな」とニヤリ。立ち食い蕎麦屋の小父さんかわたしは。

    『味気ない人生』
    主役の希穂は、なぜだか最初から脳内で片桐はいりさんになり、彼女が哀愁漂うコミカルさで動き回ってくれました。

  • 食にまつわる短編集。

    誰もが【食べる】事で迷っている。
    それは生きることが食べることとイコールだから

    人前でたべれない人

    夫に義母の手料理を地味に自慢されジリジリとした気持ちになる人

    ストレスで味覚障害になる人

    夜中にふと出会うハイカロリーを消費する美女

    キャバクラ嬢が不始末で裏方のキッチンに入ることになり、、、

    売れない役者に料理を振る舞いたがる箱入り娘


    それぞれ最初は苦い、重い話だが最後には肩の力が抜ける。
    そんなに考えすぎるなよ。と

  • 食に関する短編集。読みやすくて、どれも面白かった。さじかげん、夫婦ゲンカのところで泣いた。お互いのちょっとした言い方や言葉のとらえ方でケンカになる。私たちを見てるようだった。

  • そんなに期待してなかったけど意外に面白かった。食ということを考えさせられる短編集。他の話も読みたいと思ったけど、なんとこれが初の単行本らしい。残念…(;ω;)

  • 2016.10.23 読了


    食にまつわる短編集。

    人前では 固形物を食べられない女。
    小数点の位まで 正確に計らないと
    料理できない、しかも その料理が不味い女。
    多大なストレスから、急性の味覚障害に
    なった女 などなど。。。

    どの話も 読みやすかった。
    わかる、わかるな部分もあったし。

    ほんと 食ってどんな状態であろうと
    必ず 生きている限り ついてまわる。

    毎日のことすぎて 軽視しがちになるけど、
    大事なことなんだよなぁ。

  • 表紙のほんわかしたイラストとは違い、食事や料理が楽しい!!という物語集ではないので、ご注意を。

  • ”食”関係の何かしらがキーワードになっている数編の作品群。 敢えて共通して描かれるキャラクター(特徴点?・描写)が存在していて、その点も面白い。
    著者の、以前の作品「給食のお兄さん」シリーズも読んでみたくなった。

  • 16/07/05
    かわいい表紙で心踊る。
    キッチンに立ちたくなるような、誰かのために料理をしたくなるような。「おいしい」は、「たのしい」で「うれしい」、だよね。

    ・人生も食卓だ。起こることは食べ物。心を躍らせる美味も、顔を歪める苦味も、ともに囲む人たちと分かち合う。
    ──そして、何かが生まれる。(P230 ままごと)

  • ≪読んだら次に,何を(誰と)食べる?≫

    個人的に,料理の美味しい映画や小説には素晴らしいものが多いと考えている.
    実際に食べることはできないけれど,描写や雰囲気,比喩なんかでおいしそうな料理と,それを食べる人を感じると,おひさまの光を浴びたときと同じ気持ちになる.
    本作,「キッチン・ブルー」は,ストーリィとしては中々入り込むことはできなかったけれど,やっぱりおいしい料理は人を救うということを再認識する本だった.
    そして,だれが作るか,だれと食べるかも,重要な要素として,幸せや充足感の一部として,大切なものとなっていることが,わかる.

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キッチン・ブルーの作品紹介

こんな食卓、私だけ――?ちょっぴりビターな、大人のための食小説。365日、食べて生きるわたしたち。好きな人といても、仕事や趣味に打ち込んでいても、お腹が空いていては幸せになれないのです。美味しい生活を求め奔走する男女6人、悩みはそれぞれ。偏食、孤食、料理ベタに味覚障害――このコンプレックス、なんとかしたい! 大人気『給食のおにいさん』著者が描く、新食感ごはん小説。

キッチン・ブルーのKindle版

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