銀座の達人たち

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103398066

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  • 早瀬圭一著「銀座の達人たち」新潮社(2006)
    *「泡にかける生ビールの達人」ライオン銀座7丁目店 ビールをグラスにすぐとき、粟を作りながらビールをそっと注ぎ込むようにする。泡に包み込まれたビールが回転するようにグラスの上にあがってきて、継ぎ終わったとき、泡全体の25%ときめてある。きめの細かさも味を左右する。ビールは繊細な生き物である。泡にすべてが現れる。小グラスにいっぱいつぐのに要する時間は4秒ほど、冷え具合は4度くらいが理想である。つぎたてをすぐに飲むこと、なるべく早く。したがって、おいしいビールをのむには中ジョッキなどではなく、小さグラスでおかわりをしたほうがうまい。
    *「文士の愛した伝統の西洋料理店」銀圓亭 牛タン塩漬け、イワシのマリネ2種類、鱚のチーズ焼き、ほかに何かもう1品。そしてコンソメにハヤシライス、白ワインをグラスで3杯くらいというところか。ワインの種類は白、赤とも飲み頃のものを4〜5種類。数をそろえてもよほどの専門家ではないとわからない。料理より高いワインはおかない。一本で6杯くらいがグラスワインの通常の量だが、ここは4杯くらい。グラスにたっぷりとつぎたいからだ。
    *「人生の達人」は口舌鋭く包丁も冴える 三亀 割烹料理である。割烹というと敷居が高そうだが、きわめて入りやすい雰囲気である。居心地のよさは抜群で、料理も刺身、煮物、焼き物、つまみ、どれをとってもうまい。主人は、常に筋の通った正論をはく。硬骨漢、常識派、うるさ型として銀座で有名な南條だ。
    *「大衆に愛される天ぷら一筋40年」 銀座ハゲ天 天ぷらは日本の代表的な料理としてすぐに頭にうかぶだろう。まず頭に思い浮かぶのが、日本橋三越近くの路地を入った「はやし」、茅場町の「みかわ」、赤坂の「楽亭」、銀座の「近藤」などがある。天ぷら、鮨、そばは、それぞれ好みがあり、うんちくを傾けだすときりがない。良心的価格という点では、「みかわ」に軍牌があがる。さらにその上をいくのが「銀座ハゲ天」である。いわゆる高級天ぷらではないが、小難しいことをいわなければ、良心的な価格で満足しておいしい天ぷらを堪能できる。目の前であげてくれる席もあるので目でも楽しむことができる。2代目も慶応の大学院を出てハゲ天に就職。3代目は、慶応のあと、米国のジョージワシントン大学でMBAを取得したあと、ハゲ天に入社したあるいみエリート天ぷらである。

  • 銀座の老舗の主人にインタビューして、こだわりやら歴史やらを
    聞いたエッセイ。人に歴史あり。特に銀座と言う特別な街で
    生きてきた人には一本筋が通った哲学がある。

    ・ライオン銀座七丁目店・・・いかに旨く生ビールを注ぐか。
    ・銀円亭・・・伝統の西洋料理店
    ・シャンソニエ「マ・ヴィ」・・・30年以上歌い続けているシャンソン歌手
    ・カフェ・ド・ランブル・・・こだわりのコーヒー店
    ・竹葉店・・・うなぎと魯山人

    サンモトヤマ、三亀、江戸指物、壱番館洋服店、ペリニィヨン、ガレリア・グラフィカ、・・・。

    せっかく近くに勤めているので、機会を見て覗いてみたい。

  • 幕末の日本橋から現代の銀座に飛んで,老舗名店の主人たちの短い評伝集.しかし私は本書に出ている中ではハゲ天とサヱグサとサン・モトヤマと天賞堂ぐらいしか知らないなぁ.それにしても銀一カメラが何で出て来ないのだw カメラ抜きの銀座なんざ魅力半減だぞ.
    本の性格上已むを得ないのかも知れないが,基本的に個人商店に偏していて,銀座の一方での顔と言うべき伊東屋とか和光や各デパートのような組織体のキーパーソンが出て来ないのには不満が残った.また巻を通して懐古趣味的で,どうも未来の銀座のヴィジョンが見えて来ないのもスッキリしない.

  • 銀座のお客様をお相手している自分にとっては、ためになった。銀座の歴史、人物、名店などが細かく紹介されている。

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