ニセモノの妻

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 362
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103400318

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが気になりすぎて借りてきたけど、世にも奇妙な話っぽくて好きでした。
    表題「ニセモノの妻」
    本物とニセモノがいる世界。
    ニセモノは見つけ次第一ヶ所に集められて、二度と見ることはないらしい。
    主人公の奥さんが急に自分はニセモノかもしれないと言い出して、本物を探し始めるお話。
    .
    奥さんが本物かどうか...ってそんなに大切かな?
    結局一緒に過ごしてきた時間が長い人が家族なのかなとぼんやり思った。

  • 非現実的な世界の4組の夫婦の話。

    購入した分譲マンションで他の住人と会えない夫婦

    「私はニセモノかもしれない」と言うニセモノの妻と本物を探す夫

    妻を含んだ謎の団体に、家の前の坂道を占拠された夫

    断層の向こう側に行ってしまった妻との残り少ない時間を過ごす夫

    どれも不思議な話。
    あり得ない世界のストーリーですが、そういうものと思って読むと面白いです。

  • 相変わらず、変な物語を書くなぁ、としみじみ思う。
    ある日突然、何から何まで本物そっくりの「ニセモノ」の人間が出現してしまうという伝染病が発生した世界を描いた表題作の他、唐突に「断層」に分断されてしまった日常など、なんとも言えない不思議な風合いの短編が収められている。
    読み終えた後、まさに狐につままれたような・・・そんな気分になる。

  • まず「ニセモノの妻」という言葉に惹かれて読む。短編集だった。日常の中にありそうでない設定がなんともいえず、特に「坂」の話なんかは、無くはないか…と言うところのぎりぎりを責めている。常識にとらわれずに、想像の範疇をすごく超えて発送する著者に脱帽する。

  • 表題作のドラマチックな展開は少し違和感が。淡々とした「終の筈の棲家」が好みでした。

  • 星新一っぽいのもあった。

  • 初、三崎亜紀。

    4作収録の短編集。日常モノとSFとファンタジーとホラーが融合した世界。
    世にも不思議な物語…いや、エヌ氏が出てくる星新一作品が一番近いか。そういや4作に出てくる登場人物の没個性な描き分けも似ているなぁ。

    まとめてたくさん読みたいって思える小説ではないが、こういう不思議な味わいをもつ小説もたまには読んでおきたい。アイデア勝負の小説って質が高いものに中々巡り合えないが、この作品を読む限りまぁまぁのレベルは期待できるのかも。
    もうちょっと追いかけてみることにする。

  • 図書館にて。
    いつものこの作家の不思議な世界を堪能した。
    現実にあるような出来事の中に非現実や非常理をするりと紛れ込ませて、どうしようもないところへ登場人物を追い込む流れは相変わらずうまいと思った。
    いつもどうしようもなく、主人公は抗えずに不思議だなと思いつつ受け入れていると感じるのだが、今回のラストの作品「断層」はもしかしたら大震災のことを言っているのだろうか、現実が突然寸断される恐怖、不条理が淡々と描かれていて辛かった。

  • 不思議な話4編。表題作「ニセモノの妻」が一番面白かった。

  • 短編でも面白く興味深くよめた。

著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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