贋作・桜の森の満開の下

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103405085

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  • 八月納涼歌舞伎、観劇の記録。
    野田秀樹率いる夢の遊眠社の代表作を、歌舞伎にアレンジしたもの。

    今は亡き中村勘三郎と約束したものの、歌舞伎として公演することが叶わなかった舞台。それを息子の勘九郎、七之助が演じるといういわくつきの作品で、早々にチケットも完売。野田ファンも少なくなかったようで、いつもの歌舞伎座の客層とはちょっと違った。
    かつては野田の演じた役を、勘九郎は真面目にこなす。七之助は、やはりもう少し凄みがほしい。ラストの桜のシーンは、滅びの美しさが見事だった。

    初めて観た夢の遊眠社の舞台が、この作品だった。大袈裟でなく、芝居の概念が根底から覆されたと感じ、目眩がした。
    野田秀樹の機関銃のような言葉の羅列、それも暗喩や言葉遊びがふんだんに盛り込まれ、頭が追いつかない。胸も頭も満杯になりながら必死に舞台を観たあとは、放心状態で頭痛がするほどだった。
    身体能力をフルに用いて動き続けていた若い野田秀樹、狂気を振りまく毬谷友子の姿は、今も焼きついている。戻れるなら、あの舞台を何度でも観てみたい。

  • 難解な野田さんワールドだけど、躍動感と緊張感とエネルギーいっぱいの野田さんの舞台は、それだけでちからをもらえた。わからないことが残っても、考える、それこそが大切だったといまあらためて思います。

  • 歌舞伎で『野田版桜の森の満開の下』を観て、戯曲を読みたくなったので。
    なるほど、台本の方が言葉遊びの粒は際立つけれど、あの重ね方の疾走感はやはり舞台の方が明らかか。
    ダブルトリプル当たり前な言葉遊びのミーニングに翻弄されました。
    抜けるような、覆いかぶさってくる青空に、焦がれ、恐ろしくなる。
    「国姓爺合戦」も収録、ラッキー。

  • (1992年)
    — 目次 —
    贋作・桜の森の満開の下
    野田版・国性爺合戦

  • 違う世界だ。
    私の見る世界じゃないけど、素敵。

  • 「贋作・桜の森の満開の下」はもちろんのこと、
    2作目に収録されている「野田版・国性爺合戦」
    これが素晴しい。
    野田さんの言葉遊びはいつも感動だけれど、この話は特に印象深かったです。

  • 私は、安吾の桜の森より、野田秀樹のこの戯曲の方が思い入れあるな。

  • 坂口安吾の「桜の森の満開の下」の野田版戯曲。「今日でなくちゃだめなんだ」という台詞が今も耳に残っている。ビデオあり。

  • 昔、深津絵里と堤真一が主演の『贋作・桜の森の満開の下』を観たことがある。エンターテイメントであるのに観念的である野田秀樹の世界の魅力や、言葉遊びのおもしろさが、芝居を観るのとは違い、読むことによってまた味わうことができた。坂口安吾の物語の幻想性はまったく失わないまま、まったく違うモノとして「おもしろい」ものを作り上げてしまう、その才能がスゴイ。

  • 演劇をやってる妹に勧めてみた。

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著者プロフィール

2018年10月現在
東京芸術劇場芸術監督、多摩美術大学教授。
劇作家・演出家・役者。

「2018年 『野田秀樹×鎌田浩毅 劇空間を生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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