ロマンティックあげない

著者 :
  • 新潮社
3.86
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本棚登録 : 557
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500117

作品紹介・あらすじ

日常に溢れる「小さな違和感」をプチプチ退治。注目の新鋭作家による爽快エッセイ! テイラー・スウィフトのギラギラした目に夢中。ポニョは果たしていい名前なのか。岩館真理子のワンピースを探して。フィギュアスケートのおかしな実況。パスタセットにバゲットは必要か。「写真はイメージです」の不思議。どうしてハートをあげるのは女の子だけ? 共感度満点のクセになる49篇。

感想・レビュー・書評

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  • 「うん、まつだせいこ?パロディのペンネームなのか」と思ったが、松田青子「まつだあおこ」だった。
    若い女性作家・翻訳家だそうだが、若い素直な感覚のままに映画、YouTube、洋楽や、身の回りのことについての思いをすらすらと綴っている。面白いと言やあそうなんだが、まあなんも残らんと言えば残らんなあ。若い人向けの雑誌のコラムの感じか。

  • こんなにおもしろいエッセイよんだことないよ!

    映画に詳しくないので、映画の話にはついていけなかったけれど映画も見たくなった。テイラー・スウィフトも聴いてみたい!

    声をだして笑ってしまった。

  • 最近、サクサク読める女性著者のエッセイみたいなのが好きなのと、洋楽海外ドラマ映画等々のネタが多くて、楽しく読んだ。

    とにかく、マシューボーンのバレエを全て見たくなる。あと、フェミ曲ミックスCDが欲しい。タイトルメモメモ。テイラースイフトは、そんなにファンではなかったが、見方が少し変わりました。

  • 図書館でなんとなく手に取り、なんとなく借りたがこれが正解。
    映画や本の趣味が私と合う!
    フェミエッセイも「そうそう、そうなのよねー」と頷くことしきり。
    しかしそのフェミ部分が濃すぎ、私のような若輩者には疲れる。
    著者とおんなじ濃度でないとついてゆけんかもしれない。

    気に入ったエピソードは『マットを担いで歩く女の子』。
    ほんとの強さとかしなやかさとかってこれだなーと思った。

  • テイラー・スウィフトにはじまり、テイラー・スウィフトに終わる、フェミ的メッセージがところどころに散りばめられたエッセイ。いやいや、私たちには松田青子もいたわ、と頼もしいかぎり。
    エッセイははじめてですが、小説(『スタッキング可能』と『英子の森』)は2作ともすごく好きでした。

    「フェミ曲ミックス Vol.1」
    松田氏の定義によると、フェミ曲とは、「これまでの社会通念、固定観念などを変えていこうという強い意志が見える曲である。例えば、あみんの『待つわ』(私待つわ いつまでも待つわ たとえあなたが ふり向いてくれなくても)、都はるみ『北の宿から』(着てはもらえぬセーターを 寒さこらえて編んでます)などは、非フェミ曲である。これに対し、「待つな!」「編むな!」と歌い上げているのが、フェミ曲である。」とのこと。
    たしかに『待つわ』や『北の宿から』的な価値観が「女性の美徳」とされたのではたまらない。世の中的にこういうのが美化されたり理想化されたりしているのは問題だが、でもまあ、これはあくまでも歌の世界のことであって、もはや化石化した価値観であり、現実世界の女子たちはみな、ふり向いてくれない人をいつまでも待つはずもなく、さっさと次に進んでいたり、着てももらえぬセーターを編んだりするような真似はせず、あんたが着ないなら別の人にあげるわとか、自分で着るわとか、そもそも編むより買ったほうが早いわとか、そんな感じなんじゃないかな?
    とはいえ、松田氏も指摘するように、こういう「非フェミ曲」を日常的に聴くのはやはり精神衛生上よくないと思う。『待つわ』や『北の宿から』を日常的に聴く、というのもかなりレアなケースかとは思うが。。非フェミ曲=「堪え偲ぶ系」ということでいえば、最近の流行歌でもまだまだ結構あるのかも、非フェミ曲。あと個人的に付け加えたいのが「偽フェミ曲」。西野カナとか。若い女性から絶大な支持!とかいうけど?? 妄想上の「あなた」を持ち出してひたすら「可愛い私」をアピールしている、ナルシズム全開の「偽フェミ曲」じゃないか!「受け身」で「待ち」な姿勢は、本質的には変わりません。

    とにかく、価値観の刷り込みは危険です。
    「フェミ曲ミックス」のナンバーは、私も知ってるおなじみの曲もあり、ちゃんと聞いたことなかった曲やまったく知らない曲もあり…。テイラー・スウィフトはこっそり聴いていたのだけど、なんとなく気恥ずかしくて人には言えなかった。でもこれからは声を大にして言おう、「テイラー・スウィフトが好き!」

    その他、海外ドラマや映画のことなど。知らないタイトルや名前がたくさん出てきたので、スルーしたり、メモったり。他は主に、日常の中で気になったことなど。フィギュアスケート愛も。どこか皮肉的なユーモアが漂う、あの独特の語調(松田節?)で語るものだから、こちらはニヤニヤが止まらないし、ときには吹き出してしまったりで、電車の中で読むには向かない一冊。
    元気が出ました。

  • アメリカの音楽・ドラマ・映画・演劇等の話がたくさん出てくるが、それらに詳しくなくても楽しく読めるところがすごい。読んでて気持ちがいいし、なんか勉強になった気もする。フェミニズムにもいろいろなノリがあるが、こういう風通しの良い、良い意味で「蓮っ葉な」フェミニズムが世界を変えていくのかもしれない。

  • まだ出だしなんだけど、既に最高。読み終わったけど、最高。この視点や感性が好き。ユーモアがあって、日々の事柄を私もこんな風にみたい、と思う。元気でます!もっと他の作品も読みたい!

  • エッセイを読むとよくわかる、日頃感じたことが小説になっているのだと。その視点と、また言ってるわみたいなしつこさが作家の資質なのだろうか。

  • 県立 立山

  • テイラーに始まり、テイラーに終わるとても良い本。シスターフッドの尊さにぐっとなる。力が出るよ

  • 先生おすすめ本('20.1掲載)

  • 『おばちゃんたちのいるところ』で衝撃の出会いをしたけれど、なんとなく(そのとき忙しかったのかなぁ)いつもやるみたいに作者をリサーチしたり他の著書を探したりしないままだった松田青子。

    でもずーっと脳内に「あの本とても好きだったなぁ」というのが引っかかっていて、この間読んだ『問題だらけの女たち』の訳者が「あ!アレの作者だ!」という流れで再会するにいたり… エッセイを読んでみたらやっぱり大好きだった。

    しかも、作者の日常や考え方、感じ方、おもしろいと思うポイントなどが綴られるから、作品そのものはもちろん本人にとても興味が出て、今度こそググったらたまたま最近のインタビュー記事など出てきて、また興味が増している。

    たぶんこの後連続して読んでしまうな。


  • おもしろかったです!

  • 松田青子さんのエッセイ。

    松田さんの、曇りない、だけどひねくれた世界の切り取り方がとても好きだな。
    ちゃんと自分の目で世界を見て、違和感を覚えたことを忘れない。どうでもいいことからとても大事なことまで、その違和感を忘れない。言語化する。

    私も美容院で歳時記読も。

    mattress performance

  • 目の付け所が新しくてで表現が身近なエッセイ
    男性やからかもやけどフェミ部分はしんどいとこもあったかな

  • 2020年10月
    『スタッキング可能』の大ファンである。どこにでもある日常と漫画オタク的な表現に感動して著者に勝手に親近感を持っていた。同世代でもある。
    けれど、このエッセイでは一線を引かれてしまった気がする。この頃の著者はセンスのいいインテリとの実のあるコミュニケーションしか取っていなかったのだろうか。わたしが違和感を覚えながらも周りに愛想を振りまきあいまいな笑顔で相槌を打つという虚しいコミュニケーションを取っている時に。寂しい!(いや一緒に不幸になれみたいなのはおかしいぞ、わたし。自己ツッコミ)
    「SWAN LAKE」への狂気じみたハマり方には共感するし、ウィットに富んだ文章…にプラスして漫画的なジョークはついつい笑っちゃうし、大好きなんだ松田青子。だからやっぱり寂しいよ!町に出てきて!

  • 面白い!画像はイメージです。からこんなに話広げられるなんて。電車ん中でニヤニヤしちゃうエピソード多数。

  • 文学

  • 40:松田青子さんのエッセイが大好き。タイトルからしてハイセンスすぎて泡噴きそう。今回も「画像はイメージです」の考察からスワンレイクへの傾倒ぶりまで楽しく読めました。好きなものを好きと言うエッセイなのに、どうしてか品があります。映画好きさんにもお勧めしたい。

  • 松田青子さんのエッセイ。彼女の小説の世界観に通ずる感性です。

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著者プロフィール

作家、翻訳家。著書に、小説『スタッキング可能』『英子の森』(河出書房新社)、『おばちゃんたちのいるところ』(中央公論新社)など。2019年、『ワイルドフラワーの見えない一年』(河出書房新社)収録の短篇「女が死ぬ」がシャーリィ・ジャクスン賞候補に。訳書に、カレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』『レモン畑の吸血鬼』、アメリア・グレイ『AM/PM』(いずれも河出書房新社)など。

「2020年 『彼女の体とその他の断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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