FEED

  • 87人登録
  • 3.85評価
    • (6)
    • (19)
    • (7)
    • (2)
    • (0)
  • 26レビュー
著者 : 櫛木理宇
  • 新潮社 (2016年5月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500414

FEEDの感想・レビュー・書評

  • 二人の少女の物語。同じような立場だったのに、まったく違う人生を歩むようになってしまった彼女たち。でもその運命を分けたのは、もしかしたらただの運や巡りあわせでしかなかったのかもしれません。それこそ「出会い」によってその人の人生がどれほど左右されてしまうことになるのか、というとても恐ろしい物語でした。
    「地獄」と形容されるような境遇も、決して絵空事という気がしなくて。ほんのすぐそこにあって、一歩間違えれば足を踏み入れてしまう、そんな感じ。それほど愚かじゃなくても、そして悪人ではなくても、落ちてしまうことがあるのだというのが悲しくてしかたありませんでした。
    はらはらどきどきしながら読み進みましたが、それでも雰囲気は悲嘆に満ち満ちていてつらい一冊。でも読んでいる最中も読んだ後も、不快ではありませんでした。

  • こういう感じの本書く作家さんだったんだな。なかなかに恐かった。一気に読めた。
    やはり、教育、知性は大事だ。考える力。世界は広い。くだらない大人を何とかしなければ子供を守らなければ。憤りを感じた。秀作。

  • 胸クソ悪さを求めて図書館へ。
    しかし櫛木理宇にしては胸クソ悪いという感じではなかった。
    とはいえスッキリというわけでもなく、櫛木理宇らしさはあった。
    フィクションではあるが妙にリアル。
    実際にあった事件を思い起こすような部分もあるが、それ以上に彼女たちがリアルなのかも。
    ああ確かにいるよなあという、周りに普通にいるよなあという感じの彼女たち。
    幸せに向かっている彼女と不幸のどん底に落ちてしまった彼女。
    違いはなんだったのか?
    どこかで選択を間違うとどうにもならなくなる。
    なかなかの作品であった。

  • 最初はすごく気持ち悪い展開。そして読んでいく毎に一体最初のは何だったのか。あの描写は必要だったのか。私はすごく気持ち悪かったので、あれはできれば読みたくなかったものなので、その存在意義を問いたかったのですが、読んでいくにつれ、こういうことかと怖くなりました。
    あとは淳平に幸せになってほしい。あの子がかわいそうで仕方がない。頑張ったんだろうなぁと。好きな子に振り向いてもらえるように自分自身を奮い立たせて。道は間違っていたけれど、頑張った彼はすごかった。

  • なんか、凄い話しだった…
    早く逃げて!早く、って思いながら読んだ。
    2人の運命を分けたモノは…賢さというより心の強さだったのか

  • テンポがよくて凄惨な内容なのにぐいぐい読み込んでしまった。
    そしてすごく怖い話だった。ものすごく面白かったけど、人には勧められない作品。

  • 伊沢綾希は型にはめることを信条とする父を嫌って家出をして,同じような境遇の者が集まるグリーンビラに住んでいる.最低の生活だが同室の関井真美と辛うじて友達関係を持っている.ビラの男たちは怪しい仕事をやっているが,綾希はあまり関心を示さない.あることで喫茶店のオーナー長谷川季枝と知り合い,支援をしてもらう.一方真美は宇田川海里の子分になり奔放だが惨めな生活を続けている.綾希は季枝の息子・陸とほのぼのとした関係を続け,やがて弁当屋さんでしっかりした仕事を始める.真美が絡むグループは嫉妬が行き交う最悪の関係で,最終的に海里の妬みでリンチされて死んでしまう.このような環境で辛うじて生きている若者が実在していることは事実だろう.若者に光を当てるような政治が必要だ.

  • 85点

    嘘が充満し、盗みが横行。信じられるのは自分だけ。社会から弾き出された人間ばかりが住むシェアハウスで、わたしたちは友達になった。居心地わるくないかも。そう思い始めていた。だって、知らなかったし―。あんな人が、この世界にいるなんて。ハナシテ、イタイ―ねえ、わたし、餌になるために生まれてきたの?少女たちの友情と愚行そして後悔。つまり、青春の全記録。

    「BOOK」データベースより


    ノンシリーズ。ノンシリーズではどういう訳か、少年犯罪、犯罪における現在のネットの位置付けなど、おそらく櫛木さんが興味がある分野であろうと思われるポイントを上手く絡ませながら、
    二人の少女が交わり、少しずつ離れ、やがて離れてしまうまでを、テンポ良く独特のしっとりした文体で描かれている好みの作品。


    『世界が赫に染まる日に』と比べると、櫛木さんの文体が少女二人の内面を表現するのにフィットしていて、また扱っているテーマが少年犯罪など重なる部分が多いのですが、こちらは調べた内容をそのまま載せるのではなく、小説の中で読ませる形になっている点が優れていると思います。


    最初に結末らしきものが描かれて、時が遡って時系列を追って物語が進むのも櫛木さんの定番のスタイルですが、相変わらずこれはドキドキします。
    どこかで自分が考えている結末と逆転するのかしないのかと。とは言えこの小説はそこまでそれを意識しなくても楽しめるものだとも思います。

  • 怖かったー。
    怖くて一気読み。

    似たような境遇にいたのに、
    おなじような環境だったはずなのに、
    ほんの少しのズレがその後に大きなズレになって、
    取り返しのつかないことに…。

    「利口だ」とか「愚か」って、
    持って生まれたところと環境と、どちらによるんだろう。

    同じ場所に住み、同じように何も持たず、
    同じことで笑っていたのにね。切ない。

    自分と違う世界のようで、何かが違えば落ちてゆく世界。

  • 噓が充満し、盗みが横行する、社会から弾き出された人間ばかりが住むシェアハウスで、二人の家出少女は出会った。生き残るために寄りそうが、やがて運命は分岐する。生と死に…。
    もし世界の終わりが明日だとしても、ぼくは今日林檎の種子を蒔く。そんな心境になりたい。

  • 面白かった。
    ・・・と書くと、不謹慎な内容で、かなりヘビー。
    読んでいるとつらくなる内容ではあるけど、今の世の中で貧困にあえいでいる若者の姿がしっかり見えてきた。

    家出してシェアハウスで暮らす少女、綾希。
    シェアハウスなんて言うと聞こえはいいけど、彼女に与えられたスペースは2階ベッドの1スペースのみ。
    トイレ、風呂のみならず冷蔵庫も共同で、貴重品を入れるボックスにはちゃちな鍵がついているだけで、誰でもその気になれば開けられる。
    そんなシェアハウスで暮らすのは綾希と同じように家出した少年、少女や行くあてのない人たち。
    そのシェアハウスに眞美という少女が入居し、二人は仲良くなる。
    やがて、綾希はふとした偶然からコーヒーショップを営む女性と知り合い、そこから別の生活への糸口をつかむ。
    一方、眞美は海里という女と知り合い、どんどん転落の道を歩むこととなる。

    同じ所からスタートして全く別の人生を歩むこととなった二人の少女。
    冒頭、ひどい暴行を受けて死んだという少女の画像がネットに出回ってそれを綾希が見ている場面からこの話は始まる。
    そして、読んでいく内にどんどん堕ちていく眞美を見ていると嫌な予感がつのる。
    そうじゃなければ・・・と願いつつ読み進める。
    結論は知っているけど、その過程でしっかりと読ませてくれた。
    これでもか、とどん底に生きる人々の悲惨さを描いてていて、読んでいてつらくなったりしんどくなったりする人も多いかもしれない。
    だからこそ、あまりに違う人生を歩む事になった少女の姿がぐんと胸に響いた。
    それこそがこの本で作者が言いたかった事なんじゃないかな?と思う。

    綾希は賢い。
    眞美はいい子だけど、考えが浅い。
    その場の雰囲気で流されてしまう。
    これを見ると、育った環境やもともとの性格もあるけど、ちゃんとある程度の教育を受けているかどうかというのも大きいように思った。
    もし、眞美がちゃんとした教育を受けて、もっと自分の頭で考える力があったら・・・。

    大変などん底状態から這い上がるのはしんどい。つらい。
    それに比べて堕ちるのは簡単だし一瞬。
    だからそっちに流れる方が多いのも分かる。
    だけど、どこかの地点でやっぱこれはヤバい・・・となる。
    そこからは楽しい事が苦しみに変わっていくー。
    自分の心に最後の最後で気づいて嘘がつけなかった眞美。
    悲しいけど、彼女を救う事はできなかったと思う。
    やるせなく、ハードな内容だけど、ちゃんと問題提起していて、読ませてくれる本だった。

  • 両親から逃れるために家出をした綾希が住処としたのはシェアハウスグリーンヴィラ。そこに住むのは社会からつまはじきにされ、そこで生きていくしかない人々。警戒しながら生活しながらも、眞実という、賢くはないが優しく明るい少女と出会って少しずつ心を解いていく。しかしそのシェアハウスは、少女たちが思う以上に、地獄の入口だった。

    幸せなシーンと不幸せなシーンが交互に畳み掛けてくるラストが本当に悲しくて辛い。二人の分かれ道はどこだったのか。

  • 一見、朗らかで楽観的な少女と地味で(でも大人しい訳じゃなくて)リアリストな少女。メインキャストの陰陽。そして、二人が行き着く先の陰陽。

    光と影をくっきり描くから、読んでる方は余計「ぁゎぁゎ……(T0T)」ってなるのよねー。毎回怖いもんを書くわー。

    付き合う人間は大事。
    転がる岩を止めるには、生半可な力では無理。

    集団リンチに加わるのも、野次馬になるのも、主体的にやりたくて参加した人数を想像するとうすら寒くなる。

  • 櫛木さんの今回は 本当に辛く重く そして今この時にも起こってるかもしれない物語を描いている。きっと櫛木さん自身も描いている間 とらわれていたかもしれない。

  • 家出して出会った二人の少女のそれぞれの物語。冒頭で辛い結末が待ち受けている事はわかっているのに、それでもページをめくる手は止まりません。人生の分岐点について深く考えさせられる一冊です。

  • 櫛木さんらしい、重い話、シェアハウスの生活、実際におこりそう。綾希さん幸せになってほしい。

  • 櫛木理宇さん、本当期待を裏切る、いい意味で。そして今回は彼女の作品の中で最もえげつない。酷いを通り越している。残酷すぎて目が眩む。プロローグからページを捲る手がなかなか進まなかった。途中何度もやめようかと思ったし、吐き気もした。

    広島の少女たちが起こしたリンチ殺人事件を彷彿させます。LINEのやり取りがやたら報道されてましたよね。

    家族に失望して家を出た少女二人の行く末がこうも違うのか、と愕然した。泣けるほどに。
    眞美は素直で純粋すぎた。馬鹿で馬鹿でどうしようもない世間知らずで語彙が足りなすぎた。いい子だったよ、って思う。
    綾希の誕生日、そして眞美のリンチの日の描写を交互に行う手法、最悪だって思った。最悪すぎて苦しくなった。悪い作家だなと思った。

    エピローグで綾希が眞美が殺されることになった決め手を週刊誌で知り、自惚れではなく自分だと感じたところに思わず目頭が熱くなった。

    好きなのは、季枝がいった
    「女の子は父親から逃げるため、やさしい男と結婚したつもりでした。でも、〝ほんとうにやさしい男〟がどんなものか知らなかったから、〝やさしさ〟と〝弱さ〟の違いがわかっていませんでしたとさ」
    というところ。響いた。すごく。

    櫛木理宇さんの赤と白を読んで、この作者絶対性格悪いわ〜って思ってます笑。あれは序の口だったなと思うほどにどんどん黒い作品ばかり描くからメンタルついてけない笑
    ただすごいのは、グロいだけでなく、厭な描写だけでない、残るものがたくさんあるところ。訴えたいものが伝わってくるってこと。一週間たったらまたこの作品への評価変わるかも。
    読後すぐと、しばらく経ったあとでは多分考えが大きく変わりそう。そんな作品。

  • いちばんの親友って誰?あなたは訊く。餌を見るみたいな目でーねぇ。
    友情ってそんな関係だったっけ?
    最底辺のシェアハウスで二人の家出少女は出会った。
    生き残るために寄り添うが、やがて運命は分岐する生と死に…。

    16歳の伊沢綾希は高1の冬休みに貯金百万円を持って家出し、
    家賃の安さ・敷金礼金保証人がいらない、年齢制限がないのを理由に
    「シェアハウス・グリーンヴィラ」に逃げ込んだ。
    住人は皆モラルが低く、嘘が充満し盗みが横行する最底辺のシェアハウスだった。
    そこに、同世代の関井眞実が入居し、二人の間には友情が芽生え始める。
    住み心地最低のシェアハウスを直ぐにでも出て行きたいと仕事を探すが、
    身元が不確かな未成年の二人にはまともな就職先がみつからない。
    社会から弾き飛ばされた者たちで作られる疑似家族…。
    二人は些細な行き違いから歩む道は分岐してしまう。
    綾希は、警察に追われて逃げ込んだ喫茶店の店主・季枝に出会い
    お店に通い詰めるようになる…。
    眞実は、シェアハウスオーナーの知り合いの同世代の海里の、
    華やかな雰囲気に呑まれて彼女へ心酔していく…。

    プロローグから悲惨で辛い結末が描かれている。
    どうしてそうなったの…?怖いのに引き付けられた。
    読んでるのが辛くて気持ち悪く、怖い。不快でたまらない…。
    本当にこんな世界があるのだろうか…?嫌、あるのだと思った。
    家出を選択せざるを得ない酷い家庭環境。
    家出した少年・少女に甘い言葉を掛けて利用し搾取する最低の大人。
    二人の明暗をわけたのは、運の要素も大きかった。
    人生って運に左右されるところが大きい。
    人生の岐路に立たされたとき、正しい道を選べるかどうかは、
    意志の問題だけじゃない。
    その選択肢を得られたことそのものが幸運なんだ。
    残酷なまで二人の対比描写は凄かった。
    綾希の幸せな姿にホッとしたし、これからの幸せを願わずにはいられなかった。

    ★の数も悩みましたが、読むのが辛いのに最後まで読まされてしまった。
    好きな作品じゃないし、読後感も悪いけどここまで描くのって凄いと思った。

  • 二人の少女の対比が余りにも残酷で読後放心してしまった

全26件中 1 - 25件を表示

FEEDを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

FEEDを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

FEEDを本棚に「積読」で登録しているひと

FEEDの作品紹介

いちばんの親友って、誰? あなたは訊く。餌を見るみたいな目で――ねえ。友情って、そんな関係だったっけ? 家出したふたりの少女が出会ったのは、噓が充満、盗みが横行する最底辺のシェアハウスだった。社会から弾き飛ばされた者たちで作られる疑似家族。居心地、けっこういいかも。だが些細な行き違いから、歩む道は分岐してしまう。喰われる側に墜ちた少女は、やがて――。少女たちの友情と愚行そして後悔、つまり、青春の全記録。

FEEDのKindle版

ツイートする