しんせかい

  • 503人登録
  • 2.57評価
    • (7)
    • (21)
    • (79)
    • (53)
    • (32)
  • 99レビュー
著者 : 山下澄人
  • 新潮社 (2016年10月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103503613

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
中村 文則
朝井 リョウ
ピエール ルメー...
原田 マハ
今村 夏子
柴崎 友香
西 加奈子
池井戸 潤
宮下 奈都
又吉 直樹
米澤 穂信
東山 彰良
本谷 有希子
塩田 武士
森 絵都
平野 啓一郎
滝口 悠生
今村夏子
朝井 リョウ
有効な右矢印 無効な右矢印

しんせかいの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 富良野塾ってどういうものなのか、意識の中にちょっとはあって、それが題材という事で私は読みやすかったです。

    文章の流れが私にはなぜか心地良かったし。

    試験を受けに行く前日の話も変わってて面白かった。

  • 徐々に主人公が【先生】に感化されていく過程が表現されていた。
    特にラストシーンは、【先生】の描くドラマを見ているような錯覚を覚えた。

  • 面白くないという人も多いけど、個人的には嫌いではない。
    しかし、脚本ならいくら言葉が少なくてもセットや音響や照明や役者の演技で物語を深めることができるけど、これは。純文学は書かれていないところを読み取るのが重要だとわかってはいるけど、もうちょっと書き込んでもいいんじゃないかと思わずにはいられない。
    これに比べれば『火花』なんか、同じ実体験ものではあるがかなりちゃんと書いてあったなあと思う。
    かなりあちこち端折って書いてあるけど、当時の倉本聡のドラマの人気は相当なもので、ものすごい倍率を勝ち抜いて入塾できたわけだから、せめてオーディションの様子くらいは書いても良かったんじゃないか。
    まあ、こういう作風なのだろうから、これほど世間に知られた場所での体験でなければこんな風には思わないのだから、適した材料で書けば、もっと魅力が際立つのかも。賞も売れるかどうかは大いに関係するから、この材料なら倉本ドラマを見ていた人は買うだろうという計算が働いたのではないか。
    会話のテンポは面白いと思う。
    しかし、大御所の作家って、こういうアカデミックな教育を受けずに書いた人の文章には弱いよね。批判できないというか。そこは、つまらないと思う。

  • 倉本聰主宰の富良野塾の2期生である山下澄人が、塾での生活や入塾前の自身を描いた自伝的小説。スミトの定まらぬ思考や思考なき行動が描かれ、20歳前後の青年の精神的幼さや危うさが表現されている。しかし、読み手の興味関心によるが、少なくとも読みやすい小説ではない。単語や擬音レベルの非常に短いセンテンスの連続で説明不足感が続くかと思えば、接続助詞でつないだ長文で混濁した思考状況を表現したり、なかなか理解しにくい。芝居の台本の余白を詰めたような小説だ。そう考えてアングラ芝居の脚本のつもりで読めばいいかもしれない。

  • 面白いか面白くないかと言われれば、つまらないんだけど、なぜか読み進めてしまう不思議な小説。主人公の心情が全くと言っていいほど描かれず、読んでいてこいつは人として大丈夫なのか、と心配になるような不思議な不安感に襲われる。それを、どこか突き放すようでいて愛のある様子で見守る天との文通の雰囲気がいい。その彼女が最後、結婚したと報告するハガキが来る場面、まったく主人公の心情が描かれないのになにかストンっと落ちるような、そんな気分になった。

  • 最終頁で文学然とした作品に塗り替える力技。語りの距離、焦点化はお見事だが、意図せずやってるようにも感じる、それならなおさら凄いが。

  • ネタ頼り感を払拭できず、他作品も読みたいとは思えないクオリティの作品かな、と。寝ている時のもう一人の自分も、中途半端な印象を与えただけで、意味を見出せない。
    芥川賞受賞作品ゆえのハードルの高さも、あるだろうが。

  • 『しんせかい』
    主人公ぼくは、俳優になりたかったのかどうなのかわからないのに、馬の世話をしながら俳優と脚本家を育てる場の二期生に応募して試験を受けたら受かったため、【谷】に行きます。そこで俳優や脚本家志望の若者たちと共同生活を営みながら、【先生】の講義を受けます。

    “自分の中に起きたことを、ぼくはおぼえていない(p123)”とあるとおり、ぼくの思いはあまり描かれておらず、遠い視点から淡々と、事実が客観的に綴られているように思いました。なので、ぼくのほんとうの気持ちは正確にはわかりません。
    しかし、“遠くて薄いそのときのほんとうが、ぼくによって作り話に置きかえられた。置きかえてしまった。(p128)”という文章で、何だか切なくなりました。

    『率直に言って覚えていないのだ、あの晩、実際に自殺をしたのかどうか』
    翌日にある新橋での試験のため、慣れない新宿にやってきた主人公の一晩が描かれています。
    貧しい舌だから高い喫茶店のコーヒーでもおいしさがわからない、地理が本当によくわからないので地図を書いてもらっても正確にはわからず困ってしまう、突然“ああもう死にたい(p146)”という考えが頭を過ぎる、宿無しと練炭自殺しそうになるがそのあたりの記憶が曖昧である。
    そういった気持ちになるのもわかるような気がします。全体としては暗い内容なのかもしれませんが、淡々とした語りからも不安や焦りのようなものが感じられて、思わず笑ってしまうところもありました。

  • なんとも捉えどころのない小説。劇作家、俳優でもある著者山下氏の自伝要素が随分入っているのだろうか。私には良さが分からなかった。

    主人公の語彙の無さにイラつくし、全体を通して何が言いたいのかはっきりしない。曖昧さがスパイスになったりしていい味を出している小説も多いと思うけれど 、この小説の曖昧さは私個人的にはぐっとくるものではありませんでした。

    芥川賞を取った時も賛否両論だったよう。しかし絶賛するコメントを読むと、この本の良さが分からない私に問題あり??

全99件中 1 - 10件を表示

しんせかいを本棚に「読みたい」で登録しているひと

しんせかいを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

しんせかいの作品紹介

十代の終わり、遠く見知らぬ土地での、痛切でかけがえのない経験――。19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため、船に乗って北を目指す。辿り着いたその先は【谷】と呼ばれ、俳優や脚本家を目指す若者たちが自給自足の共同生活を営んでいた。苛酷な肉体労働、【先生】との軋轢、そして地元の女性と同期との間で揺れ動く思い。気鋭作家が自らの原点と初めて向き合い、記憶の痛みに貫かれながら綴った渾身作!

しんせかいのKindle版

ツイートする