しんせかい

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著者 : 山下澄人
  • 新潮社 (2016年10月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103503613

しんせかいの感想・レビュー・書評

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  • 富良野塾ってどういうものなのか、意識の中にちょっとはあって、それが題材という事で私は読みやすかったです。

    文章の流れが私にはなぜか心地良かったし。

    試験を受けに行く前日の話も変わってて面白かった。

  • 徐々に主人公が【先生】に感化されていく過程が表現されていた。
    特にラストシーンは、【先生】の描くドラマを見ているような錯覚を覚えた。

  • 面白くないという人も多いけど、個人的には嫌いではない。
    しかし、脚本ならいくら言葉が少なくてもセットや音響や照明や役者の演技で物語を深めることができるけど、これは。純文学は書かれていないところを読み取るのが重要だとわかってはいるけど、もうちょっと書き込んでもいいんじゃないかと思わずにはいられない。
    これに比べれば『火花』なんか、同じ実体験ものではあるがかなりちゃんと書いてあったなあと思う。
    かなりあちこち端折って書いてあるけど、当時の倉本聡のドラマの人気は相当なもので、ものすごい倍率を勝ち抜いて入塾できたわけだから、せめてオーディションの様子くらいは書いても良かったんじゃないか。
    まあ、こういう作風なのだろうから、これほど世間に知られた場所での体験でなければこんな風には思わないのだから、適した材料で書けば、もっと魅力が際立つのかも。賞も売れるかどうかは大いに関係するから、この材料なら倉本ドラマを見ていた人は買うだろうという計算が働いたのではないか。
    会話のテンポは面白いと思う。
    しかし、大御所の作家って、こういうアカデミックな教育を受けずに書いた人の文章には弱いよね。批判できないというか。そこは、つまらないと思う。

  • 2016芥川賞 下半期

  • 倉本聰主宰の富良野塾の2期生である山下澄人が、塾での生活や入塾前の自身を描いた自伝的小説。スミトの定まらぬ思考や思考なき行動が描かれ、20歳前後の青年の精神的幼さや危うさが表現されている。しかし、読み手の興味関心によるが、少なくとも読みやすい小説ではない。単語や擬音レベルの非常に短いセンテンスの連続で説明不足感が続くかと思えば、接続助詞でつないだ長文で混濁した思考状況を表現したり、なかなか理解しにくい。芝居の台本の余白を詰めたような小説だ。そう考えてアングラ芝居の脚本のつもりで読めばいいかもしれない。

  • 面白いか面白くないかと言われれば、つまらないんだけど、なぜか読み進めてしまう不思議な小説。主人公の心情が全くと言っていいほど描かれず、読んでいてこいつは人として大丈夫なのか、と心配になるような不思議な不安感に襲われる。それを、どこか突き放すようでいて愛のある様子で見守る天との文通の雰囲気がいい。その彼女が最後、結婚したと報告するハガキが来る場面、まったく主人公の心情が描かれないのになにかストンっと落ちるような、そんな気分になった。

  • ★2016年度芥川賞

  • 大きさごとに仕分けされた玉ねぎがベルトコンベアーに乗って流れ出てくるのを、ただただパレットに積んでいくだけの仕事で、ベルトコンベアー人間の都合とは無関係に荷物を無慈悲に流してくるから、時にはパレットに積み損なって零れ落ちたりした。ベルトコンベアーのような単純な機械に翻弄され悔しさから泣いている人まで出てくる有様。一種独特の新世界で起きる日常が淡々と描かれる。単調すぎて欠伸が出てくるも目を離すことができない。何なんだ、この感覚。何ともいわく言い難い不思議な魔力にすっかり魅せられた。

  • 最初は読みづらいと思ったけれど、慣れてくるとリズムがいいと感じた。
    1文が長くて、句点句点の間に直前の言葉の補足をするのだが、英語の関係代名詞のような感じで割と読みやすい。
    スミトの足元にいたもう一人の僕とは何だったのだろう。
    過去を回想する未来のスミトだったのかな。

    現在の自分と過去の自分をないまぜにするので、現在のスミトが、過去のスミトと入れ替わって物語が進んでいる。
    だから妙に記憶が曖昧。

    面白かったので時間ができたら別の作品も読みたい。

  • 2017.11.24読了⑩

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しんせかいの作品紹介

十代の終わり、遠く見知らぬ土地での、痛切でかけがえのない経験――。19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため、船に乗って北を目指す。辿り着いたその先は【谷】と呼ばれ、俳優や脚本家を目指す若者たちが自給自足の共同生活を営んでいた。苛酷な肉体労働、【先生】との軋轢、そして地元の女性と同期との間で揺れ動く思い。気鋭作家が自らの原点と初めて向き合い、記憶の痛みに貫かれながら綴った渾身作!

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