五つ星をつけてよ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 366
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103504313

感想・レビュー・書評

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  • 手のひらサイズのインターネットで知らず知らずに伸び縮みする
    心と心の距離を描いた6つの短編集。

    ・キャンディ・イン・ポケット
    ・ジャムの果て
    ・空に根ざして
    ・五つ星をつけてよ
    ・ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ
    ・君に落ちる彗星

    通学のときだけ会話する関係であった女子高生の卒業式の物語。
    既読スルーなんて友達だと思っていなかった…。
    夫を亡くし自分から離れていった子供達にジャムを送るも子供に疎まれてしまう母親。
    ジャム作りのブログを始めたものの…。
    口コミの星のレビューをたよりに服や家電を、そして人を選ぶ。
    だけど誰かの意見で何もかも決めてしまって本当に大丈夫なのだろうか…?

    登場人物の様子や性格が丁寧に描かれている。
    また女性の心理描写がとても丁寧で、女性が生活の中で感じる日々の思いや、
    どこにでもいそうな等身大の女性達に共感を感じました。
    全体に重苦しいイメージ。
    読んでてドヨンとしたりゾッとしたりヒリヒリするお話が多かった。
    でもキャンディ・イン・ポケットは明るくて前向きになれて良かった♪

    どのお話もSNSやネットショッピングをほんの少ししている私にはヒリヒリ痛かった。
    誰もがインターネットやSNSを利用してるんじゃないかなぁ。
    その影響って大きくなっていて軽く依存している所がある。
    誰もがきっと思い当たると思う。
    ちょっと、苦い読後感でした。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      私もSNSをしているので胸が痛くなりました。
      ちょっとした事で人を羨む気持ちがあってそれが大きくなったら妬...
      こんばんは(^-^)/

      私もSNSをしているので胸が痛くなりました。
      ちょっとした事で人を羨む気持ちがあってそれが大きくなったら妬みになったりするのかなと思うと怖くなります。
      自分は自分って思えるように強くなりたいです。

      初めて知った作家さんですが、今にぴったりなお話を書かれる人ですね。
      2016/12/26
    • しのさん
      こんばんは(*'ω'*)
      こちらにもコメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
      そうですよね~現代ではネットやSNSに無縁の生活...
      こんばんは(*'ω'*)
      こちらにもコメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
      そうですよね~現代ではネットやSNSに無縁の生活をしている人ってほんの一握りだと思います。
      だからこそ、誰が読んでも心当たりがあったりして胸が痛くなるんじゃないかって思いました。
      私もSNSで何度が嫌な思いもしましたが、そうですよね~自分は自分って思える様に私も強くなりたいって思いました。
      私も初読みの作家さんでしたが、良かったですよ~機会がありましたら是非読んで下さいね(*'▽')
      2016/12/26
  • スマホやSNSをテーマにした短編小説集。
    送ったLINEがいつも既読スルーだから自分達は友達ではないと思っていた女子高生の話。
    夫に先立たれ子ども達が巣立って残された時間を手作りジャムをブログで紹介することに捧げている老女。
    自分で撮った空の写真をSNSに投稿することで現実逃避している青年。
    誰かの評価を確認してからでないと自分で好きなものが選べなくなってしまった女。
    会ったこともない男に恋をしてしまった中学生女子。
    引退したアイドルのブログにアンチコメントを書き込んだり、書いてあるアンチコメントを読むことに生き甲斐を感じている人々。

    どれもスマホの世界、一歩間違うと怖いんだな、でも読後感が良いものが多いかな…と思いきやジャムの話!!

  • SNSに纏わる短編集。然り気無い情景描写が瑞々しい。やわやわとした苦味を感じる、大人になった子供達に拒絶と現実を突き付けられるジャム作りが趣味の母親、バンド大学生と付き合う中学生と青い詞と許せない事ばかりだったあの頃、元アイドル主婦とヲチスレの住人の話が印象的。気を許した故の既読スルーの友情もすき。

  • インターネットが生活の一部になった現代社会の、あるかもしれない短編集6編。
    最後はちょっぴり意表を突く仕掛けがあったけれど、全体的に現代あるあるだなぁと思うものの、ズバ抜けてよかった~と思うものもなく、ぼんやりした印象。
    もっと尖ってるのかと思ったので、やや期待外れ。

    ≪キャンディ・イン・ポケット≫
    既読スルーする友達。
    ≪ジャムの果て≫
    ブログにコメントをくれる男性と実際に会うことになり…
    ≪空に根ざして≫
    インスタに空の写真ばかり投稿する男性。
    ≪五つ星をつけてよ≫
    レビューばかり気にする女性が、母親の介護士に疑念を持って…
    ≪ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ≫
    ツイッターで大阪のバンドマンと出会い、付き合うことになった少女。
    ≪君に落ちる彗星≫
    元アイドルのブログ。匿名掲示板のヲチスレに住む女性、ヲチスレをヲチる男性。

  • 作家の朝井リョウが勧めていたので読んでみました。
    読んでみてなんかわかるーと思ってしまった。朝井リョウが好きな人はこの本も好きなのではないでしょうか。

    SNS社会ならではの陥りやすい日常を描いた短編集です。
    現代社会ならではのドラマの数々ですが、実際問題あまり敬遠していると他人に迷惑が掛かる場合があるし、かといって、のめりこみすぎると病んでいく気がするし、私自身は世代的な助けもあり結構距離を取っている方ですが、こんな本を読むにつけつくづく生きづらい世の中だなーと思わずにはいられません。

    口コミサイトに頼っているうちに自分の判断基準がわからなくなる様や、匿名ならではの気安さと悪意など、微妙な心の機微の表現が上手な作家さんでした。
    たぶんターゲット層は若めなんだろうけど、他の作品も読んでみたいです。短編じゃないのもあるのかなあ。

  • どことなく心に闇を抱えた一般市民が主人公の短編集。

    それぞれに落ちはあるのだが、何となくもやもや感が残る。

  • 価値基準をネットの評価に
    なんかねえ
    でもなんかねえ 分かるよね
    無責任な☆
    6篇ともドキッとさせられた

    ≪ 指一本 触れて身近か 遠いのか ≫

  • 奥田さん初読み。短編集。

著者プロフィール

1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒。2013年『左目に映る星』で第37回すばる文学賞を受賞しデビュー。他の著書に『透明人間は204号室の夢を見る』『ファミリー・レス』『五つ星をつけてよ』『リバース&リバース』『青春のジョーカー』『魔法がとけたあとも』がある。

「2021年 『求めよ、さらば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥田亜希子の作品

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