ただしくないひと、桜井さん

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著者 : 滝田愛美
  • 新潮社 (2016年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103505716

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ただしくないひと、桜井さんの感想・レビュー・書評

  • 第13回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞受賞作。重たくなるような話の連作短編。流れるようにサクっと読んだ!人間生きてると何かしらいろんな事がある。正しくないと頭でわかってても抗えないことも。そんな様々な事を垣間見たような1冊。

  • すごく面白く読めた。が、最後の展開は…。それこそがタイトルに込められたものだったのだろう。今回読んだ本がどちらもハッピーエンドとは程遠かったため、疲れてしまった。ハッピーエンド、時々バッドエンドが私には合っている…。

  • スラスラ読めたが切なくなる。斜視について気になって調べた。
    それぞれの話がつながっていき、徐々に謎が解けていくのだけれどやっぱり切ない。

  • 第13回『女による女のためのR-18文学賞』読者賞受賞作。
    放課後に子供たちを見るボランティアをしている青年・桜井を中心とした話。
    桜井は母親と死別している(と思いきや、終盤で生きていることが明らかとなる)。彼の教え子の男子中学生・横田太郎は母親が病気で大変。もう一人の女子中学生・ゆずはどこかエキセントリックで早熟。小学4年生の女の子は母親に暴力を振るっているという。
    横田太郎の父親が主役の話では、病弱の妻が浮気をしていたことが明らかになり、その鬱憤のせいなのか、電車の中で誘惑された女生徒関係を持ってしまうさまが描かれる。
    実はこの女性は横田太郎の同級生・ゆず。
    終盤では、桜井の同僚の丸山という女性が主人公。丸山と作為が惹かれあって、でもどこか違和感のある様子が描かれていき、最後に二人が兄妹で会ったことが判明する。
    それでも関係を諦めないと丸山が誓うところで話が終わる。

    いやー、最初は「正しいだろ、桜井さん」と思っていたけど、兄妹だと知りながら関係を持っていたのが分かってタイトルの意味を咀嚼。

  • 最後の章でぐぐっと引き寄せられた。

    なんとなく兄妹なんじゃないかと、うっすら感じはしたけどまさか桜井さんまでが認識しているとは思わなかった。
    お互いがお互いの関係性に気付いたのはどの時点か、この場面では?あの場面では?と何度も読み返してしまった。

    ただ血の繋がった妹にする生殖を目的としない交わりは、それは正義ではなく自己保身でしょう。
    でも彼女がそれを正しいとするのなら、それは正義になるのかもしれない。
    というか熟女好きの設定はどこへいったのか…。

    心のどこかに小さくひっかかって、読み終わった後もなんだか気になってしまう作品。

  • 1ヶ月くらい前に立ち読み。終盤の展開が良い。

  • 客観的なニュアンスのタイトルにもかかわらず、桜井さんの主観から始まって最初から「おや」と入り込む。

    初読の作家さんですが、ことば運びや描写などの細かい違和感が一切なくて、気を散らさずにスルッと世界に入り込めました。
    プロの書いているものばかりを読んでいても、これは当然じゃなく「当たり」なんだ、と再認識するこのごろです。

    嫌な違和感はまったくない文章なのに、ちょうどいいレベルのヒントがパラパラと細かくちりばめられていて、さらっと読もうとして「いやいやちょっとまて」と意識が数行前に戻る。でも先を読みたくて目は次の行を走っていて楽しい焦燥感にジリジリしました。

    「この子は行間が読める。」この感覚に桜井さんと自分が僅かにリンク。
    良い本と出会ったとしても、登場人物の誰にもシンパシーを感じずに終わることもよくあるんですが、細かいことでも「うんうん」と思えるポイントがあるのはうれしかったりします。
    たとえその人物を好きではなかったとしても。

    そして知らないことをすぐ調べてしまう癖は考えものだと学習しました。
    あるものの性質をググってしまったせいで、かなり早い段階で大事なポイントに気づいてしまった。

    にもかかわらず、終盤にかけて小出しにされるヒントに、やっぱりかと思いつつも「うわあ」と思わされてしまうのは間違いなく作者の筆力だと思う。

    そして予想は的中しつつも、きちんと裏切られた。
    いや、細かい描写を頭で反復していると、他のいろんなこともすべてこの人間性に繋がることはわかっていた。なのに「くあー」と呟いてしまう。(確信が持ててないんですが、一見無関係に見えるあの彼も実はこの彼ですよね?自己申告してるもんね?)

    いやー、おもしろかった。読後、タイトルに無言で頷いてしまうのも良作の証しかと。

    余計なことですが、うまいと思う作家さんが自分より年上だとなんだか安心してしまいます。

  • 急展開でびっくりしました。
    「!?」が脳内で交差するうちに気づいたら一気読みしてました。

    人の人生が、他人に及ぼす影響と繋がり。
    おもしろかったです。

  • これからからも、このまま?

  • 久しぶりに一気読みするほど面白い本、読んだ気がする。それほど随所に魅力が散らばっている。出てくる人がみんなただしくない。ただしい人間が存在するのかもわからないけど、問題児と一言で片付けることができないくらいの問題を抱えた人たち。
    桜井さんのすたれた熟女でしか抜けないというはじめらへんに語られた性癖に触れられることがなかった気がするのですが読み落とした??
    丸山さんと桜井さんの最後、予想もしなかった。予想できたかもしれないのに、ラスト急展開すぎて話についてけなくて何度も読み直して読み直して読み直して、やっと腑に落ちた。ただしくなさすぎて泣ける。どうしようもない話すぎて震える。みんな愛に飢えてて、愛だけでなく様々な欲から飢えていて、愛されたい欲求が強すぎて目眩するくらいに。
    とんでもない本でした。新しさはないけど簡単に誰かがかけないような作品。R文学賞の読者賞だったんですね、彩瀬まるさんのように活躍してほしいなと思いました。

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ただしくないひと、桜井さんの作品紹介

きっと、これは、ただしくない。わかっているのに、どうしようもない。学童保育でボランティアをする桜井さんは、やる気がなさそうに見えて、子供たちからなぜか人気。平穏な日々を破る突然の出来事に、彼は――。不倫、援交、育児放棄……その裏にある、切実な痛み。読者から圧倒的支持を得たR-18文学賞読者賞受賞作をはじめ、抗えない感情を抱え生きる人々をそっと掬い上げたデビュー作。

ただしくないひと、桜井さんのKindle版

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