夏をなくした少年たち

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著者 : 生馬直樹
  • 新潮社 (2017年1月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103506614

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夏をなくした少年たちの感想・レビュー・書評

  • 僕たちの夏の大冒険は、あまりにも哀しかったー。

    拓海と啓、雪丸と国実は新潟の田舎町に住むお騒がせ4人組。
    ずば抜けた運動神経と容姿、才能豊かで大人びた啓。
    ルールを守れず幼稚で悪るふざけばかりする肥満体の雪丸。
    小学二年の時に転校してきた大人しい国実。
    そして、僕・拓海。
    お騒がせ四人の遊びには、いつも国実の妹・智里もついてきた。
    小学校最後の夏、花火大会の夜に僕たちは想像を絶するほどの後悔を知ったー。
    それから20年余り。惨めな遺体が発見され、あの悲劇の夜に封印された謎に
    決着をつける時が来たー。

    物語は、東京で刑事となった主人公・拓海が遺体安置署で、
    一人の男の遺体と対面する場面から始まる。
    そこから、一気に場面は拓海の小学校時代の回想へ…。
    第一部の少年時代の回想シーンが物語の半分くらいを占めていて、
    登場人物の人物像や家庭環境がとても丁寧に描かれていた。
    少年ならではの悩みや葛藤や、人間関係や友人関係や幼さや生活が、
    とても生き生きと描かれてとっても良かった(*´ `*)
    彼らの仲間になってしまってた様な気分で一気に読みました。
    大人びた子供から、幼稚な子供まで少年時代の回想はとっても良くて引き込まれましたが、
    ミステリーとしては、やっぱりね…って感じで残念だったかなぁ。
    ただ啓の母親にはとても驚いたし、こんな人間は最低だ(*`Д´*)
    ラストは、皆、心の底に本当の優しさを持っていたのかわかったし、
    四人のこれからを感じさせられて良かったです。

    切なさを感じる素敵な作品でした。

  • 第三回新潮ミステリー大賞受賞作(加筆・修正あり)。
    少年たちの無鉄砲な行動が生んだ悲劇と、それがきっかけでバラバラになっていく彼らを描いた第一部。その二十二年後にある事件が起こり、大人になったかつての少年たちが再会する第二部。
    少年たちの青臭さが巧く表現されていた第一部は良かったが、第二部で主人公のロマンチシズムが目に余る様になり、徐々につまらなくなった。真相もパッとしないし、ミステリとしての魅力は乏しかった。
    文章は巧いので、テーマによっては面白い作品も書けそう。期待は持てる。但し、普通なら漢字にすべき所を何ヶ所も平仮名にしている意味が分からなかった。あれでは読者がダレるだけだろう。単なる修正忘れか?

  • 過剰に騒ぎをおこすことで注目を集めてアイデンティティを確立していた少年が、成長するに連れて崩壊していく様子がリアル。
    逆に子供のころは受け入れられていた奇矯な行動が、やがて周囲から排斥されていく青年の鬱屈もリアル。
    少年たちの不注意と頑なさによって死んでしまった幼女、妹の死で心が死んでしまった兄。哀しみが胸をうつ作品。

  • 切ない物語だね。

    子供達にも善意や悪意はあるけど、彼らの人生を大きく歪めた大人たちの身勝手さ。ダイレクトではなく婉曲的なところが尚更酷い。


    その中でちょっと勘違いやろうな女の子にすげー真っ当なことを言い放った先生が印象的。

    あと、大人になって3人が再開ところへ向かう場面。
    クニ、久しぶりだね、タクミだよ、の流れはグッときました。

    この季節に読んでよかったー

    2017.8.30

  • ミステリーというほどではなかったが一気読み。

  • 小学生男の子の、妹を連れてくるなという気持ちはわからないでもない。

  • 第三回新潮ミステリ大賞受賞作です。著者は新潟在住の方です。
    書店でパラパラと眺めてみたら舞台も馴染みのある場所を描いているようです。
    興味をひかれ、ついつい衝動的に購入してしまいました。
    一読後の印象としてはエンターテイメントとしてのミステリ的な完成度、
    つまり犯行の動機や、なぜ悲劇が起こったのか?などに関する説得力は今ひとつではあります。

    しかしなんとも言えない魅力がある作品でした。
    その魅力とはどんな部分なのか?振り返りながら少し考えていきたいと思います。

    ストーリーのおおまかな流れを少し書きます。
    東京で刑事として働く男が身元不明の殺人事件の被害者の顔を見て驚きます。
    少年時代に関わりのあった人間であったのです。
    しかし男はそのことを周りには伝えずに個人的に捜査することにします。
    そして男は三日間の休暇をとり、生まれ故郷である新潟に戻ります。

    なぜ男は、刑事としては考えられないそんな行動をとるのか?
    そこにはそれなりの理由があるようです。
    その謎はどうやら男が十二歳の頃に経験した悲劇的な事件に原因があるようです。
    男は故郷に向かう道すがら過去を回想していきます。

    まず思い出したのは地元でも知らない人がいないくらいの
    悪ガキ「雪丸」と男「タクミ」が親しくなるきっかけの出来事でした。
    その出会いがなければあの悲劇も起こらなかったかもしれないし、
    今回の殺人事件もなかったかもしれない。
    そしてタクミは真相をさぐることもなく、
    そのままにしていた悲劇に決着をつけざるをえないと覚悟します。
    彼は失ってしまったその頃の仲間たちの行方を追い始めます・・・・・。

    というような内容のストーリーです。
    前半はずっと一二歳の頃の回想です。
    そのあたりを読んでいるとリアルに描かれているなあ、と感じました。
    どんな部分がリアルかというと、一二歳というと、
    子供なりに社会の中での自分が置かれている立ち位置みたいなものがわかってくる頃じゃないですか。
    つまり生まれた家とか、能力や容姿などの面で、持っている人もいれば、そうでもない人もいる、
    その格差みたいなものがじわじわとわかってくる。

    そしてそれまでは自分たちを守ってくれていた大人たちが、
    実は自分たちとさほど変わらない未熟な人たちである、ということも気が付き始める。
    その結果、それまでは単純であった子供同士の友情というもののなかに少しずつ亀裂が入りはじめる。
    そのあたりの心理的な描写がこの作品ではとてもリアルに描かれているんですね。

    つまり前述したこの作品のなんとも言えない魅力とはこの部分にあるのかな、と思います。
    そしてあくまで、ミステリ的な味付けで組み立てられた作品ではありますが、
    著者が書きたかったことを、勝手に推測すると、
    多くの人が持っていると思われる子供時代の解決することもなく、
    そのままにしていた問題を物語としてデフォルメして書くことにより決着をつけたい、
    そういう事だったんじゃないかな?と思います。
    過去を振りかえってばかりというのも問題ですが、
    過去を清算しなければ前に進めない、
    そんな悲劇に出会ってしまった人間もいるのだろう、とも思えます。
    2017/03/23 05:33

  • 2017.6.5.読了榊雪丸、三田村国実、紀本啓、そして僕梨木拓海は6年生仲良し四人組。小学校生活最後の夏休みの思い出に新潟から群馬までの自転車旅行を計画していた。雪丸のためにその計画が変更になってしまい、花火大会を見るために花火大会当日は立ち入り禁止になる山にみんなで登ることを夏休みの思い出にしようとした拓海たち。四人組につきまとう国実の妹智里がついてきたことから取り返しのつかない出来事が起こってしまう。
    ストーリー的には予測できたが、仲良し四人組の描写が生き生きしていてよかった。四人組につきまとうあと一人の上級生東堂聖剣の存在と啓の母親のストーリーが若干説得力に欠いていると思ったが夏をなくした少年たちというタイトルが絶妙な作品だと思った。

  • 第三回新潮ミステリー大賞受賞作。
    新下なおき「グッバイ・ボーイ」単行本化にあたり、著者名と作品タイトルを変更。

    装画 : 牧野千穂 さん。


    p.180 「いま、あなたの中に、意地悪な心がないと言い切れますか」
    「傷ついた人が、傷ついたことを隠しながら去っていくことが、なぜか気にくわない。すっきりしない。だからあばいてやりたい。叩きのめして思い知らせてやりたい。そんなよこしまな感情などまったくないと、言い切れますか」

    p.180-181 「誰にだってプライドがあります。見せたくない弱みもあるでしょう。さらしたくない痛みもあるでしょう。それを、なんの必要もないのに、ただ自分が気にくわないから、すっきりしないから、という浅はかな理由で、意地悪にあばこうとしてはいけないんです」

    p.327 〜なんの訳もなく、ただ面白半分に、自分や自分の家族を攻撃してくる「近所のオバサン連中」をどうしても許せなかったのだろう。そのせいで居場所をなくしたのだから。
    ↑↑↑↑↑
    【これすごく分かる。本当にヒマすぎなの。殺意湧くの。害なの。現実に居るの、こういうオバサン達。】

    p.328 「〜おまえみたいな、自分の持ってるものと他人の持ってるものを比べて、勝った負けたというのを延々とくりかえすだけの女と一緒にいて、男が幸せになれると思うか。オレが本当に一緒にいたいのは愛のある女だ。おまえみたいな、他人より上でいたいと考えてるだけの馬鹿女じゃない。〜」

    p.353 〜もう二度と会うことはないだろう。僕らはかつて友達だったが、その時間はとっくの昔にうしなわれてしまったのだ。

    p.362 「厄介ですけど、本物のプライドってやつは何年経っても消えないものです。そのせいできゅうくつにしか生きられない人間も、たくさんいますから」

    紀本啓の母親が毒親過ぎて酷い。
    p.324 四行目の括弧内の台詞がそれを最大限に表している。

  •  なんとも切ない物語。
     物語の主人公、タクミは警察官。そのタクミの前に事件の被害者が身元不明の死体となって横たわっているところから物語は始まる。
     すぐにタクミの回想シーンへと移る。タクミがまだ小学生の頃、仲良し4人組と夏休み最後の大冒険をする話だ。そこでも蓋をしてしまいたい、忘れられない事件があった。過去の未解決事件と今回の事件が交わる時、犯人の姿が浮き彫りにされるのだが、それがなんとも悲しい結末を生み出す。

     小学生の頃の回想シーンがあまりに瑞々しくて、このままこの時代にいたくなってしまった。子どもの心理描写があまりに上手く、自分も小学生の夏休みを過ごしているような気持にさせられた。
     このような事件ではなく、青春ものとして、この4人組と会いたかった。

  • 新潮ミステリー大賞受賞作。
    どこにでもいそうな、小学生男子の仲良し四人組。いろいろ問題がありながらも結局は仲良しで微笑ましい少年たちの日々の中で起こってしまったとある悲劇の物語。誰にでもありそうな夏の思い出、の情景の中で起こるだけに、これはもう痛々しくってたまりませんでした。日常がふとしたことで崩壊してしまう瞬間の恐ろしさが、あまりに悲しすぎます。
    だけどそれだけではなく、そこからまた20年も経って起こった悲劇の続き。意外な真相ではないのだけれど、だからこそあまりに悲しい真相。長い時を経て明かされる悲劇の物語と、それぞれの後悔、そして友情が切ないながらもほんの少し温かくて、印象的な読み心地でした。

  • 一生忘れられない出来事を体験した少年達のその後の人生が切ない。胸に沁みる話だった。

  • 例えばニュースで「小学生男子4人が山中に4歳女児を置き去り。女児は死亡。」と流れたら、誰もがあり得ないと思うだろうが、些細なボタンのかけ違いでこういう事が現実にも起こり得るのだと思うと限りなく怖い。

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夏をなくした少年たちの作品紹介

僕たちの夏の大冒険は、あまりにも哀しかった――。得がたい才能を秘めた新人登場! 拓海(たくみ)と啓、雪丸と国実(くにみ)は新潟の田舎町に住むお騒がせ4人組。小学校最後の夏、花火大会の夜に、僕たちは想像を絶するほどの後悔を知った――。それから20年余り、惨めな遺体が発見され、悲劇の夜の封印された謎に決着をつける時がきた。誰もが通る少年の日々を瑞々しく描いて大絶賛された、第三回新潮ミステリー大賞受賞作。

夏をなくした少年たちはこんな本です

夏をなくした少年たちのKindle版

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