- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103508311
感想・レビュー・書評
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それぞれの主人公の感情が非常に委曲を尽くして描かれてあった。普段小説を読んでいる中で、こんなに心情が細かく書いてあるものってあまりないと思う。そのため、読みながら、日常の中でこんなにも相手に対して気配りや、自分の言動に対する後悔、反省、喜び等、様々な感情を抱いているんだなと実感した。
相手の気持ちが見えたとしても見えなかったとしても、どちらにせよ恐らく悶々と色々と考えてしまう。考えた結果、相手の意図とは違うこともある。だから、あれこれと深く考えすぎずに気楽に自分も他の人にも関係を持てたらどんなに良いだろうとは思ったけれど、なかなかそれも難しくて、人間関係は煩雑だなと痛感した。
タイトルの「」とそれぞれの章の繋がりが素敵。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あらすじを書こうと思ったけどこれをどうまとめていいか分からないのと、感想書くの久しぶりすぎて書けねぇ!となっていますが頑張って書きます。
ネタバレしそうな気しかしないがいくぞー。
まず、本を開き目に入るのは何か。
はい、そうですね、目次です。
私は目次の時点で訳が分かりませんでした。
きっとこの物語の主人公、京くんからすれば、私の頭の上にはハテナが沢山浮かんでいたことでしょう。
そう、この主人公京くん、見えるのである。
人々の頭の上に「?」や「、、」などの記号が。
言葉を交わさずとも、その記号を見ればその人が今どんなことを思っているのかがなんとなく分かる。
でも、これは他の人には見えない、自分だけの「かくしごと」
そんな京くん、クラスが同じある女の子をいつもガン見。
(多分)ヒロイン三木さん。
日に日に変わる彼女のシャンプーの香りと彼女の頭の上に浮かぶ記号に惑わされながら、告白する勇気などないチキン男子は悪い妄想があれやこれやと大暴走。
加えて
京くんのお友達THE陽キャ、ヅカ。
三木さんのお友達で色々パッパラパーの、パラ。
不登校女子、エル。
5人はそれぞれの「かくしごと」を抱えながら、一人一人の視点で物語が進んでいきます。
着地点がよく分からなくなってきたので説明終わり。
さて。
私たちは、
多種多様な人間がいる中で暮らしていかなければならないが、他人の考えていることなんて、分かるわけがない。
しかし時折、言葉で言わずとも感じるものがある。
それは喜怒哀楽様々で、所謂、「空気」というやつだ。
「あーあ、人の考えていることが目に見えて、手に取るように分かればなぁ。」
そんなあなたに本作どーん。
その見えない「空気」を可視化!!!
これで万事解決!!!!
……とはならないわけで。
本作では全員が何かしらの感情、「空気」の記号が見えていたけれど、それにも関わらず誤解やすれ違いがあり、目に見えたことだけでは問題は解決しなかった。
いくら理解したいと思っていても、一方的ではどうしても限界があるし、主観が入る。
では、どうしよう。
「言葉」である。
結局は、言葉に出した者勝ちというか。
いくら頭で考えていても、言葉にしなければ伝わるものも伝わらない。
それは、私たちが「目に見えないから」
言葉で出たものが全てというわけではないかもしれない。
パラのような人間もいるしね。
でも、本音を伝えられる手段もまた、言葉なのである。
大人になるにつれ、考えることも気にすることも増えて、言いたいことも言えなくなるけれど、口から出ない言葉はずっと自分の中に閉じこもったまま。
大事なことはちゃんと言葉で伝えましょうね、
そんなことを感じた私でした。
てかどう考えなくても
「え〜〜!!!何この青春〜〜〜!!」
状態。
そして三木ちゃんの心が綺麗すぎる。
こんな濁り無き心を持った人がいるのかと。
どちらかというと私の考え方はヅカやパラ寄りなので眩しかったぁ!!!!
人の感情や色々が分かる能力があったら、私の学生時代ももっと簡単に生きられたのかなとか思うけど、分からないからこそ知ろうとするし、知れた時の喜びってあると思うのですよ。
う〜ん……、
…案外、そっちの方が面白いのかも?
知 ら ん け ど ☆ -
「もしも人の気持ちが見えたら…」なんてよくあるフィクションのテーマで、そういう物語では大抵「見える人」は世渡り上手というか、どこか冷めた性格で描かれていることが多いけど、この本に出てくる高校生たちは、みんな不器用。そこがリアルで面白い。
結局、人の気持ちが見えても、見えなくても、悩みは変わらない。
自分って何なのか、人からどう思われているのか、人のために何ができるのか。
みんな、考えることは同じなんだなぁ。
そして、解決するには、勇気を出して歩み寄るしかないんだ。 -
住野よる、ハズレがないと思ってたから今回ちょっとがっかりかも。なんか平凡すぎて面白みがないかな。個人的にはあまり好みではなかったです。
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小学生の頃に読んでとても感動したのを今でも覚えています。この本は私にとって小説を好きにさせてくれた大切な作品です。
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出てくる登場人物がみんなこういう人学校にいるよな〜と思うような人で、すごくリアルだった
みんなの前では明るくても実は色々と考えて行動してしまう人、自分に自信がなくて自分に嘘をつきながら生きている人、感情と行動が全て一致している人、底抜けに明るい人、これは一人一人じゃなくて、一人の人間の性格をバラバラにしてできた人たちなんじゃないかと思った。し、自分はエルの気持ちが少しわかってしまう気がした!自分に自信がなくて全てにおいて考えすぎてしまうところが!ずっと直したいと思っているけれど、エルを見ていて、全部が悪いことじゃないかなと思った
普段は自分を他の人の目線から見ることは難しいけれど、本の中の登場人物に自分を映し出して、自分と似たような人を見つけて、そうして自分と改めてお話ができるようなる、これが本の好きなところ!
相手の感情がわかればな〜と思う時もあるけれど、相手の感情がわかってしまうとみんなが生きづらい世界を作っちゃうんじゃないかと思ったし、逆にみんなが相手の感情も汲み取りながら、相手のことを思いやれる世界にもなるのかなとも思った。
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若い。そう言えば自分にも昔、こんな感覚あったような。
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相手の気持ちが記号で見えてしまう高校生5人組のお話。
タイプの違った5人の絡み具合がいい。
現役の学生さんが読んだら、なお面白いんだろうと思う。